花火きらきら、薬莢ころころ
「ねぇ、爽太。あたし...貴方が、好き...愛してる...」
「千夏...」
ボクには重すぎた。彼女の愛は。でも、ボクも彼女のことを愛しているのは事実だ。
高2の春で、初めて彼女ができた。最初は嬉しかったし、恋愛的な意味で愛されている、という実感に幸せを覚えていた。
しかし、彼女のボクへの依存ぶりには困った。何をするにも、「爽太、爽太!」なのだ。
「あたし、週に5回は爽太に会わないと死んじゃう〜!」
...いっつも、そんな調子。
「千夏さぁ、そろそろ夏休みだけど、どうすんの...」
「えー...でも、週5は流石に無理だよね、忙しいもんね...」
真剣な表情で考え込む彼女を、可愛いと思うボクもボクだ。
「あっ!じゃあさ、こうしない?」
夏休み中は週1で、千夏がボクに会いに来る。
それから...夏祭りのデートをする。そういう"条約"になった。
夏祭り当日。
そろそろ日も暮れようという頃、ボクらは会場である、とある神社の境内にいた。
「ねぇねぇ爽太、あたし、浴衣似合ってる?」
「もちろん。凄く可愛いよ」
千夏はもともと顔が良いので、何を着たって似合う。
「千夏、何食べたい?」
出店と人混みの中を、手を繋いで歩いて行く。
「アメリカンドッグ!爽太は?」
「ボクもそれがいいな」
それから、祭りを一通り楽しんで、人気の無い場所のベンチに座って何気無い話をして...
きっともうすぐ、花火が打ち上がる頃だろう。ここなら人もいないし、小高い丘のようになっているから、よく見えるはず。
「楽しみね、花火」
「...そうだね」
その時。
ヒュ〜...ドドン!パーン!
「わぁッ!見て見て爽太、花火だよ!」
「わぁ...綺麗だ」
花火に見惚れて、訪れる沈黙。その沈黙を破ったのは千夏の声だった。
「ねぇ...爽太?あたしね...ずっと貴方と一緒にいる方法、見つけたの...」
「...それって...?」
「ふふッ...今教えてあげる。こうするのよーー」
彼女は立ち上がり、袖から何か黒いものを取り出した。両手で握って、腕をあげてボクへ向けてーー
銃だ!
ボクは驚きと恐怖で声が出なかった。
「ウフフ...考えてみれば簡単なことだったのよ...
貴方を、あたしのモノのまま、葬って仕舞えばいい...」
花火を背に、彼女の狂気の笑みは影になり、その瞳は愛憎の輝きをたたえる。
「やッ...やめろ!やめるんだ!!」
「ごめんなさいね...こんなことしか思い付けない馬鹿な女で...フフッ。
大丈夫よ。魂が無くなっても、大事にしてあげるから...」
これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。
きっと、クライマックスであがる一番大きな花火が、目を醒めさせてくれる。
そしてーー
ヒュ〜...ドン!ドドン!!パァァァァァァァァァァン...
金色の何かが、花火と共にきらきらと落ちていった。 キッチンに散ったパン粉さん(選択なし・16さい)からの相談
とうこう日:2024年1月23日みんなの答え:3件
「千夏...」
ボクには重すぎた。彼女の愛は。でも、ボクも彼女のことを愛しているのは事実だ。
高2の春で、初めて彼女ができた。最初は嬉しかったし、恋愛的な意味で愛されている、という実感に幸せを覚えていた。
しかし、彼女のボクへの依存ぶりには困った。何をするにも、「爽太、爽太!」なのだ。
「あたし、週に5回は爽太に会わないと死んじゃう〜!」
...いっつも、そんな調子。
「千夏さぁ、そろそろ夏休みだけど、どうすんの...」
「えー...でも、週5は流石に無理だよね、忙しいもんね...」
真剣な表情で考え込む彼女を、可愛いと思うボクもボクだ。
「あっ!じゃあさ、こうしない?」
夏休み中は週1で、千夏がボクに会いに来る。
それから...夏祭りのデートをする。そういう"条約"になった。
夏祭り当日。
そろそろ日も暮れようという頃、ボクらは会場である、とある神社の境内にいた。
「ねぇねぇ爽太、あたし、浴衣似合ってる?」
「もちろん。凄く可愛いよ」
千夏はもともと顔が良いので、何を着たって似合う。
「千夏、何食べたい?」
出店と人混みの中を、手を繋いで歩いて行く。
「アメリカンドッグ!爽太は?」
「ボクもそれがいいな」
それから、祭りを一通り楽しんで、人気の無い場所のベンチに座って何気無い話をして...
きっともうすぐ、花火が打ち上がる頃だろう。ここなら人もいないし、小高い丘のようになっているから、よく見えるはず。
「楽しみね、花火」
「...そうだね」
その時。
ヒュ〜...ドドン!パーン!
「わぁッ!見て見て爽太、花火だよ!」
「わぁ...綺麗だ」
花火に見惚れて、訪れる沈黙。その沈黙を破ったのは千夏の声だった。
「ねぇ...爽太?あたしね...ずっと貴方と一緒にいる方法、見つけたの...」
「...それって...?」
「ふふッ...今教えてあげる。こうするのよーー」
彼女は立ち上がり、袖から何か黒いものを取り出した。両手で握って、腕をあげてボクへ向けてーー
銃だ!
ボクは驚きと恐怖で声が出なかった。
「ウフフ...考えてみれば簡単なことだったのよ...
貴方を、あたしのモノのまま、葬って仕舞えばいい...」
花火を背に、彼女の狂気の笑みは影になり、その瞳は愛憎の輝きをたたえる。
「やッ...やめろ!やめるんだ!!」
「ごめんなさいね...こんなことしか思い付けない馬鹿な女で...フフッ。
大丈夫よ。魂が無くなっても、大事にしてあげるから...」
これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。
きっと、クライマックスであがる一番大きな花火が、目を醒めさせてくれる。
そしてーー
ヒュ〜...ドン!ドドン!!パァァァァァァァァァァン...
金色の何かが、花火と共にきらきらと落ちていった。 キッチンに散ったパン粉さん(選択なし・16さい)からの相談
とうこう日:2024年1月23日みんなの答え:3件
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パン粉.さんだぁ~~~ッッ こんふゎぁ.**(*`・ ・´*)ノ.o*
快蘭から,改名した 葵絃來*Kina*だょん.♪**
**☆o_. 本題 ._o☆**
パン粉さん~~~ッッ
いつもありがとねっ♪♪☆*
パン粉さん,表現力が,上手すぎ.′.′
一つひとつの言葉の使い方が,ベリーグッドですねッッ
とっても怖かったけど,心に残る小説♪*
読んでくれてありがとッッ.(人・∪ < *o)☆
またキズなんで会おうねっ.☆*♪
ばいぽゎぁ.**ヽ(*´・ ・`*) 葵絃來 _ Kina☆*さん(千葉・11さい)からの答え
とうこう日:2024年3月28日 -
天才かよ とても詳しくてわかりやすいです。
とくに浴衣の袖から銃を取り出すところなんてもう、、、!
もっとたくさん書いてほしいです!
最後の金色の何かっていうのも、続きを考えさせられてもう最高によかったです。
天才ですね!
これからがんばってください! コロコロさん(埼玉・16さい)からの答え
とうこう日:2024年3月28日 -
怖い!! お話の後半がめちゃくちゃ怖いです…!!
最後の2行の文が、めちゃくちゃ表現力豊かで、キッチンに散ったパン粉さん天才…って思ったです
また、キッチンに散ったパン粉さんの短編小説
読みたいです
では どぅも星人さん(埼玉・11さい)からの答え
とうこう日:2024年3月27日
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