空色のネモフィラ
何故か玄関のドアを開けると、見慣れない景色が広がっていた。
空色に染めたような鮮やかで綺麗なネモフィラの花畑だ。
どこもかしこも空色で、眩しすぎるほどだ。
しばらく私はそこで立ち止まっていた。
駄目だ。理解が追いつかない。ていうか、ネモフィラって季節外れじゃない?
考えてもよくわからないので、家に戻ろうとしたが、立ち止まってまたネモフィラの花畑の方を見た。
女の子がいたのだ。ここから少し離れた所に、一人でぽつんと。
女の子に近づいてひそかにそっと見てみた。
私と同じぐらいの年齢だろうか。
白い肌、黒髪のツインテール、青いリボンの髪飾り、白いワンピース。
そして特徴的なネモフィラの花の色と同じ空色の瞳。
ネモフィラの花畑はとても綺麗だが、女の子のほうがそれよりずっと綺麗な気がした。
「何してるの?」
やばっ、ばれた。
「ごめんなさい。あまりにもあなたが綺麗で...。見とれていました。」
「そう。...あなた、最近別れた?」
「へ?」
「彼氏、いたんじゃないの?」
『いた』という過去形の言葉が胸にグサッと突き刺さる。
「...まあ、はい。」
「やっぱり。悲しいのが顔に出てるよ。元彼はどうだった?」
またまた『"元"彼』という言葉がグサッ。
けど言いたくないのに、知らない人にわざわざこんなこと言う必要ないのに、なぜか言葉がスラスラと出てくる。
「...元彼は同じ部活の爽太先輩で、結構優しくて、いつも私に気を使ってくれて...。良い人だったんですけど、急に『別れよう。』ってなって...。まあ、そんな感じです...。」
「爽太先輩ってもしかして初恋の人だった?けど別れたって仕方ないじゃん。そういう"運命"だったんでしょ。恋愛は誰かのことを好きになって失恋して、または付き合って別れての繰り返し何だから。現実はそう甘くないんだよ。」
「....。」
正論を言われて何も言えなくなり、一つ一つの言葉が突き刺さる。
「それに、まだ何千人、何万人もの人に出会うんだよ、数え切れないほど。人生は思っている以上に長いしさ。出会って、別れてを繰り返していけば、きっと運命の人が見つかるよ。」
説得力がありすぎて私と同じ年齢だと思えないほどだ。ていうか、この子本当に何歳?
「あの...あなたは何歳ですか?」
「え?あぁ...内緒。だけどこれだけは言える。こう見えて私は何百年も生きているの。」
正直言って信じられない。けど多分ド正論を堂々と言えるほどの女の子なんだから、多分本当だ。
「笑わなきゃ人生楽しくないよ?つまらない人生になっちゃう。...あ、もう一つ良いこと教えてあげるよ。」
いや、めっちゃ良いこと教えてくれたのに、まだ教えてくれるの?この子神様みたいだな、本当。
「青いネモフィラの花言葉の一つが『清々しい心』。過去のことを引きずるんじゃなくて、清々しい心で未来へ進んでいけば、きっと幸せな人生になるよ。」
言葉が心に強く突き刺さった。いや、違うな。何だろう。すごい...泣きそうだ。初めて誰かの言葉に感動したかもしれない。
「あ、そろそろ時間だ。じゃあね。」
「え、ちょ...待っ...」
「またいつかきっと会えるよ。」
彼女はそう言い残してどこかへ消え去っていった。
暖かいそよ風が私の頬を撫でる。
私の心は、空色のネモフィラでいっぱいになった。 ミントさん(静岡・12さい)からの相談
とうこう日:2024年1月18日みんなの答え:1件
空色に染めたような鮮やかで綺麗なネモフィラの花畑だ。
どこもかしこも空色で、眩しすぎるほどだ。
しばらく私はそこで立ち止まっていた。
駄目だ。理解が追いつかない。ていうか、ネモフィラって季節外れじゃない?
考えてもよくわからないので、家に戻ろうとしたが、立ち止まってまたネモフィラの花畑の方を見た。
女の子がいたのだ。ここから少し離れた所に、一人でぽつんと。
女の子に近づいてひそかにそっと見てみた。
私と同じぐらいの年齢だろうか。
白い肌、黒髪のツインテール、青いリボンの髪飾り、白いワンピース。
そして特徴的なネモフィラの花の色と同じ空色の瞳。
ネモフィラの花畑はとても綺麗だが、女の子のほうがそれよりずっと綺麗な気がした。
「何してるの?」
やばっ、ばれた。
「ごめんなさい。あまりにもあなたが綺麗で...。見とれていました。」
「そう。...あなた、最近別れた?」
「へ?」
「彼氏、いたんじゃないの?」
『いた』という過去形の言葉が胸にグサッと突き刺さる。
「...まあ、はい。」
「やっぱり。悲しいのが顔に出てるよ。元彼はどうだった?」
またまた『"元"彼』という言葉がグサッ。
けど言いたくないのに、知らない人にわざわざこんなこと言う必要ないのに、なぜか言葉がスラスラと出てくる。
「...元彼は同じ部活の爽太先輩で、結構優しくて、いつも私に気を使ってくれて...。良い人だったんですけど、急に『別れよう。』ってなって...。まあ、そんな感じです...。」
「爽太先輩ってもしかして初恋の人だった?けど別れたって仕方ないじゃん。そういう"運命"だったんでしょ。恋愛は誰かのことを好きになって失恋して、または付き合って別れての繰り返し何だから。現実はそう甘くないんだよ。」
「....。」
正論を言われて何も言えなくなり、一つ一つの言葉が突き刺さる。
「それに、まだ何千人、何万人もの人に出会うんだよ、数え切れないほど。人生は思っている以上に長いしさ。出会って、別れてを繰り返していけば、きっと運命の人が見つかるよ。」
説得力がありすぎて私と同じ年齢だと思えないほどだ。ていうか、この子本当に何歳?
「あの...あなたは何歳ですか?」
「え?あぁ...内緒。だけどこれだけは言える。こう見えて私は何百年も生きているの。」
正直言って信じられない。けど多分ド正論を堂々と言えるほどの女の子なんだから、多分本当だ。
「笑わなきゃ人生楽しくないよ?つまらない人生になっちゃう。...あ、もう一つ良いこと教えてあげるよ。」
いや、めっちゃ良いこと教えてくれたのに、まだ教えてくれるの?この子神様みたいだな、本当。
「青いネモフィラの花言葉の一つが『清々しい心』。過去のことを引きずるんじゃなくて、清々しい心で未来へ進んでいけば、きっと幸せな人生になるよ。」
言葉が心に強く突き刺さった。いや、違うな。何だろう。すごい...泣きそうだ。初めて誰かの言葉に感動したかもしれない。
「あ、そろそろ時間だ。じゃあね。」
「え、ちょ...待っ...」
「またいつかきっと会えるよ。」
彼女はそう言い残してどこかへ消え去っていった。
暖かいそよ風が私の頬を撫でる。
私の心は、空色のネモフィラでいっぱいになった。 ミントさん(静岡・12さい)からの相談
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凄い! 凄い!
こういう系の話好きですー
ファンタジー恋愛ものって、本当に好き!
また待ってます!
バイバイー! 寝ぼけたうさぎさん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2024年3月20日
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