君がいたから、成り立ったんだ。
わたしの名前は加藤恋菜(かとうれんな)。小学6年生。
今日は小学校最後の運動会!
でも、わたしは運動が苦手なんだ……。
「恋菜ちゃん、次の競技は楽しみだね!」
話しかけてきたのは、同じクラスの伊藤友里(いとうゆり)。
わたしの一番の親友で、とっても優しんだよ!
「次の競技って?」
わたしは友里ちゃんに聞いた。
「借り人競争だよ!運動が苦手な恋菜ちゃんも、きっと楽しめるはずだよ!」
「そうかなぁ。そういえば、借り人競争の実行委員って、友里ちゃんだっけ」
「そうそう。みんなが楽しめるように、頑張って工夫してみたんだ」
借り人競争のルールはこんな感じ。
・何人かが並んでスタートして、数十メートル走る。
・途中に机が設置してあり、その上に紙が置いてある。
・競技に出ている人は、紙に書かれた条件に当てはまる人を探し出す。
・探し出した人と共にゴールへ向かう。
(実行委員は各自、紙を用意する)
「じゃあ、わたし実行委員だから、先に行ってくるね」
友里ちゃんは紙を持って、運動場の中心へと走っていった。
もうすぐわたしのクラスの番だ。
わたしは、渋々列の後ろの方に並んだ。
パァン!
借り人競争が始まった。
最初に走り出したのは、同じクラスの小池雷人(こいけらいと)。
その颯爽と走る姿は、とてもカッコよかった。
ふいに、心臓がドキドキしてきた。
まだわたしの出番じゃないのに。
なんだろう、この気持ち。
前から雷人くんのことは、気になっていたけれど……。
そうこう考えているうちに、紙を受け取った雷人くんがわたしのクラスの方に駆け寄ってきた。
雷人くんは頬を紅潮させて、数秒、立ち尽くしていた。
なにかあったのだろうか。
ざわめく胸を抑えながら、わたしは雷人くんに見入っていた。
次の瞬間、雷人くんは口を開いた。
「れ、れ、恋菜さん、加藤恋菜さん!」
雷人くんは確かにそう叫んだ。
わたしは反射的に立ち上がった。
そして、もう一度雷人くんの方に目を向けた。
雷人くんは、わたしの目をキラキラとした瞳で見つめていた。
自分の息が荒くなるのがわかった。
(どうしよう、緊張する……)
雷人くんがわたしの方に駆け寄ってきた。
そして、わたしの手をそっと握った。
その瞬間、わたしの心臓がズキュンと縮んだ気がした。
「一緒に行こう、恋菜ちゃん」
雷人くんはそう言って、わたしの手を引いた。
「うん」
わたしはゆっくりとうなづいて、雷人くんの手を離さないようにしっかりと握った。
離さないように。離さないように。
少しずつ前へと進んだ。
それは、たった一瞬の出来事だったらしい。
気がつけば、ゴールに向かっていた。
目の前に白いロープがピンと張ってある。
わたしと雷人くんは手を繋いだままゴールした。
白いロープが二人を包むようにしなった。
ゴールした後、雷人くんはしっかりとわたしの目を見つめて言った。
「これ、受け取って」
雷人くんは顔を真っ赤にして言った。
わたしは渡された紙をゆっくりと開いた。
『好きな人』
その文字が目に飛び込んできた。
心臓がどっくん、どっくんと飛び跳ねていた。
トンッ
雷人くんが両手でわたしの肩を握った。
「俺、恋菜ちゃんが好きなんだ!」
雷人くんはそう告げて、恥ずかしそうに笑った。
「わたしも、雷人くんが好きだから」
わたしはにっこり微笑んで、雷人くんの瞳を見つめた。
周りの観客がわぁっとどよめいた。
その後ろ姿を誰よりも笑顔で見守っている子がいたことに、二人はまだ気づいていない。 らんたんさん(選択なし・13さい)からの相談
とうこう日:2023年10月31日みんなの答え:3件
今日は小学校最後の運動会!
でも、わたしは運動が苦手なんだ……。
「恋菜ちゃん、次の競技は楽しみだね!」
話しかけてきたのは、同じクラスの伊藤友里(いとうゆり)。
わたしの一番の親友で、とっても優しんだよ!
「次の競技って?」
わたしは友里ちゃんに聞いた。
「借り人競争だよ!運動が苦手な恋菜ちゃんも、きっと楽しめるはずだよ!」
「そうかなぁ。そういえば、借り人競争の実行委員って、友里ちゃんだっけ」
「そうそう。みんなが楽しめるように、頑張って工夫してみたんだ」
借り人競争のルールはこんな感じ。
・何人かが並んでスタートして、数十メートル走る。
・途中に机が設置してあり、その上に紙が置いてある。
・競技に出ている人は、紙に書かれた条件に当てはまる人を探し出す。
・探し出した人と共にゴールへ向かう。
(実行委員は各自、紙を用意する)
「じゃあ、わたし実行委員だから、先に行ってくるね」
友里ちゃんは紙を持って、運動場の中心へと走っていった。
もうすぐわたしのクラスの番だ。
わたしは、渋々列の後ろの方に並んだ。
パァン!
借り人競争が始まった。
最初に走り出したのは、同じクラスの小池雷人(こいけらいと)。
その颯爽と走る姿は、とてもカッコよかった。
ふいに、心臓がドキドキしてきた。
まだわたしの出番じゃないのに。
なんだろう、この気持ち。
前から雷人くんのことは、気になっていたけれど……。
そうこう考えているうちに、紙を受け取った雷人くんがわたしのクラスの方に駆け寄ってきた。
雷人くんは頬を紅潮させて、数秒、立ち尽くしていた。
なにかあったのだろうか。
ざわめく胸を抑えながら、わたしは雷人くんに見入っていた。
次の瞬間、雷人くんは口を開いた。
「れ、れ、恋菜さん、加藤恋菜さん!」
雷人くんは確かにそう叫んだ。
わたしは反射的に立ち上がった。
そして、もう一度雷人くんの方に目を向けた。
雷人くんは、わたしの目をキラキラとした瞳で見つめていた。
自分の息が荒くなるのがわかった。
(どうしよう、緊張する……)
雷人くんがわたしの方に駆け寄ってきた。
そして、わたしの手をそっと握った。
その瞬間、わたしの心臓がズキュンと縮んだ気がした。
「一緒に行こう、恋菜ちゃん」
雷人くんはそう言って、わたしの手を引いた。
「うん」
わたしはゆっくりとうなづいて、雷人くんの手を離さないようにしっかりと握った。
離さないように。離さないように。
少しずつ前へと進んだ。
それは、たった一瞬の出来事だったらしい。
気がつけば、ゴールに向かっていた。
目の前に白いロープがピンと張ってある。
わたしと雷人くんは手を繋いだままゴールした。
白いロープが二人を包むようにしなった。
ゴールした後、雷人くんはしっかりとわたしの目を見つめて言った。
「これ、受け取って」
雷人くんは顔を真っ赤にして言った。
わたしは渡された紙をゆっくりと開いた。
『好きな人』
その文字が目に飛び込んできた。
心臓がどっくん、どっくんと飛び跳ねていた。
トンッ
雷人くんが両手でわたしの肩を握った。
「俺、恋菜ちゃんが好きなんだ!」
雷人くんはそう告げて、恥ずかしそうに笑った。
「わたしも、雷人くんが好きだから」
わたしはにっこり微笑んで、雷人くんの瞳を見つめた。
周りの観客がわぁっとどよめいた。
その後ろ姿を誰よりも笑顔で見守っている子がいたことに、二人はまだ気づいていない。 らんたんさん(選択なし・13さい)からの相談
とうこう日:2023年10月31日みんなの答え:3件
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これすごい! こんにちは
瞳音でーす♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪
(挨拶省略すみません
##本題##
小説作るの上手いですね
いいお話でした
伊藤友里ちゃんめっちゃいい子
##終了##
ばいちゃ
Thank you very much
See you next time @瞳音めね元娃乃あの元々綺満きみさん(東京・11さい)からの答え
とうこう日:2024年1月10日 -
キュンキュンする すごいキュンキュンしました。雷人君かっこよすぎる。恋が実ってよかったね。 ましましさん(青森・12さい)からの答え
とうこう日:2024年1月10日 -
めっちゃいい!! こんちゃ!ここあからcocoaに改名したcocoaです!これからもよろ!
〈本題〉
小説書くの上手くないですか!?私とただ、2歳はなれてるってだけなのに、、うらやましいー!!最後の『だれよりも笑顔で見守ってた人』って、伊藤友里さんですか!?(言っちゃってごめんね。)読んでる間めちゃドキドキした!!これからも小説書くんですか?今のでめちゃうまいから、直すところはないよ!!これからも書くならの話なんですけど、これからもらんたんさんの小説楽しみに待ってます!!
(途中タメ口でごめんなさい。)
じゃ、またキズなんで会おー!ばいちゃ!(^O^☆♪ cocoaさん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2024年1月10日
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