異世界和室の一室にて。【短編の物語が2つ】
「よし、今日も頑張ろう!」白髪の少女は畳に素足をぺたぺたとつけて歩き始めた。
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俺は荒野湊。今日も上司に怒られつつ、憂鬱な思いで歩いた。もうしばらくまともに寝ていない。少しふらつく足元を見て、会議室の前に立つ。会議室のドアノブに手をかけ、深呼吸をしてからドアノブを回す。その瞬間俺は呆気に取られた。奥には和室の部屋が見えていて、白い髪の子供が立っていた。顔を輝かせ、「ようこそ!」と天真爛漫な声で言った。とうとう幻覚が…と俺が硬直していると、少女は手を引いていく。奥の部屋へと通され、雨の降る明るい外を窓越しに眺められる、一つの机と座布団に座る事となった。最初は居心地が悪かったが、次第に部屋に溶け込んでいった。ここから見えるキッチンから少女が歩いてきて食事を持ってきた。机にとんかつが並べられる。白米から出る白い湯気に視界を阻まれる。「湊さんの好きな物、柚家のとんかつでした…よね?」とおずおずと尋ねられた。そうだ。俺の地元にあった柚屋というとんかつ屋。昔は父を連れて行ったものだ。もう居ない人間だが、また会いたいと強く思った。「残しても大丈夫なので、良かったらどうぞ!」営業スマイルでなく、本当に素の笑いを見せてくれた気がした。「それじゃあ…いただきます?」一口口に含む。なんだか懐かしい気がした。子供の頃抱いた単純な美味しいという薄く暖かい感想。子供のように飯をかき込みふと涙が溢れている事に気が付いた。食事が終わり立ち上がる。「あの、会計とかは…」「ああ、気にしなくて良いんですよ。事後報告が私のお金に相当する物なので。」「?」分からないままだが、出口に向かい、感謝を伝えてから扉を開けた。幼い声がした。「ありがとうございました!」
ぃ…ぉ…おい!
「は?」「おい大丈夫かよ?会議室の前で倒れてたんだぞ」同僚が心配そうに顔を覗き込んだ。なんだか心地良い夢を見ていたみたいだ。話を終えて、体が正常な事を確認した。…次の3連休にでも、家族と柚屋へ行くか、と何故か思っていた。スーツの袖が、しょっぱく濡れていた。
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わたしはゆめ!今日はお母さんとおさんぽに来たの。でも、ちょうちょをおいかけていたら知らないばしょに来ちゃった…。「お母さーーん!!」どうしよう…草もおっきくて怖いよ…あれ?あそこにおうちがある。お母さんいたかきいてみようかな…「すみませーん…」ドアをたたいて言うと、白いかみのけのおねえさんが出てきた。「あれ、優芽ちゃん!こんにちはー、どうしたの?」おねえさんはやさしくきいてくれた。「お母さんとはぐれちゃったの…あ、おねえさんはなんでゆめの名前しってるの?」「んー、とね、お姉さん物知りなんだ!だから優芽ちゃんのこと知ってるんだよ」「へえー、おねえさんすごいなぁ…」「えへへ、ありがとう!ええとそれで?優芽ちゃんはお母さんとはぐれちゃったの?」そういわれて、おもいだした!かなしくなってきた…「うん…」「そっか、じゃあお母さんお迎えに来るまで一緒に待ってよう?」「お母さん来るの?」びっくりした、お母さんはおねえさんとおともだちなのかな?「うん、来るよ。絶対ね。」なんだかあんしんした!おねえさんもいい人だし、いっしょにまってよう!「わかった、おねえさんとあそびたい!」「そう?そんな事言われた事ないから嬉しいなぁー」そう言っておうちにおいでしてた。おねえさんの後ろをついていく。「なんか、おばあちゃんのへやみたい!」おばあちゃんのおうちのみどりのゆか、かざってあるもじ?よめないな…。「あはは、そっか。でも落ち着くでしょー」「うん!」いつものまっ白なおうちもすきだけど、このおうちもすき!「おねえちゃんおりょうり?」キッチンにおねえちゃんははいっていった。「そ!ええと優芽ちゃんは…お子様ランチが好きなの?」「おねえちゃんすごい!そうだよ!」「いいねー、お姉ちゃんつくれるかな?頑張ってみるね!」おこさまランチを作ってくれるみたい!うれしいな!近くにあったえほんをえらんでよんでみる。よみおわると、おねえちゃんがきた。「ご飯だよー!」そうしたら、おいしそうなおこさまランチがでてきた。「やった!おいしそー…」「ふふ、良かった。食べれる分食べてね!」ふたりで手をあわせていただきますした。なんだかいつもよりおいしいきがした。さいごのおねえちゃん手作りゼリーをたべて、ごちそうさました。「おいしかったー」「良かった、頑張った甲斐があったな!あ、お母さん来てるよ!」げんかんをゆびさしていってた。「ほんと!?」ついはしってしまった。「おねえちゃんありがとう!」げんかんのとびらをあけたらお母さんがいた。「優芽!」ぎゅーされた。「どこいたの!?」「おねえさんといた!ほら…ってあれ?」おうちもおねえちゃんもいなかった。
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「堺屋、次の来客をお待ちしております。」 青森信者さん(東京・12さい)からの相談
とうこう日:2023年9月27日みんなの答え:1件
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俺は荒野湊。今日も上司に怒られつつ、憂鬱な思いで歩いた。もうしばらくまともに寝ていない。少しふらつく足元を見て、会議室の前に立つ。会議室のドアノブに手をかけ、深呼吸をしてからドアノブを回す。その瞬間俺は呆気に取られた。奥には和室の部屋が見えていて、白い髪の子供が立っていた。顔を輝かせ、「ようこそ!」と天真爛漫な声で言った。とうとう幻覚が…と俺が硬直していると、少女は手を引いていく。奥の部屋へと通され、雨の降る明るい外を窓越しに眺められる、一つの机と座布団に座る事となった。最初は居心地が悪かったが、次第に部屋に溶け込んでいった。ここから見えるキッチンから少女が歩いてきて食事を持ってきた。机にとんかつが並べられる。白米から出る白い湯気に視界を阻まれる。「湊さんの好きな物、柚家のとんかつでした…よね?」とおずおずと尋ねられた。そうだ。俺の地元にあった柚屋というとんかつ屋。昔は父を連れて行ったものだ。もう居ない人間だが、また会いたいと強く思った。「残しても大丈夫なので、良かったらどうぞ!」営業スマイルでなく、本当に素の笑いを見せてくれた気がした。「それじゃあ…いただきます?」一口口に含む。なんだか懐かしい気がした。子供の頃抱いた単純な美味しいという薄く暖かい感想。子供のように飯をかき込みふと涙が溢れている事に気が付いた。食事が終わり立ち上がる。「あの、会計とかは…」「ああ、気にしなくて良いんですよ。事後報告が私のお金に相当する物なので。」「?」分からないままだが、出口に向かい、感謝を伝えてから扉を開けた。幼い声がした。「ありがとうございました!」
ぃ…ぉ…おい!
「は?」「おい大丈夫かよ?会議室の前で倒れてたんだぞ」同僚が心配そうに顔を覗き込んだ。なんだか心地良い夢を見ていたみたいだ。話を終えて、体が正常な事を確認した。…次の3連休にでも、家族と柚屋へ行くか、と何故か思っていた。スーツの袖が、しょっぱく濡れていた。
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わたしはゆめ!今日はお母さんとおさんぽに来たの。でも、ちょうちょをおいかけていたら知らないばしょに来ちゃった…。「お母さーーん!!」どうしよう…草もおっきくて怖いよ…あれ?あそこにおうちがある。お母さんいたかきいてみようかな…「すみませーん…」ドアをたたいて言うと、白いかみのけのおねえさんが出てきた。「あれ、優芽ちゃん!こんにちはー、どうしたの?」おねえさんはやさしくきいてくれた。「お母さんとはぐれちゃったの…あ、おねえさんはなんでゆめの名前しってるの?」「んー、とね、お姉さん物知りなんだ!だから優芽ちゃんのこと知ってるんだよ」「へえー、おねえさんすごいなぁ…」「えへへ、ありがとう!ええとそれで?優芽ちゃんはお母さんとはぐれちゃったの?」そういわれて、おもいだした!かなしくなってきた…「うん…」「そっか、じゃあお母さんお迎えに来るまで一緒に待ってよう?」「お母さん来るの?」びっくりした、お母さんはおねえさんとおともだちなのかな?「うん、来るよ。絶対ね。」なんだかあんしんした!おねえさんもいい人だし、いっしょにまってよう!「わかった、おねえさんとあそびたい!」「そう?そんな事言われた事ないから嬉しいなぁー」そう言っておうちにおいでしてた。おねえさんの後ろをついていく。「なんか、おばあちゃんのへやみたい!」おばあちゃんのおうちのみどりのゆか、かざってあるもじ?よめないな…。「あはは、そっか。でも落ち着くでしょー」「うん!」いつものまっ白なおうちもすきだけど、このおうちもすき!「おねえちゃんおりょうり?」キッチンにおねえちゃんははいっていった。「そ!ええと優芽ちゃんは…お子様ランチが好きなの?」「おねえちゃんすごい!そうだよ!」「いいねー、お姉ちゃんつくれるかな?頑張ってみるね!」おこさまランチを作ってくれるみたい!うれしいな!近くにあったえほんをえらんでよんでみる。よみおわると、おねえちゃんがきた。「ご飯だよー!」そうしたら、おいしそうなおこさまランチがでてきた。「やった!おいしそー…」「ふふ、良かった。食べれる分食べてね!」ふたりで手をあわせていただきますした。なんだかいつもよりおいしいきがした。さいごのおねえちゃん手作りゼリーをたべて、ごちそうさました。「おいしかったー」「良かった、頑張った甲斐があったな!あ、お母さん来てるよ!」げんかんをゆびさしていってた。「ほんと!?」ついはしってしまった。「おねえちゃんありがとう!」げんかんのとびらをあけたらお母さんがいた。「優芽!」ぎゅーされた。「どこいたの!?」「おねえさんといた!ほら…ってあれ?」おうちもおねえちゃんもいなかった。
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「堺屋、次の来客をお待ちしております。」 青森信者さん(東京・12さい)からの相談
とうこう日:2023年9月27日みんなの答え:1件
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とってもすごいです! こんにちは、ピーマンです!
2つの短編、どちらもとても素敵でした!
一つ目が会社員、2つ目が幼児、と全然語り手が違うのに白髪の女の子に魅了され、安心をもらい、、、すごいです!
また、一つ目の会社員は漢字を普通に使っていて、2つ目の幼児の時は平仮名を多く使っている、と、文字を使って登場人物の雰囲気を伝えられているのはいいアイデアです!
素敵なお話ありがとうございました! ピーマンさん(埼玉・13さい)からの答え
とうこう日:2023年11月30日
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