真っ白の世界から
私は、西園寺陽菜。西園寺家の長女だ。私の家族は、大手企業の社長である父、そして母、兄、妹の5人家族だ。
「お嬢様、夕食のお時間でございます。」
「あ、そう。」
今のは、執事の加藤。私は食堂へ降りた。誰もいない。いや、使用人はいるんだけど。
この屋敷はとても大きいが、今は私と使用人と妹しか住んでいない。
妹は、とても可愛く人気ものだが、持病があり部屋からめったに出てこない。
だから私の食事はいつも一人だ。一人でも、家事や洗濯などはしなくていいのだから、そこらの人よりもマシだろう。
「お嬢様、おはようございます!いい天気ですよぉ!」
私つきのメイドの里沙(りさ)がカーテンを開けていった。
「うん。おきてる。」
今日は高校に行く日だ。いつも通り朝ご飯を食べ、メイドに着替えをさせて、リムジンで学校に行く。
そんな、色のない世界だ。ただの、真っ白い世界。
よく人は、私のことを「かわいそう」だと言う。何が?この世の中は、お金が全て。お金さえあれば、なんだってできる。
そういった世界なのだから、私は何も、「かわいそう」ではないはずだ。
「えー今日は、転校生を紹介する。伊藤亮太(りょうた)君だ。入ってきたまえ。」
「はーい!伊藤りょーたです!よろしくねぇ!」
うわ・・・。こんな時期に転校だから、どっかのお坊ちゃんかと思ったけど、だたのそこらにいる人だ・・・。最悪。
「えーじゃあ席は西園寺さんの隣です。」
え、隣?隣に人がいると、加藤が入りにくくなるから嫌なんだけど。
「よろしくね!」
「ふんっ!不潔。」
「えー!ひどぉーい。」
うるさ。耳がキンキンする。今日は最悪なことばかりだ。お父様にお小遣いを増やしてもらいましょ。
だけど、次の日も、その次の日も転校生は喋りかけてきた。隣だからだけど。
テスト返却日。
「西園寺さん。」
呼ばれた。加藤が受け取りに行く。
「お見事です、お嬢様。」
「別に。普通よ。」
もちろん100点だ。
「わー!すごいなぁ。僕なんか、30点だよ!?」
30点!?ヤバすぎない?私は加藤にそういう目線で見た。
加藤も、あり得ないと言う顔をしている。
「あなた、どうしてそんな猿でも解ける問題が解けないんですの?」
「だって、無理だもん。」
「いや、そんな簡単な問題、できるに決まってるじゃないですか!」
「いいんだよ。これからできるんだから。この前のテストは3点だったよ。成長した、成長した。」
「成長?せいちょう?セイチョウ?清朝?」
成長って何?何それ?普通、一発でできるんじゃないの?
「(目線)ねえ加藤、成長ってなんですの?」
「(目線)えー、成長というのは、進化です。お嬢様。」
進化か・・・。私は成長を知らなかったから、進化していないということ?
それはまずいわ!
恐竜が滅んだあと、哺乳類は進化して今の人間になったんですもの。進化しなくては、滅亡してしまいますわ。
しかし、どうしましょう。成長しようとも、成長するものがないわ。
「じゃあ教えてよ。」
「は?」
「あ、ごめん・・・。」
「わ、私が教えるですって?まあ、別に悪いことはありませんわ。」
「本当!?ありがとう!」
数日後。テスト返却日。
「えーじゃあ次、伊藤!」
「はーい。」
「うん。よく頑張ったな。」
転校生が私を方を見た。テストの点数は・・・、95点!
「ありがとう!西園寺さんのおかげだよ!」
その時、私に色がついた。見るもの、触るものの全てに色がついた。
見方が変わった。成長か・・・。悪いものではない。
「わざわざ教えてあげたのに、100点ではないとは・・・。」
「ひどーい。喜んでよぉ。」
「・・・。」
「ねぇー!」
終わり
どうだったでしょうか。
世の中確かにお金ですけど、人を助けて、成長する喜び、みなさんも味わってください。 あちゃぱさん(大阪・12さい)からの相談
とうこう日:2024年1月18日みんなの答え:1件
「お嬢様、夕食のお時間でございます。」
「あ、そう。」
今のは、執事の加藤。私は食堂へ降りた。誰もいない。いや、使用人はいるんだけど。
この屋敷はとても大きいが、今は私と使用人と妹しか住んでいない。
妹は、とても可愛く人気ものだが、持病があり部屋からめったに出てこない。
だから私の食事はいつも一人だ。一人でも、家事や洗濯などはしなくていいのだから、そこらの人よりもマシだろう。
「お嬢様、おはようございます!いい天気ですよぉ!」
私つきのメイドの里沙(りさ)がカーテンを開けていった。
「うん。おきてる。」
今日は高校に行く日だ。いつも通り朝ご飯を食べ、メイドに着替えをさせて、リムジンで学校に行く。
そんな、色のない世界だ。ただの、真っ白い世界。
よく人は、私のことを「かわいそう」だと言う。何が?この世の中は、お金が全て。お金さえあれば、なんだってできる。
そういった世界なのだから、私は何も、「かわいそう」ではないはずだ。
「えー今日は、転校生を紹介する。伊藤亮太(りょうた)君だ。入ってきたまえ。」
「はーい!伊藤りょーたです!よろしくねぇ!」
うわ・・・。こんな時期に転校だから、どっかのお坊ちゃんかと思ったけど、だたのそこらにいる人だ・・・。最悪。
「えーじゃあ席は西園寺さんの隣です。」
え、隣?隣に人がいると、加藤が入りにくくなるから嫌なんだけど。
「よろしくね!」
「ふんっ!不潔。」
「えー!ひどぉーい。」
うるさ。耳がキンキンする。今日は最悪なことばかりだ。お父様にお小遣いを増やしてもらいましょ。
だけど、次の日も、その次の日も転校生は喋りかけてきた。隣だからだけど。
テスト返却日。
「西園寺さん。」
呼ばれた。加藤が受け取りに行く。
「お見事です、お嬢様。」
「別に。普通よ。」
もちろん100点だ。
「わー!すごいなぁ。僕なんか、30点だよ!?」
30点!?ヤバすぎない?私は加藤にそういう目線で見た。
加藤も、あり得ないと言う顔をしている。
「あなた、どうしてそんな猿でも解ける問題が解けないんですの?」
「だって、無理だもん。」
「いや、そんな簡単な問題、できるに決まってるじゃないですか!」
「いいんだよ。これからできるんだから。この前のテストは3点だったよ。成長した、成長した。」
「成長?せいちょう?セイチョウ?清朝?」
成長って何?何それ?普通、一発でできるんじゃないの?
「(目線)ねえ加藤、成長ってなんですの?」
「(目線)えー、成長というのは、進化です。お嬢様。」
進化か・・・。私は成長を知らなかったから、進化していないということ?
それはまずいわ!
恐竜が滅んだあと、哺乳類は進化して今の人間になったんですもの。進化しなくては、滅亡してしまいますわ。
しかし、どうしましょう。成長しようとも、成長するものがないわ。
「じゃあ教えてよ。」
「は?」
「あ、ごめん・・・。」
「わ、私が教えるですって?まあ、別に悪いことはありませんわ。」
「本当!?ありがとう!」
数日後。テスト返却日。
「えーじゃあ次、伊藤!」
「はーい。」
「うん。よく頑張ったな。」
転校生が私を方を見た。テストの点数は・・・、95点!
「ありがとう!西園寺さんのおかげだよ!」
その時、私に色がついた。見るもの、触るものの全てに色がついた。
見方が変わった。成長か・・・。悪いものではない。
「わざわざ教えてあげたのに、100点ではないとは・・・。」
「ひどーい。喜んでよぉ。」
「・・・。」
「ねぇー!」
終わり
どうだったでしょうか。
世の中確かにお金ですけど、人を助けて、成長する喜び、みなさんも味わってください。 あちゃぱさん(大阪・12さい)からの相談
とうこう日:2024年1月18日みんなの答え:1件
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いいと思う 素晴らしいと思う すきやきさん(山口・10さい)からの答え
とうこう日:2024年3月19日
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