初恋ノート
恋愛小説です。
「ねぇ!交換ノートを買ったのっ、一緒にやらない!?」
「へ…?」
わたし、内田すず。中学二年生だ。
親友・みきから、突然交換ノートに誘われた。
みきは最初に書くのはいやらしいので、わたしに押し付けてきた。どうしてかは分からないけど、みきはもう下校していた。
仕方なく持ち帰って、交換ノートを取り出して、めくった。
えーと、なになに?
今日あったことと、グッドニュース、バッドニュース、最近の悩み、特技とシュミ、それから、好きな人…。
好きな人、かぁ。
好きな人は…いなくも、ない。
好きっていうか、少しだけ、気になってる人がいる。
それでもいっか。
わたしは迷うことなく、全ての空欄を埋めていった。
そして、「好きな人」の欄には「西本晴也」と書いた。
西本晴也は、わたしの初恋だ。
次の日。
みきには「わたしの下駄箱に入れてね!交換ノートっぽいじゃんっ」なんて言っていたので、リュックサックから交換ノートを取り出した。
全く、みきはこういうの好きだなぁ。
ただ、教室でぱっぱっと渡すだけでいいのに。
まぁ、こういう少女漫画なことに憧れるのも、ちょっと気持ちが分かる気がしなくもないけれど。
なんてもやもや思いながら、みきの下駄箱に交換ノートを入れた。
それから上履きに履き替えて、教室に向かう。
後ろのほうから入って、席についた。
あ。プリントやってない!
今気づいた。サイアクだ。
あわてて教科書を引き出しに入れて、ファイルからプリントを取り出す。中学生って、ちょっと宿題が多くなるから困る。
「おはようございます」
教室に入って来たのは、西本だった。相変わらずのイケメン。でもわたしが惚れたのは、そこじゃない。
わたしが昔ケガしたときに、絆創膏を貼ってくれた。ただ、それだけで、好きになってしまった。
こんなことで好きになっていいのか、と不安になるくらい、小さなきっかけだった。
ベツに、この想いが届かなくたっていい。西本はイケメンだ、わたしと西本が付き合えるわけない。
って、そんなこと今どうでもいい!とにかくプリントプリント。
先生が来るまでに終わらせないと。
カリカリとシャーペンを走らせる。と、目の前にカゲが差した。
みきかな?と思って上を見ると、みきじゃなかった。
西本だ。
うわ。なんで?
思わずそう思ってしまった。
「立って」
「え、うん…」
よく意味が分からなかったけど、言われるがままに立った。そしたら、手を引かれて教室を飛び出す!
は?え?どういうこと!?
気が付けば、屋上の入り口に着いていた。
な、なんで、屋上なんか…。
運動音痴のわたしは、もう息があがる。
「これ。俺の靴箱に入ってたんだけど」
これ…?
西本が取り出したノートには、見覚えがあった。
…やらかした。
そのノートは、交換ノートだった。
カワイイ絵柄の交換ノート。わたし、みきの下駄箱に入れたはずじゃ…
…いや、違う。
みきの苗字は「にしかわ」。
西本は「にしもと」
そうだった。みきと西本は、出席番号が近いんだ!
だから、わたしみきの下駄箱と間違って、西本に下駄箱に入れちゃって…
さああっ、と血の気が引く。さすがに、中身までは見てない…よね?
「返して!」
「…なんで?」
うっ。きた、必殺技だ…!
この前、女子の間でひそかにウワサになっていた、西本の「必殺技」だ…!
ううん、気にしない!
「ダメなの!とにかく返してっ」
「…効かないのかよ。まあいいや、ごめん、中身見た」
…!
もうダメだ。終わった。
顔が真っ白になるのが分かった。
「俺も好き」
…………ん?
す…すき?すき?すき…?
「え?は?」
「…だから…なんで分かんないかな…」
ちょっと不機嫌そうな顔をした西本。ドキン、と心臓がはねた。
「こういうことだよ」
西本は、わたしのアゴをつかんでキスをした。
●△◆#$%ッ!?
ボボボッ、と耳が真っ赤になるのが分かった。
ウソでしょ。あり得ない。
あの西本が…わたしを、好き?
届かないと思ってた想い、伝わったんだ。
じゃあ、わたしも。勇気出して、ちゃんと伝えないと!
わたしも、ちょっと背伸びをして、西本にキスをする。
西本が、ボッと赤くなる。
「わ、わたしもっ、西本のこと、ずっと好きだった。えっと…ケガしたとき、絆創膏もらったときから!」
「そんな昔から!?なんでもっと早く告白しなかったんだよ…」
うう、だって断られると思ってたんだよ!
「俺は、すずの優しいところが好き。冷たいけどクールなところも好き。全部好き!」
お日様の笑顔で微笑まれて、わたしはドキンッ、と心臓がはねた。
どっちかといえば…「すず」って呼ばれたのにドキドキしたのかもしれない。
あとがき 読んでくれてありがとうございます! たぴおかさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2023年11月20日みんなの答え:3件
「ねぇ!交換ノートを買ったのっ、一緒にやらない!?」
「へ…?」
わたし、内田すず。中学二年生だ。
親友・みきから、突然交換ノートに誘われた。
みきは最初に書くのはいやらしいので、わたしに押し付けてきた。どうしてかは分からないけど、みきはもう下校していた。
仕方なく持ち帰って、交換ノートを取り出して、めくった。
えーと、なになに?
今日あったことと、グッドニュース、バッドニュース、最近の悩み、特技とシュミ、それから、好きな人…。
好きな人、かぁ。
好きな人は…いなくも、ない。
好きっていうか、少しだけ、気になってる人がいる。
それでもいっか。
わたしは迷うことなく、全ての空欄を埋めていった。
そして、「好きな人」の欄には「西本晴也」と書いた。
西本晴也は、わたしの初恋だ。
次の日。
みきには「わたしの下駄箱に入れてね!交換ノートっぽいじゃんっ」なんて言っていたので、リュックサックから交換ノートを取り出した。
全く、みきはこういうの好きだなぁ。
ただ、教室でぱっぱっと渡すだけでいいのに。
まぁ、こういう少女漫画なことに憧れるのも、ちょっと気持ちが分かる気がしなくもないけれど。
なんてもやもや思いながら、みきの下駄箱に交換ノートを入れた。
それから上履きに履き替えて、教室に向かう。
後ろのほうから入って、席についた。
あ。プリントやってない!
今気づいた。サイアクだ。
あわてて教科書を引き出しに入れて、ファイルからプリントを取り出す。中学生って、ちょっと宿題が多くなるから困る。
「おはようございます」
教室に入って来たのは、西本だった。相変わらずのイケメン。でもわたしが惚れたのは、そこじゃない。
わたしが昔ケガしたときに、絆創膏を貼ってくれた。ただ、それだけで、好きになってしまった。
こんなことで好きになっていいのか、と不安になるくらい、小さなきっかけだった。
ベツに、この想いが届かなくたっていい。西本はイケメンだ、わたしと西本が付き合えるわけない。
って、そんなこと今どうでもいい!とにかくプリントプリント。
先生が来るまでに終わらせないと。
カリカリとシャーペンを走らせる。と、目の前にカゲが差した。
みきかな?と思って上を見ると、みきじゃなかった。
西本だ。
うわ。なんで?
思わずそう思ってしまった。
「立って」
「え、うん…」
よく意味が分からなかったけど、言われるがままに立った。そしたら、手を引かれて教室を飛び出す!
は?え?どういうこと!?
気が付けば、屋上の入り口に着いていた。
な、なんで、屋上なんか…。
運動音痴のわたしは、もう息があがる。
「これ。俺の靴箱に入ってたんだけど」
これ…?
西本が取り出したノートには、見覚えがあった。
…やらかした。
そのノートは、交換ノートだった。
カワイイ絵柄の交換ノート。わたし、みきの下駄箱に入れたはずじゃ…
…いや、違う。
みきの苗字は「にしかわ」。
西本は「にしもと」
そうだった。みきと西本は、出席番号が近いんだ!
だから、わたしみきの下駄箱と間違って、西本に下駄箱に入れちゃって…
さああっ、と血の気が引く。さすがに、中身までは見てない…よね?
「返して!」
「…なんで?」
うっ。きた、必殺技だ…!
この前、女子の間でひそかにウワサになっていた、西本の「必殺技」だ…!
ううん、気にしない!
「ダメなの!とにかく返してっ」
「…効かないのかよ。まあいいや、ごめん、中身見た」
…!
もうダメだ。終わった。
顔が真っ白になるのが分かった。
「俺も好き」
…………ん?
す…すき?すき?すき…?
「え?は?」
「…だから…なんで分かんないかな…」
ちょっと不機嫌そうな顔をした西本。ドキン、と心臓がはねた。
「こういうことだよ」
西本は、わたしのアゴをつかんでキスをした。
●△◆#$%ッ!?
ボボボッ、と耳が真っ赤になるのが分かった。
ウソでしょ。あり得ない。
あの西本が…わたしを、好き?
届かないと思ってた想い、伝わったんだ。
じゃあ、わたしも。勇気出して、ちゃんと伝えないと!
わたしも、ちょっと背伸びをして、西本にキスをする。
西本が、ボッと赤くなる。
「わ、わたしもっ、西本のこと、ずっと好きだった。えっと…ケガしたとき、絆創膏もらったときから!」
「そんな昔から!?なんでもっと早く告白しなかったんだよ…」
うう、だって断られると思ってたんだよ!
「俺は、すずの優しいところが好き。冷たいけどクールなところも好き。全部好き!」
お日様の笑顔で微笑まれて、わたしはドキンッ、と心臓がはねた。
どっちかといえば…「すず」って呼ばれたのにドキドキしたのかもしれない。
あとがき 読んでくれてありがとうございます! たぴおかさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2023年11月20日みんなの答え:3件
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キュンキュンがとまらない~~~ ペコリ(o*_ _)o))朱恋だょ(人・▽・*)**°+*
元.龍花.風揺華.樺恋
1/29から,"朱恋" (しゅれん)に改名してる.′
バレンタインがある,週は
"緒恋" (ちょこ)に改名☆*
(m*・・)mヨロシク*。゚.o。
3/12で きずなん 1年記念日.′
*+。main。+*
すっごく面白かったぁ.′
キュンキュンがとまらない~~~.′
ヤバい,西本くん,かっこよすぎでしょぉ~~
西本くん 輝いてるゎぁぁぁぁ.′.′((
朱恋も,西本くんに恋したゎ(((
(*..)**°+*bye.′ 朱恋|しゅれん @元.龍花.風揺華.樺恋さん(東京・12さい)からの答え
とうこう日:2024年1月30日 -
まってちょーおもろいんやけど こんちゃ!ゆきみゅです!
この小説ちょーおもろいんやけど!
読みながらニヤニヤしてもうたわ(笑)
関西弁出てもうてごめんな。今日だけは関西弁やねん(笑)
おもろかったわそれじゃあバイバーイ! ゆきみゅさん(大阪・12さい)からの答え
とうこう日:2024年1月29日 -
きゃー こんにちは
瞳音でーす♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪
2月前半、みおに改名!後半、はあとに改名!(漢字は決まってない
#2月改名
#スノ担
#短編小説
#キズなん
##本題##
めっちゃおもろかったし泣けた。
しかも同い年!?
すごい!
参考になったら嬉しいなヾ(@⌒ー⌒@)ノ
ばいちゃ★彡 @瞳音*めね* 元娃乃 元々綺満 スノ担さん(東京・11さい)からの答え
とうこう日:2024年1月29日
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個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
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