奇跡が起きる冬の日
その日僕は玄関の前に座って父の帰りを待っていた。
なぜなら父は僕をだましていたからだ。
今日友達の連にこんなことを言われた。
「お前、親に騙されてる。お母さんはもうなくなっているよ…」と。
一瞬何を言っているのかわからなかった。
でもその子が嘘をつくとは思わなかった。
俺は一人で柱時計の音が静かに響き渡る部屋の中でじっと待っていた。
すると玄関が開いて父が入ってきた。
僕は父に駆け寄った。
「ねぇ。何か僕に嘘ついてない?」
「どうしたんだ、急に。学校で何かあったのか」
「うん。いろいろあったよ」
「なんだ。いってみろ。」
「今日、友達にお前は親から騙されてるって言われて。」
「そうか」
いよいよ騙せなくなってきたと父は思った。
母の死を言うのはとてもつらくだまし続けてきた来たがそれも終わりそうだった。
母の死を息子に言うことは改めて自分も信用してしまうためなかなか言い出せなかった。
そこでまた父はうそをついた。
「母さんは帰ってくるよ、絶対。」
「ほんとに?」
父はうなずいた。
「じゃあ僕はお父さんを信じていいんだね。」
父はまたうなずいた。
「わかった。ねぇ明日はクリスマスイブだよ!」
「そうだなぁ。お前は何が欲しい?お父さんがサンタに伝えといてやるよ。」
「じゃあ僕は今年、プレゼントはいらないからお母さんにあいたいって伝えといて。」
息子が寝室に入ってった後、父は茫然とその場に立ちつくした。
翌朝、父は息子の声で目が覚めた。
「ねぇ、パパ窓の外、見て!」
父親が見に行くと信じられない光景が目に入った。
雪が降っていたのだ。
父は昨日と同じくその場に立ち尽くしていた。
「パパ!これでお母さん帰ってくるね!」
朝食を食べながら息子は初めのあいさつを何にしようか悩んでいた。
どうやら、「こんにちは、お母さん」か「ママ〜!!」で悩んでいるらしい。
テレビでは40年ぶりの雪と騒いでいた。
そんなことは心底どうでもよかった。
実は母の帰ってくる条件がこの雪なのだ。
雪が降ったらかあさんはかえってくる、そう言い続けてきた。
息子が楽しみにしているところを見ているのががつらいため父はいつもより早く家を出た。
その日の夜、父は積もり始めた雪を踏みしめながら一人の女性と歩いていた。
同じ会社の後輩が特別に一日だけ母親役をやってくれることになった。
家に入る前、申し訳なさそうに父は女性に頭を下げた。お気になさらずにというように女性は首を振った。
「ただいま〜。」
息子が出てこない。リビングに行くと息子はテーブルで勉強していた。
「あぁ、おばさんいらっしゃい。お父さんおかえりなさい」
父は耳を疑った。予想と反応が違ったのだ。
「あのな、颯斗この人は…」
と言いかけた瞬間息子が信じられないことを言った。
「あのね、さっきお母さんにあったよ。」
柱時計が0時を伝える鐘を鳴らした。
「お母さん忙しいらしいからすぐに行っちゃった、お父さんによろしくって。すごく会いたがってたよ。」
父は涙を流した
「そうか・・。そうか…。」
父は息子を抱きしめた。
女性は親子の姿をみて泣き崩れてしまった。
雪は息子が寝るまで降り続けていた。
奇跡というのは心の中で起きるもの。それは雪のようなのかもしれない。
そして息子は夢の中で母の声を聞いた。 はやっちゃんさん(東京・12さい)からの相談
とうこう日:2024年1月24日みんなの答え:6件
なぜなら父は僕をだましていたからだ。
今日友達の連にこんなことを言われた。
「お前、親に騙されてる。お母さんはもうなくなっているよ…」と。
一瞬何を言っているのかわからなかった。
でもその子が嘘をつくとは思わなかった。
俺は一人で柱時計の音が静かに響き渡る部屋の中でじっと待っていた。
すると玄関が開いて父が入ってきた。
僕は父に駆け寄った。
「ねぇ。何か僕に嘘ついてない?」
「どうしたんだ、急に。学校で何かあったのか」
「うん。いろいろあったよ」
「なんだ。いってみろ。」
「今日、友達にお前は親から騙されてるって言われて。」
「そうか」
いよいよ騙せなくなってきたと父は思った。
母の死を言うのはとてもつらくだまし続けてきた来たがそれも終わりそうだった。
母の死を息子に言うことは改めて自分も信用してしまうためなかなか言い出せなかった。
そこでまた父はうそをついた。
「母さんは帰ってくるよ、絶対。」
「ほんとに?」
父はうなずいた。
「じゃあ僕はお父さんを信じていいんだね。」
父はまたうなずいた。
「わかった。ねぇ明日はクリスマスイブだよ!」
「そうだなぁ。お前は何が欲しい?お父さんがサンタに伝えといてやるよ。」
「じゃあ僕は今年、プレゼントはいらないからお母さんにあいたいって伝えといて。」
息子が寝室に入ってった後、父は茫然とその場に立ちつくした。
翌朝、父は息子の声で目が覚めた。
「ねぇ、パパ窓の外、見て!」
父親が見に行くと信じられない光景が目に入った。
雪が降っていたのだ。
父は昨日と同じくその場に立ち尽くしていた。
「パパ!これでお母さん帰ってくるね!」
朝食を食べながら息子は初めのあいさつを何にしようか悩んでいた。
どうやら、「こんにちは、お母さん」か「ママ〜!!」で悩んでいるらしい。
テレビでは40年ぶりの雪と騒いでいた。
そんなことは心底どうでもよかった。
実は母の帰ってくる条件がこの雪なのだ。
雪が降ったらかあさんはかえってくる、そう言い続けてきた。
息子が楽しみにしているところを見ているのががつらいため父はいつもより早く家を出た。
その日の夜、父は積もり始めた雪を踏みしめながら一人の女性と歩いていた。
同じ会社の後輩が特別に一日だけ母親役をやってくれることになった。
家に入る前、申し訳なさそうに父は女性に頭を下げた。お気になさらずにというように女性は首を振った。
「ただいま〜。」
息子が出てこない。リビングに行くと息子はテーブルで勉強していた。
「あぁ、おばさんいらっしゃい。お父さんおかえりなさい」
父は耳を疑った。予想と反応が違ったのだ。
「あのな、颯斗この人は…」
と言いかけた瞬間息子が信じられないことを言った。
「あのね、さっきお母さんにあったよ。」
柱時計が0時を伝える鐘を鳴らした。
「お母さん忙しいらしいからすぐに行っちゃった、お父さんによろしくって。すごく会いたがってたよ。」
父は涙を流した
「そうか・・。そうか…。」
父は息子を抱きしめた。
女性は親子の姿をみて泣き崩れてしまった。
雪は息子が寝るまで降り続けていた。
奇跡というのは心の中で起きるもの。それは雪のようなのかもしれない。
そして息子は夢の中で母の声を聞いた。 はやっちゃんさん(東京・12さい)からの相談
とうこう日:2024年1月24日みんなの答え:6件
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FF外から失礼するゾ この小説面白スギィ!自分、朗読いいっすか
いきなりリプしてすみません!許してください! フョードル・ドストエフスキーさん(その他(海外)・19さい)からの答え
とうこう日:2024年3月27日 -
感動.... こんちゃ-! しばいぬだよ--! よろ!!
・*:..。本題 *:..。
読ませてもらいました...
すごく感動した...
ほんとにびっくりしました...
絶対才能あるっ!!
・*:..。(*´∀`*) ・*:
それじゃ ばいちゃ-!
しばいぬさん(東京・11さい)からの答え
とうこう日:2024年3月27日 -
すごっ!! ちょっと待って!
すごい!!!!!!
雪の美しさを引き立たせてるね!
今度も短編小説作ってほしいな!
またね!
ユノさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2024年3月26日 -
すごく感動した…! こんちゃっ(^^♪双葉だよ(*^ω^*)
【本題】
すごく感動した…!
読んでくれてありがとう(*'ω'*)ばいちゃっ(^^♪ 双葉*ふたば*#元花凜#ふぬっている奴さん(岐阜・12さい)からの答え
とうこう日:2024年3月26日 -
すごい! 感動しました!こんなにすごい物語を私と同じ年齢で創れるの尊敬します!! 星花さん(和歌山・12さい)からの答え
とうこう日:2024年3月26日 -
感動的!!! こんにちは、パン粉です!
読ませていただきました!
文章が綺麗で上手だと思います!
心の底からすごいと思いました…! 散ったパン粉さん(選択なし・16さい)からの答え
とうこう日:2024年3月26日
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