さびしい闇
空のはるか彼方。大宇宙の最奥。
地球からはとうてい見えない場所に、”闇”がおりました。
闇はすべてを歪め、食らう存在でした。星の光でさえ彼の前には非力です。光はぐにゃりと歪んで、元の形を失ってしまうのです。彼の前を通る星々はそれを恐れ、闇を避けていきました。
「あいつと目を合わせちゃだめだよ。食われて、星の姿がなくなっちゃうんだから」
「おお怖い。私、きっと目を合わせないよ」
闇はいつも独りぼっちです。
「仕方がない。私はそういうものなのだから」
いつものように、闇はそこにじっとうずくまっていました。
突然、目の前に白い光があふれました。
星はいいました。
「あなたは誰?とっても暗い顔をしているようだけれど」
真っ直ぐ光を差しこんでくる星に、闇は目を細めました。その姿のなんと美しいことでしょう。
闇は星を好きになりました。しかし己が、星にいとわれる闇であることを思い出して、すぐに目を伏してしまいました。
「私にかまってはいけません。すぐに逃げてください。あなたの美しい姿が危ない」
「なぜ?」
星は首をかしげました。星は危険にさらされたことがなかったのです。そして目の前の危険にも気づいていなかったのです。
「私はあなたを歪めてしまう。最後は食らいつくしてしまう。美しく清らかな、あなたという星を亡き者にしてしまうのです」
闇はぎゅっと体を丸めました。
少しの沈黙の後、星は真っ直ぐに闇を見据えました。
「私には分かる。あなたはかつて、何よりも美しい1等星だった」
闇にとって、いったい何億年ぶりの言葉だったでしょう。星の光が、さらに眩しく見えました。
「私の光を歪めて。そうしたらきっと誰かがあなたを見つけて、あわよくば、認めてくれるわ」
「こんなにも嫌われているのに?」
「分からないわよ。星にとっては恐怖でも、''だれか''にとっては希望かもしれないじゃない」
「・・・こんな自分のためにあなたを歪めるのは気が重い」
「私なんてこの大宇宙のひとかけにも満たない。無数の光に埋もれるより、あなたの助けになったほうがずっといい」
星の力強い言葉に、闇の心が揺らぎました。
かつて輝いていた自分、愛された自分、誰かの役に立っている自信があった自分に、もう一度憧れたのです。
「さあ」
星は目を見開きました。
闇は震える手で、清い光に触れました。
刹那、その超質量の身体から放たれる重力によって、星の光は、溶けた飴のように原型なく歪みました。
闇は、最後に星が静かに笑いかけるのを見ました。
そして光は跡形もなく闇に沈んでしまったのです。
闇の腹の中に、後悔が渦巻きました。
星の作った白い光の道に、黒い穴が空きました。
「やはり私は星に関わってはいけない。ほら、今も一つの星を殺してしまった」
____地球にて
『おい、見ろ!・・・これ、ブラックホールじゃないか?』
『ついに私たちは見つけたんだ!!』
『『すべてを食らう闇を』』
Arさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2023年12月23日みんなの答え:2件
地球からはとうてい見えない場所に、”闇”がおりました。
闇はすべてを歪め、食らう存在でした。星の光でさえ彼の前には非力です。光はぐにゃりと歪んで、元の形を失ってしまうのです。彼の前を通る星々はそれを恐れ、闇を避けていきました。
「あいつと目を合わせちゃだめだよ。食われて、星の姿がなくなっちゃうんだから」
「おお怖い。私、きっと目を合わせないよ」
闇はいつも独りぼっちです。
「仕方がない。私はそういうものなのだから」
いつものように、闇はそこにじっとうずくまっていました。
突然、目の前に白い光があふれました。
星はいいました。
「あなたは誰?とっても暗い顔をしているようだけれど」
真っ直ぐ光を差しこんでくる星に、闇は目を細めました。その姿のなんと美しいことでしょう。
闇は星を好きになりました。しかし己が、星にいとわれる闇であることを思い出して、すぐに目を伏してしまいました。
「私にかまってはいけません。すぐに逃げてください。あなたの美しい姿が危ない」
「なぜ?」
星は首をかしげました。星は危険にさらされたことがなかったのです。そして目の前の危険にも気づいていなかったのです。
「私はあなたを歪めてしまう。最後は食らいつくしてしまう。美しく清らかな、あなたという星を亡き者にしてしまうのです」
闇はぎゅっと体を丸めました。
少しの沈黙の後、星は真っ直ぐに闇を見据えました。
「私には分かる。あなたはかつて、何よりも美しい1等星だった」
闇にとって、いったい何億年ぶりの言葉だったでしょう。星の光が、さらに眩しく見えました。
「私の光を歪めて。そうしたらきっと誰かがあなたを見つけて、あわよくば、認めてくれるわ」
「こんなにも嫌われているのに?」
「分からないわよ。星にとっては恐怖でも、''だれか''にとっては希望かもしれないじゃない」
「・・・こんな自分のためにあなたを歪めるのは気が重い」
「私なんてこの大宇宙のひとかけにも満たない。無数の光に埋もれるより、あなたの助けになったほうがずっといい」
星の力強い言葉に、闇の心が揺らぎました。
かつて輝いていた自分、愛された自分、誰かの役に立っている自信があった自分に、もう一度憧れたのです。
「さあ」
星は目を見開きました。
闇は震える手で、清い光に触れました。
刹那、その超質量の身体から放たれる重力によって、星の光は、溶けた飴のように原型なく歪みました。
闇は、最後に星が静かに笑いかけるのを見ました。
そして光は跡形もなく闇に沈んでしまったのです。
闇の腹の中に、後悔が渦巻きました。
星の作った白い光の道に、黒い穴が空きました。
「やはり私は星に関わってはいけない。ほら、今も一つの星を殺してしまった」
____地球にて
『おい、見ろ!・・・これ、ブラックホールじゃないか?』
『ついに私たちは見つけたんだ!!』
『『すべてを食らう闇を』』
Arさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2023年12月23日みんなの答え:2件
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とっても上手だねっ♪☆* (*o_ _)o*))
ど-もですっ♪♪
@元.紫羽,歌夜,瀬里菜
椿雫*つしず*だょφ☆*
2月も,もうちょっとで,しゅ~りょ~.′.′
3月のニクネ,考え中ですっ♪♪☆*
(* ・∪・*)ノヨロシク.。○o〇
*******************
とっても上手だねっ♪☆*
心に響く短編小説でした♪
*******************
読んでくれてありがとう(人・∪・*)☆
またキズなんで会おうねっ♪
*☆o(* > ω・)oバイバイo(・ω < *)o☆ 椿雫|Tusizu@元.紫羽,歌夜さん(千葉・11さい)からの答え
とうこう日:2024年2月29日 -
上手すぎる...! 花凜です(´∩。・ω・。∩`)
☆*: .。. o本題o .。.:*☆
上手すぎる...!
読んでくれてありがとう(*'ω'*)ばいちゃっ(^^♪ 花凜*かりん*#元澄実#ふぬっている奴さん(岐阜・12さい)からの答え
とうこう日:2024年2月29日
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