最低で、大嫌いな俺の父さん。
「お前なんて、父親でもなんでもない!!死んでしまえ!!!」
中学2年生だった俺は、父にそう言い、泣きながら家を飛び出した。
3年後。
俺、林 リントには母親がいない、正確には”いた”。
中学2年生のある朝、俺は怒鳴り声で目を覚ました。しばらくすると、扉の閉まる音が聞こえ、家が突然静かになった。
俺は1階におりると、涙目の父に聞いた。
「父さん、母さんは?」父から聞いたのは、信じたくない、でも、信じざるおえない事実だった。
「母さんとは、離婚した。一生、帰ってこない。」
母は体が弱く、でも、とても優しい、美しい人だった。
なんで?母さんは体が弱いのに。それでも家事もやってくれていたのに。
いくあてはあるのか?病気は大丈夫なのか?食事は?お金は?
心配だった。でも、それで父を責めることはしたくなかった。
きっと、いくあてがあるから、大丈夫だから離婚したのだろう。真面目な父と母のことだ。きっと、きっと大丈夫。。。
そう、自分を納得させた。
3日後。
母が死んだ。道端で倒れているのを見かけた住人が、救急車を呼んだが、命は助からなかった。
寒いこの時期。ただでさえ、病弱な母のことだ。きっと苦しかっただろう。
葬式にはいけなかった。
父を恨んだ。憎かった。殺したかった。
そして俺は言った。
「母さんじゃなくて、お前が死ねばよかったんだ!
お前なんて、父親でもなんでもない!!死んでしまえ!!!」
あれから父とは一言も口を聞いていない。
聞きたくもない。
学校から帰ってすぐ、電話がかかってきた。
『もしもし、林 達稀(父の名前)さんのお宅ですか?』
「そうですけど。」
『達稀さんが交通事故にあい、意識不明の重体です。
このままでは命の危険もあります。今すぐ病院に来てください。』
「すみませんが、行くことができません。」
『なぜーーーー ブツ
あんな親父なんて死ねばいい。
貯金なんていくらでもあるし、一人でも生活していける。
どうでもいい。
親父が死んだ。
葬式は親父のお姉さんのひろこさんがやったらしいけど、俺はでなかった。
ひろこさんは、親父の遺品整理をするため、何度か家に来た。
あるとき、ひろこさんは、「今日が最後だから」といって、俺に一通の手紙を渡した。父からだった。
「あなたは読みたくないかもしれないけど、絶対に読んで。これは、私からのお願いよ」
と言い、深々と頭を下げた。
ひろこさんが帰った後、俺はその手紙をよんだ。頭を下げられては、読むしかないだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リントへ
この手紙はリントが読むことはないかもしれない。
だから、ずっと内緒にしていたことをかくよ。
お母さんは、ものすごく大きな病気をもっていたんだ。
でも、その手術を受けるには、莫大なお金がひつようだった。
だから父さんは、お母さんにそのお金を渡したんだ。
でも、お母さんはいらない、といい、離婚しようといった。
きっと、お母さんは心配をかけたくなかったのだろう。
そこで喧嘩になって、お母さんは「じゃあ、手術を受けます。でも、離婚はしてください。」といい、お金をもって、家を出ていってしまった。
お母さんが死んだあと、いくつかわかったことがある。
母さんは本当に、僕とリントに迷惑をかけてくなかったんだ。
父さんが用意してわたしたお金は、ポストに返してあった。
母さんは、自分が助からないことをわかっていたのかもしれない。父さんにはわかる気がする。あれは病気を利用した自殺だ。
ごめんな、リント、父さんは、最低な親父だ。母さんを止めることができなかった。
本当にごめんな、リント。
それでも、愛しているよ、リント。
父より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かつては3人の愛で溢れていた、でも今はひとりぼっちの家の中で、俺は言う。
「なんでいってくれなかったんだよ、、。なんだよ、聞いてねえよ、、、。
そういうところが、、そういうところが大嫌いなんだよ、、、。父さん、、、、、!!」
大嫌いなはずなのに、俺の目にはたくさんの涙が流れていた。 ことりさん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2024年1月23日みんなの答え:5件
中学2年生だった俺は、父にそう言い、泣きながら家を飛び出した。
3年後。
俺、林 リントには母親がいない、正確には”いた”。
中学2年生のある朝、俺は怒鳴り声で目を覚ました。しばらくすると、扉の閉まる音が聞こえ、家が突然静かになった。
俺は1階におりると、涙目の父に聞いた。
「父さん、母さんは?」父から聞いたのは、信じたくない、でも、信じざるおえない事実だった。
「母さんとは、離婚した。一生、帰ってこない。」
母は体が弱く、でも、とても優しい、美しい人だった。
なんで?母さんは体が弱いのに。それでも家事もやってくれていたのに。
いくあてはあるのか?病気は大丈夫なのか?食事は?お金は?
心配だった。でも、それで父を責めることはしたくなかった。
きっと、いくあてがあるから、大丈夫だから離婚したのだろう。真面目な父と母のことだ。きっと、きっと大丈夫。。。
そう、自分を納得させた。
3日後。
母が死んだ。道端で倒れているのを見かけた住人が、救急車を呼んだが、命は助からなかった。
寒いこの時期。ただでさえ、病弱な母のことだ。きっと苦しかっただろう。
葬式にはいけなかった。
父を恨んだ。憎かった。殺したかった。
そして俺は言った。
「母さんじゃなくて、お前が死ねばよかったんだ!
お前なんて、父親でもなんでもない!!死んでしまえ!!!」
あれから父とは一言も口を聞いていない。
聞きたくもない。
学校から帰ってすぐ、電話がかかってきた。
『もしもし、林 達稀(父の名前)さんのお宅ですか?』
「そうですけど。」
『達稀さんが交通事故にあい、意識不明の重体です。
このままでは命の危険もあります。今すぐ病院に来てください。』
「すみませんが、行くことができません。」
『なぜーーーー ブツ
あんな親父なんて死ねばいい。
貯金なんていくらでもあるし、一人でも生活していける。
どうでもいい。
親父が死んだ。
葬式は親父のお姉さんのひろこさんがやったらしいけど、俺はでなかった。
ひろこさんは、親父の遺品整理をするため、何度か家に来た。
あるとき、ひろこさんは、「今日が最後だから」といって、俺に一通の手紙を渡した。父からだった。
「あなたは読みたくないかもしれないけど、絶対に読んで。これは、私からのお願いよ」
と言い、深々と頭を下げた。
ひろこさんが帰った後、俺はその手紙をよんだ。頭を下げられては、読むしかないだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リントへ
この手紙はリントが読むことはないかもしれない。
だから、ずっと内緒にしていたことをかくよ。
お母さんは、ものすごく大きな病気をもっていたんだ。
でも、その手術を受けるには、莫大なお金がひつようだった。
だから父さんは、お母さんにそのお金を渡したんだ。
でも、お母さんはいらない、といい、離婚しようといった。
きっと、お母さんは心配をかけたくなかったのだろう。
そこで喧嘩になって、お母さんは「じゃあ、手術を受けます。でも、離婚はしてください。」といい、お金をもって、家を出ていってしまった。
お母さんが死んだあと、いくつかわかったことがある。
母さんは本当に、僕とリントに迷惑をかけてくなかったんだ。
父さんが用意してわたしたお金は、ポストに返してあった。
母さんは、自分が助からないことをわかっていたのかもしれない。父さんにはわかる気がする。あれは病気を利用した自殺だ。
ごめんな、リント、父さんは、最低な親父だ。母さんを止めることができなかった。
本当にごめんな、リント。
それでも、愛しているよ、リント。
父より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かつては3人の愛で溢れていた、でも今はひとりぼっちの家の中で、俺は言う。
「なんでいってくれなかったんだよ、、。なんだよ、聞いてねえよ、、、。
そういうところが、、そういうところが大嫌いなんだよ、、、。父さん、、、、、!!」
大嫌いなはずなのに、俺の目にはたくさんの涙が流れていた。 ことりさん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2024年1月23日みんなの答え:5件
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
5件中 1 〜 5件を表示
-
感動したあ…! こんちゃちゃ!オレンジです。
この小説すごくよかった!感動したよ!すごいですね!o(^-^)o オレンジさん(埼玉・11さい)からの答え
とうこう日:2024年4月7日 -
なんでこんな感動の… こんな泣きそうな文なんで書けるの 桜もちさん(埼玉・9さい)からの答え
とうこう日:2024年3月27日 -
面白いし感動した! そんなものがたりかけるひとがいたんだっておもってなみだめです、また物語あったら見ますね!キズなんであおう!さらばじゃ! ねこさん(東京・9さい)からの答え
とうこう日:2024年3月25日 -
ものすごい感動した 父親の気持ち、主人公の気持ちの描写が凄すぎて、圧倒されました。
最後の、「大嫌いなはずなのに」、の部分で、悔しいけど、憎たらしいけれども、最後まで「父親」のままではいてくれたのかな、、と思い、すごく感動しました。 きなこもちさん(東京・12さい)からの答え
とうこう日:2024年3月25日 -
ことりさん、めちゃすごいです こんちゃっ!
ちゃーはんだよ♪
☆*:.。. o感想っ!o .。.:*☆
すごいね!
うちはこんなすごい小説、書けないよ、、、
☆*:.。. oしゅうりょおっo .。.:*☆
またことりさんの小説を読みたいな~♪
キズなんでまた会おうね☆
じゃねっ(*・ω・)ノ
おつちゃーはん☆ ちゃーはんさん(東京・11さい)からの答え
とうこう日:2024年3月25日
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
5件中 1 〜 5件を表示
-
- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
- カテゴリごとの新着相談
-
-
- みんなの好きな短歌は?11月29日
-
- 公文バッグってもらえないの?01月11日
-
- 直したいんだ。01月11日
-
- いじめをいつまでも引きずってるのが悪い?01月12日
-
- 私の安らかな睡眠学習の時間がぁ…。01月11日
-
- なんかいい勉強方ってありますか?01月11日
-
- どうすればいいですか?01月12日
-
- 肩幅が広すぎる、、、01月12日
-
- 卓球部に入ってる中学生の先輩に質問です01月12日
-
- 魔男のイチって知っていますか?!01月11日
-
- 告白について、、01月12日
-
- 垢抜けたいです、質問返しお願いします!01月12日
-
- みんなが最近ハマってること01月12日
-
- あの場所で 〜笑顔と感動の物語〜09月30日
-
- 漢字検定は何級から受ければいい?01月12日
-
いじめで困ったり、ともだちや先生のことで不安や悩みがあったりしたら、一人で悩まず、いつでもすぐ相談してね。
・>>SNSで相談する
・電話で相談する
・>>地元の相談窓口を探す
18歳までの子どものための相談先です。あなたの思いを大切にしながら、どうしたらいいかを一緒に考えてくれるよ。