嘘の石
今日はずっと欲しかった限定品のブーツの発売日。
私・春奈はこの日のためにがんばって早起きしたんだ!
「1人、2人…限定50個だから、この調子で行けば、買えそう!」
気になる彼・蓮くんに、「このブーツ可愛くない?今度発売されるんだ!」と言ったら可愛い!と褒めてくれたから、絶対にゲットするんだ!
「あっ、春奈じゃない」
派手な服装でこちらに歩み寄ってくるのは、クラスメイトの瑞希ちゃんだ。瑞希ちゃんも、蓮くんが好きらしい。
「瑞希ちゃん、おはよう」
「貴方もこのブーツ買いに来たの?これ可愛いわよね」
そういって、さりげなく列に割り込んできた。
「えっ…ちょっと…」
私が焦っても、徐々に列は短くなっていく。
この調子じゃ、私の番が来るまでに売り切れちゃう…!
「売り切れでーす!」
「よし!買えてよかったわ」
喜ぶ瑞希ちゃんの横で、私は落ち込んでいた。
「瑞希ちゃん…」
本来は私が買うはずだったのに、瑞希ちゃんに横取りされちゃった…
「じゃ、また明日ね〜」
そう言って、手を振りながら帰っていった。
「蓮くんが褒めてくれたブーツなのになぁ…」
悲しくて、特にあてもないまま街をブラブラ歩く。
しばらくして、公園の前を通った時、綺麗な石を見つけた。
「わあ!キレイ!」
空に透かしてみる。太陽の光がきれいに反射して、神秘的だった。まるで、蓮くんみたい。
その石を気に入った私は、石を上着のポケットに入れて、その場を立ち去った。
次の日。
「見て!限定のブーツ、手に入れたの〜!」
瑞希ちゃんが早速みんなに見せびらかしている。その中に、蓮くんも居た。
「蓮くん、可愛いって言うんだろうな…」
私は虚しくて、昨日見つけた石を眺めていた。
宝石と言ってもいいぐらいに、綺麗なその石。眺めていたら、自然と笑顔になった。
「蓮!見て。可愛いでしょ、このブーツ!」
瑞希ちゃんが、蓮くんに詰め寄る。
蓮くん、きっとニコッて笑って、褒めるんだろうな…
「…っそれ!俺が探してた石!」
「えっ…?」
蓮くんが指差す先には、私が拾った石があった。
「昨日落としたんだよ…でも、拾ってくれたから、やるよ」
蓮くんは、ニコっと笑って言ってくれた。
「ちょっ、蓮!?こんな石よりも、ブーツをみてよ…!」
気が付いたら、モヤモヤも全部吹き飛んで、笑顔になっていた。
「ありがとう!」
「お母さん、この石なぁに?」
「これはね〜昔お父さんがくれた石」
「きれいだね、お母さん」
「そうね」
本当はこの石、蓮は落としてなくて、あの時、話題を石に振るために嘘をついてくれたんだって。
これは、嘘で固まった石が、私達のキューピットになってくれたお話。
らんらんさん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2024年1月13日みんなの答え:2件
私・春奈はこの日のためにがんばって早起きしたんだ!
「1人、2人…限定50個だから、この調子で行けば、買えそう!」
気になる彼・蓮くんに、「このブーツ可愛くない?今度発売されるんだ!」と言ったら可愛い!と褒めてくれたから、絶対にゲットするんだ!
「あっ、春奈じゃない」
派手な服装でこちらに歩み寄ってくるのは、クラスメイトの瑞希ちゃんだ。瑞希ちゃんも、蓮くんが好きらしい。
「瑞希ちゃん、おはよう」
「貴方もこのブーツ買いに来たの?これ可愛いわよね」
そういって、さりげなく列に割り込んできた。
「えっ…ちょっと…」
私が焦っても、徐々に列は短くなっていく。
この調子じゃ、私の番が来るまでに売り切れちゃう…!
「売り切れでーす!」
「よし!買えてよかったわ」
喜ぶ瑞希ちゃんの横で、私は落ち込んでいた。
「瑞希ちゃん…」
本来は私が買うはずだったのに、瑞希ちゃんに横取りされちゃった…
「じゃ、また明日ね〜」
そう言って、手を振りながら帰っていった。
「蓮くんが褒めてくれたブーツなのになぁ…」
悲しくて、特にあてもないまま街をブラブラ歩く。
しばらくして、公園の前を通った時、綺麗な石を見つけた。
「わあ!キレイ!」
空に透かしてみる。太陽の光がきれいに反射して、神秘的だった。まるで、蓮くんみたい。
その石を気に入った私は、石を上着のポケットに入れて、その場を立ち去った。
次の日。
「見て!限定のブーツ、手に入れたの〜!」
瑞希ちゃんが早速みんなに見せびらかしている。その中に、蓮くんも居た。
「蓮くん、可愛いって言うんだろうな…」
私は虚しくて、昨日見つけた石を眺めていた。
宝石と言ってもいいぐらいに、綺麗なその石。眺めていたら、自然と笑顔になった。
「蓮!見て。可愛いでしょ、このブーツ!」
瑞希ちゃんが、蓮くんに詰め寄る。
蓮くん、きっとニコッて笑って、褒めるんだろうな…
「…っそれ!俺が探してた石!」
「えっ…?」
蓮くんが指差す先には、私が拾った石があった。
「昨日落としたんだよ…でも、拾ってくれたから、やるよ」
蓮くんは、ニコっと笑って言ってくれた。
「ちょっ、蓮!?こんな石よりも、ブーツをみてよ…!」
気が付いたら、モヤモヤも全部吹き飛んで、笑顔になっていた。
「ありがとう!」
「お母さん、この石なぁに?」
「これはね〜昔お父さんがくれた石」
「きれいだね、お母さん」
「そうね」
本当はこの石、蓮は落としてなくて、あの時、話題を石に振るために嘘をついてくれたんだって。
これは、嘘で固まった石が、私達のキューピットになってくれたお話。
らんらんさん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2024年1月13日みんなの答え:2件
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いいお話! タイトルに惹かれました!
限定のブーツみたいなすごいものよりもひろった石みたいな何気ないものが1番幸せなのかもなぁ…(*´ー`*) のんちゃんさん(静岡・12さい)からの答え
とうこう日:2024年3月17日 -
とても面白かったよ! こんちゃっ(*つ´・∀・)つ桜でしゅ( `・ω・´)ノ ヨロシクー
☆⌒(*^∇゜)v
とても面白かったよ!
題名もいいね\(^^)/
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
バイチャ(。-∀-)♪ *桜*たさん(福島・9さい)からの答え
とうこう日:2024年3月15日
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