呪い恨み怒り開放喜び死あわせ
6月28日午前八時六分、私の母が死んだ。
「美樹(みき)おはよう〜」
私は美樹、先月母をなくしたばかりだ。死因は頭部外傷。詳しい話は聞いていない。なぜなら、私が母の死を目前としたとき、ショックで倒れてしまったからである。覚えていることは、血まみれで母が目の前で倒れていたことだけだ。それ以外のことは何も覚えていない。気づいたら精神科病棟で入院していた。今はある程度精神は回復していて、付添人として看護師である神木(かみき)さんがいるが、何事もなく学校に通えている。
「ねえ美樹?明日から修学旅行だけど、美樹はどうするの?」
「え?あ、ごめん。えっとその分のお金ないかな、、」
私の母がなくなってから、父と連絡が取れていない。どんなに周りの大人に理由を聞いても、誰も答えてくれなかった。
そう、答えてくれなかった。それからのこと、私は親戚のおばさんに引き取られる予定だった。しかし断られてしまった。どこにも宛がなくなった私は、施設で育つことになった。父に逃げられ、引き取りを断られ、施設育ちになった私。当然そんなお金もなく、修学旅行なんか眼中になかった。
「もしかして、またお母さんのこと考えてる?」
親友である柚葉(ゆずは)に言われた。彼女は私の精神のことを深く理解してくれている。私の母は表向きでは病死したことになっている。
「あ、うんごめんまた考えてた。」
「そっか、気晴らしに一緒に買物でも行く?」
「うん、そうするよ。気遣いありがとね」
私はずっと思っていた。母は誰かに殺されたのではないかと。
「原宿とか何年ぶりだろう」
「柚葉この前原宿きたばっかりでしょう?」
「そうだけどさ〜」
「あ、ごめん神木さんから電話かかってきた。出てくるね」
「り」
【はい。美樹ですが。】
【いま原宿ですけど。大丈夫ですよ、柚葉も一緒にいるので。】
【そんな勝手な行動なんて取りませんから。はい。では】
「ごめん、柚葉遅くなったじゃあ続けよう」
母が亡くなってから神木さんがやけに私の様子を気にかけてくる。どこにいるのか、何をするのか、勝手な行動をするなとか。まるで私が赤ちゃんかのように。
「きゃあああああ。通り魔よ!通り魔!」
女性の悲鳴とともに、なにか黒いものがこちらに走ってくるのが見えた。
「柚葉危ない!」
ドンッ
暖かい感触がある。目の前が二重に見える。自分の鼓動だけが聞こえる。
「美樹っ!聞こえる?!」
ああ。柚葉。私は今どうなってるの?私は今。
血まみれの服と、腹部に刺さった刃物。それを見た瞬間私の記憶に母の残酷な死がよぎった。
ゴンッという音とともに、頭部からたくさんの血が溢れ、苦しそうに悶える母の姿。その前になにか。なにか。何があったんだ。
誰が母を殺した?
「私が母を殺した」
不敵な笑みを浮かべた私は、今までのことをすべて思い出した。
母を殺したのは私だ。
いつもいつも私のためだと、あれこれ差詰をする。時には罵声を。時には暴力を。それでも最後は暖かい表情で私を抱きしめながら言う。
「あなたは私の自慢の娘よ。愛してる」と。
あの日耐えきれなくなった私は、母を突き飛ばし殺した。
「なんで、、、、?」
あのときの母の言葉が頭によぎる。
「私は開放されたのよ。あんたの呪いから自分の手で。」
不敵の笑みを浮かべながら私はつぶやいていた。そう。満面の笑みで。私から逃げた父も、私を引き取らなかった親戚も、真実を話さなかった周りの人たちも。皆私が殺人鬼であるのを知っていたから。知っていたから。目を背けたんだ。私から。
「美樹!今から救急車を呼ぶからね!待っててね!」
柚葉ごめんね。私は多分死ぬ。でも、この手で呪いを打ち破ることができたから。私は幸せだよ。
「柚葉。わたし、、は。し、、、あわ、」
読んでくれてありがとう!短編小説だから、少し展開はやめだったかも。
アドバイス、感想等あったら教えてね! 学生さん(神奈川・14さい)からの相談
とうこう日:2024年3月6日みんなの答え:1件
「美樹(みき)おはよう〜」
私は美樹、先月母をなくしたばかりだ。死因は頭部外傷。詳しい話は聞いていない。なぜなら、私が母の死を目前としたとき、ショックで倒れてしまったからである。覚えていることは、血まみれで母が目の前で倒れていたことだけだ。それ以外のことは何も覚えていない。気づいたら精神科病棟で入院していた。今はある程度精神は回復していて、付添人として看護師である神木(かみき)さんがいるが、何事もなく学校に通えている。
「ねえ美樹?明日から修学旅行だけど、美樹はどうするの?」
「え?あ、ごめん。えっとその分のお金ないかな、、」
私の母がなくなってから、父と連絡が取れていない。どんなに周りの大人に理由を聞いても、誰も答えてくれなかった。
そう、答えてくれなかった。それからのこと、私は親戚のおばさんに引き取られる予定だった。しかし断られてしまった。どこにも宛がなくなった私は、施設で育つことになった。父に逃げられ、引き取りを断られ、施設育ちになった私。当然そんなお金もなく、修学旅行なんか眼中になかった。
「もしかして、またお母さんのこと考えてる?」
親友である柚葉(ゆずは)に言われた。彼女は私の精神のことを深く理解してくれている。私の母は表向きでは病死したことになっている。
「あ、うんごめんまた考えてた。」
「そっか、気晴らしに一緒に買物でも行く?」
「うん、そうするよ。気遣いありがとね」
私はずっと思っていた。母は誰かに殺されたのではないかと。
「原宿とか何年ぶりだろう」
「柚葉この前原宿きたばっかりでしょう?」
「そうだけどさ〜」
「あ、ごめん神木さんから電話かかってきた。出てくるね」
「り」
【はい。美樹ですが。】
【いま原宿ですけど。大丈夫ですよ、柚葉も一緒にいるので。】
【そんな勝手な行動なんて取りませんから。はい。では】
「ごめん、柚葉遅くなったじゃあ続けよう」
母が亡くなってから神木さんがやけに私の様子を気にかけてくる。どこにいるのか、何をするのか、勝手な行動をするなとか。まるで私が赤ちゃんかのように。
「きゃあああああ。通り魔よ!通り魔!」
女性の悲鳴とともに、なにか黒いものがこちらに走ってくるのが見えた。
「柚葉危ない!」
ドンッ
暖かい感触がある。目の前が二重に見える。自分の鼓動だけが聞こえる。
「美樹っ!聞こえる?!」
ああ。柚葉。私は今どうなってるの?私は今。
血まみれの服と、腹部に刺さった刃物。それを見た瞬間私の記憶に母の残酷な死がよぎった。
ゴンッという音とともに、頭部からたくさんの血が溢れ、苦しそうに悶える母の姿。その前になにか。なにか。何があったんだ。
誰が母を殺した?
「私が母を殺した」
不敵な笑みを浮かべた私は、今までのことをすべて思い出した。
母を殺したのは私だ。
いつもいつも私のためだと、あれこれ差詰をする。時には罵声を。時には暴力を。それでも最後は暖かい表情で私を抱きしめながら言う。
「あなたは私の自慢の娘よ。愛してる」と。
あの日耐えきれなくなった私は、母を突き飛ばし殺した。
「なんで、、、、?」
あのときの母の言葉が頭によぎる。
「私は開放されたのよ。あんたの呪いから自分の手で。」
不敵の笑みを浮かべながら私はつぶやいていた。そう。満面の笑みで。私から逃げた父も、私を引き取らなかった親戚も、真実を話さなかった周りの人たちも。皆私が殺人鬼であるのを知っていたから。知っていたから。目を背けたんだ。私から。
「美樹!今から救急車を呼ぶからね!待っててね!」
柚葉ごめんね。私は多分死ぬ。でも、この手で呪いを打ち破ることができたから。私は幸せだよ。
「柚葉。わたし、、は。し、、、あわ、」
読んでくれてありがとう!短編小説だから、少し展開はやめだったかも。
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とうこう日:2024年3月6日みんなの答え:1件
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すご……… こんにちは!おとって読みます響です!
真実が全て繋がっててめっちゃ面白かったです!!
短編小説なのにこんなに面白さを詰め込めるなんてすごい……。
長編でも読みたいです……!絶対神作!!
これからも小説書くの頑張ってください!!!応援してます!! 響 おとさん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2024年5月11日
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