手のひらのメッセージ。
私は高校2年生の結輝。
家からちょっと距離がある学校に通っているので、電車で毎日登校している。
今日もいつも通り、学校に行くための準備をしていた。
「そういえば今日、同級生で転校生が来るって言ってたっけ」
先生の話によれば、転校生は障害があるので、別の教室で授業をうけることになっているのだそう。
いつも通り、朝早くから家を出て、朝日がのぼろうとしている景色を見ながら歩いていた。
電車に乗る。
いつもと同じだ。
「なんかないかなぁ。」
学校には、余計なものは持ってきてはいけない。
なので、電車では暇だ。
一つ先の駅で、見たことのない学生が電車に乗った。
「かっこいい。」
思わず、心の中で思っていたことを口にしてしまった。
よく見れば、同じ学校の制服。
誰だろう?
彼はこちらを見向きもせずに、席に座った。
あれ、でもそこの席って、障害者優先じゃない?
まぁ、いっか。
電車を降りてから、いつもの道を歩いていく。
そして後ろにはさっきの男子高校生。
思い切って声をかけてみようかな。
「あの、何年生なんですか?」
無反応。
いや無視かいっ!
これ以上声をかけるのはあまりよろしくないだろうと思い、さっきよりも速歩きで学校に向かった。
ー学校にてー
はーい、席について。
昨日話した通り、転校生が来た。
みんなに自己紹介をしてもらおう。入ってきていいぞ。
男子生徒だ。
でも、どっかで見たことがある気がする。
「彼は、耳が聞こえない。なので、代わりに先生が紹介する。転校生の大森悠斗だ。みんな仲良くするように。」
女子が騒ぎ出す。
「え!かっこよくない!」
「高身長で、イケメンって!やばくない!」
でも、中にはこんな事を言う人もいた。
「耳が聴こえないんじゃあ、会話もろくにできないや。」
「手話なんてできないっつーの!」
休み時間、大森君に会いに行きたかったけど…
流石はあのイケメン。
教室の前に女子の行列できてやがる…
「諦めよう」
下校時間、何故か正門の前に大森くんがいた。
手を振っている。
念のため、周りを確認する。
誰もいない。
私に手を振ってるの?
小さく手を振った。
すると、彼はニコリと笑って、ペンケースからペンを取り出し、手になにか書きはじめた。
「登校するとき、電車一緒だったね。帰りも一緒に良いかな?」
そうだ!見覚えがあると思ったら、登校中の電車で一緒になったあの人だ!
私は思いっきり頷いた。
いつもの下校は一人。
でも今日は二人。
でも、話せないから…
ただただ笑うことしかできなかった。
ー数カ月後ー
最近、私は大森君のことがすごく気になっている。
思い切って、今日の帰りに告白しようかな。
ー下校時間ー
今日も、いつも通り大森君と一緒に帰る。
でも、いつもよりドキドキしていた。
今しかない!
そう思って私は、自分のペンケースの中からペンを取り出し、自分の手のひらに、自信のない小さな文字で「好きです。付き合ってください」と書いた。
大森君の肩をたたいて、自分の手のひらを恐る恐る見せる。
目が開けられない。
大森君が、手のひらになんて書くかわからないから。
すると、大森君から肩をたたかれた。
ビクッとしながらも、恐る恐る目を開けた。
すると、手のひらに「こんな僕を好きになってくれてありがとう。僕も結輝さんが好きだよ」と、書いてあった。
涙が溢れ出す。
大森君は心配して、私を抱きしめてくれた。
大森君の字は、やっぱり自信のある堂々とした字だった。
私の方が頼りないじゃん。
耳が聞こえなくたって良い。
言葉が相手に伝わらなくたっていい。
相手のことをどう思っているかが大切なのだと、私は知った。
ー次の日ー
「行ってきます!」
いつもと同じ道、いつもと同じ景色。
何もかもがいつもと変わらない今日が特別な日に思えるのは、きっと私だけだろう。
私は大森君、いいや、悠斗君が大好きだ!
ーあとがきー
障害者にも、他の人と同じように自分の「思い」があります。
それを伝えることは、とても難しいことです。
皆さんの周りに、障害者はいますか?
いるのであれば、その人のことを大切にしてあげてください。
愛してあげてください。
それが、私達にできることだと、私は思っています。
結晶さん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2024年1月30日みんなの答え:6件
家からちょっと距離がある学校に通っているので、電車で毎日登校している。
今日もいつも通り、学校に行くための準備をしていた。
「そういえば今日、同級生で転校生が来るって言ってたっけ」
先生の話によれば、転校生は障害があるので、別の教室で授業をうけることになっているのだそう。
いつも通り、朝早くから家を出て、朝日がのぼろうとしている景色を見ながら歩いていた。
電車に乗る。
いつもと同じだ。
「なんかないかなぁ。」
学校には、余計なものは持ってきてはいけない。
なので、電車では暇だ。
一つ先の駅で、見たことのない学生が電車に乗った。
「かっこいい。」
思わず、心の中で思っていたことを口にしてしまった。
よく見れば、同じ学校の制服。
誰だろう?
彼はこちらを見向きもせずに、席に座った。
あれ、でもそこの席って、障害者優先じゃない?
まぁ、いっか。
電車を降りてから、いつもの道を歩いていく。
そして後ろにはさっきの男子高校生。
思い切って声をかけてみようかな。
「あの、何年生なんですか?」
無反応。
いや無視かいっ!
これ以上声をかけるのはあまりよろしくないだろうと思い、さっきよりも速歩きで学校に向かった。
ー学校にてー
はーい、席について。
昨日話した通り、転校生が来た。
みんなに自己紹介をしてもらおう。入ってきていいぞ。
男子生徒だ。
でも、どっかで見たことがある気がする。
「彼は、耳が聞こえない。なので、代わりに先生が紹介する。転校生の大森悠斗だ。みんな仲良くするように。」
女子が騒ぎ出す。
「え!かっこよくない!」
「高身長で、イケメンって!やばくない!」
でも、中にはこんな事を言う人もいた。
「耳が聴こえないんじゃあ、会話もろくにできないや。」
「手話なんてできないっつーの!」
休み時間、大森君に会いに行きたかったけど…
流石はあのイケメン。
教室の前に女子の行列できてやがる…
「諦めよう」
下校時間、何故か正門の前に大森くんがいた。
手を振っている。
念のため、周りを確認する。
誰もいない。
私に手を振ってるの?
小さく手を振った。
すると、彼はニコリと笑って、ペンケースからペンを取り出し、手になにか書きはじめた。
「登校するとき、電車一緒だったね。帰りも一緒に良いかな?」
そうだ!見覚えがあると思ったら、登校中の電車で一緒になったあの人だ!
私は思いっきり頷いた。
いつもの下校は一人。
でも今日は二人。
でも、話せないから…
ただただ笑うことしかできなかった。
ー数カ月後ー
最近、私は大森君のことがすごく気になっている。
思い切って、今日の帰りに告白しようかな。
ー下校時間ー
今日も、いつも通り大森君と一緒に帰る。
でも、いつもよりドキドキしていた。
今しかない!
そう思って私は、自分のペンケースの中からペンを取り出し、自分の手のひらに、自信のない小さな文字で「好きです。付き合ってください」と書いた。
大森君の肩をたたいて、自分の手のひらを恐る恐る見せる。
目が開けられない。
大森君が、手のひらになんて書くかわからないから。
すると、大森君から肩をたたかれた。
ビクッとしながらも、恐る恐る目を開けた。
すると、手のひらに「こんな僕を好きになってくれてありがとう。僕も結輝さんが好きだよ」と、書いてあった。
涙が溢れ出す。
大森君は心配して、私を抱きしめてくれた。
大森君の字は、やっぱり自信のある堂々とした字だった。
私の方が頼りないじゃん。
耳が聞こえなくたって良い。
言葉が相手に伝わらなくたっていい。
相手のことをどう思っているかが大切なのだと、私は知った。
ー次の日ー
「行ってきます!」
いつもと同じ道、いつもと同じ景色。
何もかもがいつもと変わらない今日が特別な日に思えるのは、きっと私だけだろう。
私は大森君、いいや、悠斗君が大好きだ!
ーあとがきー
障害者にも、他の人と同じように自分の「思い」があります。
それを伝えることは、とても難しいことです。
皆さんの周りに、障害者はいますか?
いるのであれば、その人のことを大切にしてあげてください。
愛してあげてください。
それが、私達にできることだと、私は思っています。
結晶さん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2024年1月30日みんなの答え:6件
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素敵なお話 作中に出てくる言葉がどれも優しくて、優しい気持ちになれるお話でした。
あとがきの言葉もとても大切さが伝わる良い文で、本当に感動しました。
作者さんには、その気持ちをこれからもどうか持っていてほしいです。変な目線からすみません。
今の友達が聴覚障害を持っているんです。生まれつき片方だけがとくに聞こえづらいらしく、いつも左側に私がいて、そういうちょっとの配慮でその、ね。そういうことなんです。どう言えば良いか分かんないですけど、過度に配慮とかでなくてもいいので、なんか、ね。ありきたりな言葉なんですけど本当。だから言うの辞めます。
Leionさん(群馬・15さい)からの答え
とうこう日:2024年4月3日 -
ちょっと気になる点が… 本題へごぉ!
いくつか気になる点がありますよぉ!(上から目線ですいません)
ahaさんのことも確かにーと思ったし、
先生の台詞『入ってきていいぞ。』は先生が青森くんが耳が聞こえないのを知っていたら、言わないし(青森くんが)入ってこないと思います。
もし違ったらごめんなさい!
〈ここからは悪口的です。読まない方がいいです〉
あとは筆談は手ではなくメモやスケッチブックに書いた方がいいのでは…? ちょこみんとさん(神奈川・11さい)からの答え
とうこう日:2024年4月3日 -
いいお話だった…! こんちゃっ(^^♪花凜だっちゃヾ(*。・ ω < 。*) ノ゙
☆*: .。. o本題o .。.:*☆
いいお話だった…!
実は、私自身が障害者で、「自閉スペクトラム症」という発達障害を持っているの。
障害者側として、すごく感動した…!
読んでくれてありがとう(*'ω'*)ばいちゃっ(^^♪ 花凜*かりん*#ふぬっている奴#失恋したさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2024年4月3日 -
めっちゃいいお話 こんちゃ!チョコだよ
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
このお話めっちゃいい話だね!
好きになったよ!
ばいちゃ♪───O(≧∇≦)O────♪ チョコさん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2024年4月3日 -
ステキです みずだよー!よろしく!
とてもステキな話だった!
ふたりとも心優しき人だっ!
きれいな話だったよ〜!すごい! みずさん(長野・12さい)からの答え
とうこう日:2024年4月3日 -
とってもいい! 話はとってもいいと思います!
でも、障害者優先席について気になりました。
優先席は、優先なので該当する方がいなければ座ってもいいのでは?と思ってしまいました!
ahaさん(愛知・14さい)からの答え
とうこう日:2024年4月3日
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