冷たい冬は最高の冬
ふわり、冷たい雪が私の前を落ちる。私の夢はプロのピアニスト。私の名前は円(まどか)。
「はぁ〜っ」
あまりの冷たさに思わず手を温める。
「…」
私は、すぐそばにあるショッピングモールを眺めていた。ストリートピアノのスケッチをしたくてここに来たのだ。ピアニストになるならば、ピアノには見慣れていた方がいいと思ったからだ。
「あ…」
通りすがりの少年がピアノを弾き始めた。あまりにもいい音色だった。私や、ピアノ教室の先生でも弾けないような素敵な音。透き通るようなきれいな音。私は思わずうっとりしてしまった。
はっ、と気づいた。あれからピアノの音色にうっとりして、どのくらいたっただろうか。私は急いで公園の時計を見る。
「よかった…」
まだ門限は過ぎていなかった。うちは門限が厳しく、5分ほど過ぎただけで1週間友達と遊ぶのが禁止になる。
♪〜
「あっ!!」
私は急いで振り返る。もうあの少年は弾いていなかった。私より2つ上くらいの男性に変わっていたのだ。私はがくっと肩を落とした。
「‥‥‥」
その時だ。今日の気温ではありえないくらいの温かい指が私のほおをつん、と触った。私はびっくりして後ろを振り向く。
「こんにちは」
そこには、さっきピアノを弾いていた少年が笑顔で立っていた。
「こ、こんにちわ‥‥‥?」
私は戸惑いながらも挨拶をした。そんな私を励ますようにに少年は話してくれた。
「フフッ。焦らなくていいよ。キミ、さっきから僕のピアノ見てたよね?」
私は焦った。バレてたんだ。変な人に思われてないかな。焦らりながらも私はしっかり答えた。
「は…はい。音色、素敵だなって思って‥‥‥。あの…迷惑でしたか?その、プレッシャーとか…」
私が言い切る前に少年は口を開いた。
「いや、迷惑だなんて一言も思わなかったよ。むしろ、感謝してる」
私は正直戸惑った。知らない人に見られて感謝するの…?ちょっと面白い人だな、って思った。でもその思いは一瞬にしてかき消された。
「僕ね、自分の弾く音に自信が持てなくてさ」
「え………?」
何で?あんなに素敵なのに、どうして?私はとても疑問に思った。
「でも、こうしてストリートピアノを弾くことで前よりは自信が持てるんだ」
そっか…私はその人を信頼したかのように話し始めた。
「あの、私ね。…夢、ピアニストなんです。でも親に反対されてて」
「え…!」
少年の顔が急にぱあっと輝いた。
「僕もなんだ!僕の夢もピアニストでさ!」
私は少年の手をぎゅっと握って、こう言った。
「なれるよ!あなたなら絶対…!!」
その瞬間。
「何してるの?!」
私はびくっとした。
「お母さん?!何でここにっ…!」
「もう!この子は受験生なの!大事な時期に揺さぶらないでちょうだい!」
「受験…?」
少年は驚いていた。
「円、もうここには来させないからね!」
「そんなっ…!!」
せっかく芽生えた気持ちが…しぼんじゃう‥‥‥
放課後。水たまりをぱしゃっと踏みつけた。ちょっとだけ!と思い、ストリートピアノへ向かう。ぴしゃ…!ぱしゃっ。水のはねる音が響く。
「気を付けて運べよー」
ピアノがトラックに運び込まれていた。
「あのっ…!このピアノって…」
「ああ。もう撤去されるんだ」
え………
「ああそうだ。これ、きみのかい?」
あっ…あの人の楽譜‥‥‥ぱらっと開く。
『また会おう!会いに来て』
私だって会いたい。でもどうやって…。次のページを開いた。
『高山音楽高校 真壁莉音』
私はい急いで家に向かう。
「お母さんっ!私、高山音楽高校に行く…!」
「ええっ。音楽高校?まあ、自分で決めたんなら頑張りなさい…!」
また会いたい!また会わなきゃ…!
合格‥‥‥??!!
「真壁さん…?」
彼は振り向いた。
「あの時…?!」
私は彼に恋をしたのかもしれない
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長文すいません!よかったら感想ください! ぴぴ〜るさん(千葉・10さい)からの相談
とうこう日:2023年11月13日みんなの答え:0件
「はぁ〜っ」
あまりの冷たさに思わず手を温める。
「…」
私は、すぐそばにあるショッピングモールを眺めていた。ストリートピアノのスケッチをしたくてここに来たのだ。ピアニストになるならば、ピアノには見慣れていた方がいいと思ったからだ。
「あ…」
通りすがりの少年がピアノを弾き始めた。あまりにもいい音色だった。私や、ピアノ教室の先生でも弾けないような素敵な音。透き通るようなきれいな音。私は思わずうっとりしてしまった。
はっ、と気づいた。あれからピアノの音色にうっとりして、どのくらいたっただろうか。私は急いで公園の時計を見る。
「よかった…」
まだ門限は過ぎていなかった。うちは門限が厳しく、5分ほど過ぎただけで1週間友達と遊ぶのが禁止になる。
♪〜
「あっ!!」
私は急いで振り返る。もうあの少年は弾いていなかった。私より2つ上くらいの男性に変わっていたのだ。私はがくっと肩を落とした。
「‥‥‥」
その時だ。今日の気温ではありえないくらいの温かい指が私のほおをつん、と触った。私はびっくりして後ろを振り向く。
「こんにちは」
そこには、さっきピアノを弾いていた少年が笑顔で立っていた。
「こ、こんにちわ‥‥‥?」
私は戸惑いながらも挨拶をした。そんな私を励ますようにに少年は話してくれた。
「フフッ。焦らなくていいよ。キミ、さっきから僕のピアノ見てたよね?」
私は焦った。バレてたんだ。変な人に思われてないかな。焦らりながらも私はしっかり答えた。
「は…はい。音色、素敵だなって思って‥‥‥。あの…迷惑でしたか?その、プレッシャーとか…」
私が言い切る前に少年は口を開いた。
「いや、迷惑だなんて一言も思わなかったよ。むしろ、感謝してる」
私は正直戸惑った。知らない人に見られて感謝するの…?ちょっと面白い人だな、って思った。でもその思いは一瞬にしてかき消された。
「僕ね、自分の弾く音に自信が持てなくてさ」
「え………?」
何で?あんなに素敵なのに、どうして?私はとても疑問に思った。
「でも、こうしてストリートピアノを弾くことで前よりは自信が持てるんだ」
そっか…私はその人を信頼したかのように話し始めた。
「あの、私ね。…夢、ピアニストなんです。でも親に反対されてて」
「え…!」
少年の顔が急にぱあっと輝いた。
「僕もなんだ!僕の夢もピアニストでさ!」
私は少年の手をぎゅっと握って、こう言った。
「なれるよ!あなたなら絶対…!!」
その瞬間。
「何してるの?!」
私はびくっとした。
「お母さん?!何でここにっ…!」
「もう!この子は受験生なの!大事な時期に揺さぶらないでちょうだい!」
「受験…?」
少年は驚いていた。
「円、もうここには来させないからね!」
「そんなっ…!!」
せっかく芽生えた気持ちが…しぼんじゃう‥‥‥
放課後。水たまりをぱしゃっと踏みつけた。ちょっとだけ!と思い、ストリートピアノへ向かう。ぴしゃ…!ぱしゃっ。水のはねる音が響く。
「気を付けて運べよー」
ピアノがトラックに運び込まれていた。
「あのっ…!このピアノって…」
「ああ。もう撤去されるんだ」
え………
「ああそうだ。これ、きみのかい?」
あっ…あの人の楽譜‥‥‥ぱらっと開く。
『また会おう!会いに来て』
私だって会いたい。でもどうやって…。次のページを開いた。
『高山音楽高校 真壁莉音』
私はい急いで家に向かう。
「お母さんっ!私、高山音楽高校に行く…!」
「ええっ。音楽高校?まあ、自分で決めたんなら頑張りなさい…!」
また会いたい!また会わなきゃ…!
合格‥‥‥??!!
「真壁さん…?」
彼は振り向いた。
「あの時…?!」
私は彼に恋をしたのかもしれない
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長文すいません!よかったら感想ください! ぴぴ〜るさん(千葉・10さい)からの相談
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