それでも、わたしは今日もこの想いを抱えて。
〜story1〜
わたしの”可愛くなりたい”はいつだって、貴方からの”可愛い”のためだった。
素朴で清楚な可愛らしく背の小さな女の子。
貴方の好きな、女の子。
可愛くて、優しくて、控えめで、頑張り屋さんで、ちょっと抜けてて。
そんな、女の子。
わたしとは、正反対の女の子。
華やかなメイクに緩く巻いた髪の毛。背も高めのわたし。
貴方を好きな、わたし。
気が強くて、ひねくれてて、でしゃばりで、警戒心が強くて。
そんな、わたし。
他の男の子からの”可愛い”なんんて、いらなかった。
貴方の”可愛い”だけでよかった。
それだけが、欲しかった。
でも、必死に磨いた見た目もあなた好みじゃなかったみたい。
貴方の好きな子は、わたしが努力した姿とは正反対だった。
180°反対にいた。
素のままで貴方に可愛いと思われるその子が、羨ましかった。
必死に取り繕った見た目さえも貴方に振り向きもしてもらえないわたしとは、大違い。
悲しくて、悔しくて。
こんなに、努力してるのに。
それでも、側にいれないのに。
何で貴女は彼に想われてるの…?
ずるい。ずるい。ずるいっ…!!
貴女ばっかり…!
ぽろぽろと涙と一緒に溢れたその気持ちのままに、その子に意地悪してしまった。
貴方はわたしのことが嫌いみたい。
そりゃそうだよね。
わたしは貴方の好きな子に意地悪したんだから。
あの子は泣いていた。
苦しげに、顔を歪ませながら。
貴方はわたしを睨みつけた。
思わず呆然とした。
わたしは、何をしているんだろうって。
貴方は激しい怒りを宿した冷たい目で私を見下ろして、そのまま去っていった。
その背中が涙でにじむ。
あぁ、ここは少女漫画みたい。
膝から崩れ落ちた私は、涙の混じる吐息と共に思う。
貴方が好きになるのはクラスの中心にいる女の子じゃなくて、控えめだけど実は可愛らしい女の子。
もし、私が余命わずかな女の子だったら、また違ったのかな。
あぁ、でもその時は相手はクラスの地味目な男の子で貴方じゃないんだ。
貴方じゃないなら、その世界に意味はない気がした。
そんなことを考える。
そんなものに、意味はないのに。
だって、ここは少女漫画だ。
わたしみたいな気が強い女の子は悪役と、最初から決まっている。
―それでも、わたしは今日も貴方に恋をしてしまう。
〜story2〜
好きだった。大好きだった。
―どうしようもないほどに。
叶わないことなんて知っていた。最初から。
だって貴方は先生で、私は生徒だから。
せめて、わたしが生徒じゃなかったら。
せめて、わたしが高校生だったなら。
そう何度も何度も頭の中を駆け巡る。
そんなものに、意味はないとわかっていても。
貴方の言葉も、笑顔も、仕草も。
全部、”先生”として。
わたしがとれほど願っても貴方が”先生”であるように。
わたしがどれほど願ってもわたしは”生徒”でしかない。
貴方の授業が楽しみで。
貴方の教科だけは必死で頑張って。
貴方が担当の先生であるように願って。
クラスの女の子に意地悪された時。
その子の気持ちが、痛いほどわかってしまった。
好きで好きでたまらないのに。
好きな人はわたしを見てくれない。
辛くて、辛くて。どうしようもなくて。
思わず涙がこぼれた。
貴方に近づくほど、わたしとは遠い存在だと思い知らされて。
それでも諦められない自分がもどかしくて。
それでも、大好きだった。
わたしが生徒じゃなければいいのに、と思うほど。
貴方とわたしの繋がりは”学校”であることを突き付けられてしまう。
想いを伝えられないこの恋。
想い自体が迷惑になってしまうこの恋。
想いが叶うことなんてありえないこの恋。
それを突き付けられるほどに。
伝えたいと、思ってしまう。
叶ってほしいと、願ってしまう。
意識してほしいと、祈ってしまう。
ここが少女漫画の世界だったなら。
きっと、あなたと結ばれることも叶うかもしれないのに。
そんなこと、考えたって意味ないのに。
どうしたらいいのか、わからなくて。
―教えて、先生。
そんなこと、言えるわけないのに。
叶わない恋を抱えたまま、わたしは今日も貴方に逢いに行く。
END
最後まで読んでくれてありがとうございます!
少女漫画みたいなことを悲しむ女の子と少女漫画の世界だったらと願う女の子を描いてみました。もともと別々に書いてたんですけど、これもしかして繋げられるのでは?!と繋げちゃいました。
感想・アドバイスお願いします! 金木犀/kinmokusei*さん(選択なし・13さい)からの相談
とうこう日:2023年9月27日みんなの答え:1件
わたしの”可愛くなりたい”はいつだって、貴方からの”可愛い”のためだった。
素朴で清楚な可愛らしく背の小さな女の子。
貴方の好きな、女の子。
可愛くて、優しくて、控えめで、頑張り屋さんで、ちょっと抜けてて。
そんな、女の子。
わたしとは、正反対の女の子。
華やかなメイクに緩く巻いた髪の毛。背も高めのわたし。
貴方を好きな、わたし。
気が強くて、ひねくれてて、でしゃばりで、警戒心が強くて。
そんな、わたし。
他の男の子からの”可愛い”なんんて、いらなかった。
貴方の”可愛い”だけでよかった。
それだけが、欲しかった。
でも、必死に磨いた見た目もあなた好みじゃなかったみたい。
貴方の好きな子は、わたしが努力した姿とは正反対だった。
180°反対にいた。
素のままで貴方に可愛いと思われるその子が、羨ましかった。
必死に取り繕った見た目さえも貴方に振り向きもしてもらえないわたしとは、大違い。
悲しくて、悔しくて。
こんなに、努力してるのに。
それでも、側にいれないのに。
何で貴女は彼に想われてるの…?
ずるい。ずるい。ずるいっ…!!
貴女ばっかり…!
ぽろぽろと涙と一緒に溢れたその気持ちのままに、その子に意地悪してしまった。
貴方はわたしのことが嫌いみたい。
そりゃそうだよね。
わたしは貴方の好きな子に意地悪したんだから。
あの子は泣いていた。
苦しげに、顔を歪ませながら。
貴方はわたしを睨みつけた。
思わず呆然とした。
わたしは、何をしているんだろうって。
貴方は激しい怒りを宿した冷たい目で私を見下ろして、そのまま去っていった。
その背中が涙でにじむ。
あぁ、ここは少女漫画みたい。
膝から崩れ落ちた私は、涙の混じる吐息と共に思う。
貴方が好きになるのはクラスの中心にいる女の子じゃなくて、控えめだけど実は可愛らしい女の子。
もし、私が余命わずかな女の子だったら、また違ったのかな。
あぁ、でもその時は相手はクラスの地味目な男の子で貴方じゃないんだ。
貴方じゃないなら、その世界に意味はない気がした。
そんなことを考える。
そんなものに、意味はないのに。
だって、ここは少女漫画だ。
わたしみたいな気が強い女の子は悪役と、最初から決まっている。
―それでも、わたしは今日も貴方に恋をしてしまう。
〜story2〜
好きだった。大好きだった。
―どうしようもないほどに。
叶わないことなんて知っていた。最初から。
だって貴方は先生で、私は生徒だから。
せめて、わたしが生徒じゃなかったら。
せめて、わたしが高校生だったなら。
そう何度も何度も頭の中を駆け巡る。
そんなものに、意味はないとわかっていても。
貴方の言葉も、笑顔も、仕草も。
全部、”先生”として。
わたしがとれほど願っても貴方が”先生”であるように。
わたしがどれほど願ってもわたしは”生徒”でしかない。
貴方の授業が楽しみで。
貴方の教科だけは必死で頑張って。
貴方が担当の先生であるように願って。
クラスの女の子に意地悪された時。
その子の気持ちが、痛いほどわかってしまった。
好きで好きでたまらないのに。
好きな人はわたしを見てくれない。
辛くて、辛くて。どうしようもなくて。
思わず涙がこぼれた。
貴方に近づくほど、わたしとは遠い存在だと思い知らされて。
それでも諦められない自分がもどかしくて。
それでも、大好きだった。
わたしが生徒じゃなければいいのに、と思うほど。
貴方とわたしの繋がりは”学校”であることを突き付けられてしまう。
想いを伝えられないこの恋。
想い自体が迷惑になってしまうこの恋。
想いが叶うことなんてありえないこの恋。
それを突き付けられるほどに。
伝えたいと、思ってしまう。
叶ってほしいと、願ってしまう。
意識してほしいと、祈ってしまう。
ここが少女漫画の世界だったなら。
きっと、あなたと結ばれることも叶うかもしれないのに。
そんなこと、考えたって意味ないのに。
どうしたらいいのか、わからなくて。
―教えて、先生。
そんなこと、言えるわけないのに。
叶わない恋を抱えたまま、わたしは今日も貴方に逢いに行く。
END
最後まで読んでくれてありがとうございます!
少女漫画みたいなことを悲しむ女の子と少女漫画の世界だったらと願う女の子を描いてみました。もともと別々に書いてたんですけど、これもしかして繋げられるのでは?!と繋げちゃいました。
感想・アドバイスお願いします! 金木犀/kinmokusei*さん(選択なし・13さい)からの相談
とうこう日:2023年9月27日みんなの答え:1件
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めっちゃすごい! HUTABAです!
この物語読んで繋がっていると気づいた時びっくりした!
物語の書き方が上手だから本当に金木犀/kinmokusei*さんは小説家になっていいと思うよ。笑。
HUTABAさん(神奈川・11さい)からの答え
とうこう日:2023年11月23日
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