氷の女王様 (ホラー注意)
わたしの名前は、氷見小雪(ひみこゆき)。どう考えても、冬が好きそうな名前。
こんな名前、大っ嫌いだ。
それに。
生まれつき、魔法も使えてしまった。
親はもともと魔族だから、わたしが、魔族の血を引いちゃって魔法が使えるみたい。
便利とか、そんなのじゃない。
魔法と、名前のせいで。
だから、わたしは―。
わたしの周りには、どことなく冷たい空気が流れていた。だから、みんなわたしを避ける。
風邪で休んだコもいた。
氷みたいな空気を持つわたしは、いつしか「氷の女王様」と呼ばれるようになった。
先生が唯一の頼りだったけど、先生はエンリョしているみたいだった。
先生も、友達も、親も、自分も全部全部、大っ嫌い。
自分が氷の女王様って呼ばれたらどうよ。
イヤなら、他人にしないでよ…。
今のわたしに、そこまで言い返す勇気はない。
早く大人になりたい。
それか、高いところから飛び降りて、いっそ死んじゃっても…。
―いいのかもしれない。
わたしなんて、誰もいらない。誰も必要としないから。
わたしになんかに、生きる価値なんてない。
汚れた、汚い命なんだ。
学校では、いつも独りぼっちだった。
当たり前だけど、みんなわたしを怖がっているんだ。
ただ名前と、冷たい空気が流れてるだけで。
魔法なんて、使う気はない。
氷見小雪って名前だけに、氷の魔法しか使えない。
サイアクだ。もう死にたい。
教室のスミでは、いっつも、同じことを考えていた。
くだらない授業が終わって、みんな帰っていった。わたしは帰る気がしなかった。
だから、外を眺めていた。
すると。二人のカゲが差した。
「ねぇ、氷見さんってさ。いっつも一人だよね」
「わっかる―。あたしらのグループに入んない?寂しそうだしさ」
「あ、でも氷の女王だよ。あたしら凍っちゃうかも」
「あー、あるわーww」
ケラケラとわたしの顔を見て笑う、女子二人組。
顔を見たらすぐに分かる。どう考えても嫌がらせだ。
わたしは無視をした。外の景色をひたすら眺める。
こんなヤツらと絡んだって、なんもいいことはない。結局、いじめだ。いじめと同じだ。
「…………」
「ちょっと。返事くらいしなさいよ」
「あたしらがせっかく誘ってくれてんのに。ありがたくノっとけばいいのよ」
それでも、わたしは無視をし続けた。
「…あー、くっそ腹立つ。ねぇ氷の女王。アンタ、本当に魔法使えちゃうんじゃない?」
「!」
「あ、図星?w本当に使えるならさ。使ってみてちょーだいよ!そしたら、今度は氷の神様ってあだなつけてやるわーwww」
バカにするように、笑う二人組。
…………あー、もう頭にきた。
ガマンの限界だ。
わたしは、イスをはねのけて立ち上がった。
手袋を外して、わたしはニッコリとほほ笑んだ。
二人が、怯える顔をしている。
わたしは、氷の笑みを浮かべるのがトクイだ。
「分かった。見せてあげるよ。魔法を」
ぺたり。両手を、二人の頬に当てた。
「トクベツだよ?他の誰かに言ったら、殺しちゃうかもね」
ゾクリ、二人が震える。
わたしの手は超冷たい。キンキンに冷えている氷みたいに。
「あ…あ……ごめんなさい、もうやめるから、許して…」
ガタガタと、一人が震え出した。
「イヤだよ。アンタらが先に言ってきたんじゃんか」
事実だから。わたしは悪くない。
アンタらが、魔法見せろっつったんだよ。
二人が怯え、震える中、わたしは氷の笑みを貼り付けた。
お腹のソコからチカラを振り絞って、手に集中させる。
それから、ニッコリとほほ笑んだ。
「バイバイ」
―パキン!パキパキ…
翌日。氷漬けになった二人の遺体が見つかった。
今後、誰も一切話題にしないことであろう。
今日も授業を受ける。くだらないな、と思いながら。
そして、今日も笑う。氷の笑みを貼り付けて。 ユノさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2024年1月20日みんなの答え:5件
こんな名前、大っ嫌いだ。
それに。
生まれつき、魔法も使えてしまった。
親はもともと魔族だから、わたしが、魔族の血を引いちゃって魔法が使えるみたい。
便利とか、そんなのじゃない。
魔法と、名前のせいで。
だから、わたしは―。
わたしの周りには、どことなく冷たい空気が流れていた。だから、みんなわたしを避ける。
風邪で休んだコもいた。
氷みたいな空気を持つわたしは、いつしか「氷の女王様」と呼ばれるようになった。
先生が唯一の頼りだったけど、先生はエンリョしているみたいだった。
先生も、友達も、親も、自分も全部全部、大っ嫌い。
自分が氷の女王様って呼ばれたらどうよ。
イヤなら、他人にしないでよ…。
今のわたしに、そこまで言い返す勇気はない。
早く大人になりたい。
それか、高いところから飛び降りて、いっそ死んじゃっても…。
―いいのかもしれない。
わたしなんて、誰もいらない。誰も必要としないから。
わたしになんかに、生きる価値なんてない。
汚れた、汚い命なんだ。
学校では、いつも独りぼっちだった。
当たり前だけど、みんなわたしを怖がっているんだ。
ただ名前と、冷たい空気が流れてるだけで。
魔法なんて、使う気はない。
氷見小雪って名前だけに、氷の魔法しか使えない。
サイアクだ。もう死にたい。
教室のスミでは、いっつも、同じことを考えていた。
くだらない授業が終わって、みんな帰っていった。わたしは帰る気がしなかった。
だから、外を眺めていた。
すると。二人のカゲが差した。
「ねぇ、氷見さんってさ。いっつも一人だよね」
「わっかる―。あたしらのグループに入んない?寂しそうだしさ」
「あ、でも氷の女王だよ。あたしら凍っちゃうかも」
「あー、あるわーww」
ケラケラとわたしの顔を見て笑う、女子二人組。
顔を見たらすぐに分かる。どう考えても嫌がらせだ。
わたしは無視をした。外の景色をひたすら眺める。
こんなヤツらと絡んだって、なんもいいことはない。結局、いじめだ。いじめと同じだ。
「…………」
「ちょっと。返事くらいしなさいよ」
「あたしらがせっかく誘ってくれてんのに。ありがたくノっとけばいいのよ」
それでも、わたしは無視をし続けた。
「…あー、くっそ腹立つ。ねぇ氷の女王。アンタ、本当に魔法使えちゃうんじゃない?」
「!」
「あ、図星?w本当に使えるならさ。使ってみてちょーだいよ!そしたら、今度は氷の神様ってあだなつけてやるわーwww」
バカにするように、笑う二人組。
…………あー、もう頭にきた。
ガマンの限界だ。
わたしは、イスをはねのけて立ち上がった。
手袋を外して、わたしはニッコリとほほ笑んだ。
二人が、怯える顔をしている。
わたしは、氷の笑みを浮かべるのがトクイだ。
「分かった。見せてあげるよ。魔法を」
ぺたり。両手を、二人の頬に当てた。
「トクベツだよ?他の誰かに言ったら、殺しちゃうかもね」
ゾクリ、二人が震える。
わたしの手は超冷たい。キンキンに冷えている氷みたいに。
「あ…あ……ごめんなさい、もうやめるから、許して…」
ガタガタと、一人が震え出した。
「イヤだよ。アンタらが先に言ってきたんじゃんか」
事実だから。わたしは悪くない。
アンタらが、魔法見せろっつったんだよ。
二人が怯え、震える中、わたしは氷の笑みを貼り付けた。
お腹のソコからチカラを振り絞って、手に集中させる。
それから、ニッコリとほほ笑んだ。
「バイバイ」
―パキン!パキパキ…
翌日。氷漬けになった二人の遺体が見つかった。
今後、誰も一切話題にしないことであろう。
今日も授業を受ける。くだらないな、と思いながら。
そして、今日も笑う。氷の笑みを貼り付けて。 ユノさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2024年1月20日みんなの答え:5件
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
5件中 1 〜 5件を表示
-
ああーもう あああああーもうこのはなしだいすきです!
読むのはもう十回目くらいかな?ユノさんそ★これからの相談や短編小説も絶対読むね!名前覚えたもんねえーーーー!
じゃ! すかるさん(三重・9さい)からの答え
とうこう日:2024年4月18日 -
主人公の気持ちがよく分かる! 私も名前のことで嫌なこと言われてました。幼稚園のころはよく
同じようにいじめられてたので、主人公の気持ちがよくわかります。
「自分が氷の『女王様ってよばれたらどうよ。イヤならしないでよ」
という言葉が心にささりました。同い年なのにすごいですね!!! おゆきさん(宮城・11さい)からの答え
とうこう日:2024年4月14日 -
えっ…同い年ですか!? こんちゃっ!ビビりっ子さんだよ♪
本題 最後、年齢を見た瞬間ビビりました…マジっ!?同い年ですか?と。
すごい…また読みたいです。 ビビりっ子さんさん(京都・11さい)からの答え
とうこう日:2024年3月22日 -
最高! こんにちは、りんごくんです!( `ー´)ノ
『本題』
めっちゃよかったです!
氷の魔法っていうちょっと現実離れした話でありながら結構辛辣で
ピリピリとした文章でした!!
氷っていうワードから、私は氷の魔法っていうのと
氷みたいに寒いっていうのしか浮かばなかったけど、最後の
『氷の笑みを張り付けて』ってところで、そういう意味か〜!って
思った!
私もそういう魔法系はよく妄想したりするけど、マイナスになることは
あまり考えていなかったから、違う考えで面白かった!!
( ´Д`)ノ~バイバイ
りんごくんさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2024年3月21日 -
氷の笑み 授業に集中できなさそう
後ろで圧(?)がかかってて
怖すぎる
その学校の生徒さんや
先生たちなんか
人質に取られてるみたい
ばいちゃ♪ 鈴鈴さん(静岡・13さい)からの答え
とうこう日:2024年3月21日
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
5件中 1 〜 5件を表示
-
- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- 回答には相談に対する回答内容を投稿してください。過度に自己紹介等が書かれている場合は、スタッフにて削除・非公開対応を行わせていただきます。
- ニックネームを頻繁に変更して、「元○○」というような説明を記載することはやめてください。
- 1部のユーザーになりすましの投稿が行われています。なりすましの投稿はやめてください。
- カテゴリごとの新着相談
-
-
- みんなはどんな沼にハマってる??03月19日
-
- 知らない番号からの電話が怖い05月05日
-
- 親友とトラブル。謝るべきか?05月04日
-
- クラスの女子が苦手05月05日
-
- 私はおかしいの?05月04日
-
- 期待しないで05月04日
-
- 生理のプール、、、、、05月04日
-
- でべそがコンプレックス05月05日
-
- バリトンサックスになったんですけど・・・05月04日
-
- 欲しい自転車05月05日
-
- SIXFONIA(シクフォニ)推しさん!05月04日
-
- 彼氏の倦怠期について05月04日
-
- コスメ何買う?05月05日
-
- 運動会はいつ??05月05日
-
- 好きなアイス教えてー!05月04日
-
- ホットココアとバレンタイン02月29日
-
- リスカについて05月04日
-
いじめで困ったり、ともだちや先生のことで不安や悩みがあったりしたら、一人で悩まず、いつでもすぐ相談してね。
・>>SNSで相談する
・電話で相談する
・>>地元の相談窓口を探す
18歳までの子どものための相談先です。あなたの思いを大切にしながら、どうしたらいいかを一緒に考えてくれるよ。