悪の正義と正義の悪
作・さやえんどぉ
―――この星は地球よりも、遥かに技術が進歩しているジャスティス星―――
「お前たち、また正義ごっこをしているのか。」
ジャスティス星のアリィー王の声が部屋に響く。
「うん!だって正義ってかっこいいんだもん!」
「そうだよ、お父さん!お父さんも一緒に正義ごっこやろうよ!」
二つの似た声がアリィー王に負けまいとまた響いた。
二つの似た声の正体はアリィー王の子で双子の、バイズとヴァーチャーだった。
「…私は仕事がある。お前たちだけで遊んでおけ!」
バイズとヴァーチャーは顔を見合わせた。
「ねえ、ヴァーチャーってお父さんに何かした?」
「うーん、何もしたつもりはないけどなぁ」
六歳のバイズとヴァーチャーは父の仕事をイマイチ理解していなかった。
アリィー王はもちろん地球で言う政府を支配しているというのもあるが、もう一つの役目がある。
それは『悪をこの世から消す』という役目だった。
当然父にそんな役目があると知らないバイズとヴァーチャーは父の罵声の理由を考え続けていたのだった。
十五年後アリィー王が亡くなり、王は二十歳のヴァーチャーに交代した。
ヴァーチャー王はアリィー前王が亡くなる直前に王の役目として『悪をこの世から消す』という役目があると聞かされて目の前が暗くなった。
悪側の奴にもそれなりの理由があるはずなのに、問答無用で消さなければいけないと聞いたからだ。
その王になった日から、ヴァーチャー王の優しく明るい心は、優しいながら暗い心になっていた―――
今、ヴァーチャー王の心の暗い部分が暴走し始めている。
ヴァーチャーの双子、バイズは王に選ばれなかった事をきっかけに心は悪に侵食されていっていた。
しかし、昔の優しい心が残っていたために、完全に悪に支配されているわけではなかった。
ジャスティス星の人々は、いつからかバイスを悪の正義とヴァーチャー王を正義の悪と呼ぶようになっていた。
そのまた二年後こっそりと悪いことをしていたバイズがヴァーチャー王に見つかっていた。
指名手配されていたバイズの住み家がヴァーチャー王に突き止められたのだ。
ヴァーチャー王の兄弟だということもあり、ヴァーチャー王は兵と一緒に現場に向かうことにした。
「バイズよ、ただちに悪さを辞めよ、でなければお前を消すことになるぞ」
「うるせぇ、お前に俺を消すことなんてできやしないんだ!」
「バイズ、お前は知らないだろうが…」
ヴァーチャー王は王の第二の役目のことをすべて話した。
「嘘つけ!ヴァーチャー!」
「嘘ではない お前が罪を認めなければ、お前はこの世から消えるぞ 良いのか?」
「俺は、俺は、おれ…は…」
バイズは自分のしていたことが分かっていなかった。
だが心のどこかで、そんな事をしていて良いのか、とバイズ自身のわずかな良心が食い止めていたのであった。
「俺は、、悪いことをするつもりだった…でも、出来なかった。
俺は王の子の出来損ないだ… まさに悪の正義かもしれないな。 ヴァーチャー俺を消してくれ。」
「本当は見逃したいところだが…父は悪は問答無用で消さなければいけないとおっしゃったからな。
仕方がない。許してくれ。バイズよ。」
八年間の刑務所生活の後30XX年17月43日ジャスティス星にて、バイズ死刑。
最初は『悪の正義』だと謳っていたジャスティス星の人々も悲しんだ。
今や三十歳にもなったヴァーチャー王は時々つぶやく。
「悪の正義と正義の悪、か… バイズ、許せ。」
ここまで読んでくれてありがとうございました!
まず、30XX年17月43日というのはジャスティス星の設定です。
バイズ・・・日本語で悪
ヴァーチャー(王)・・・日本語で善
アリィー(王)・・・日本語で味方
ジャスティス(星)・・・日本語で正義
という意味を込めています。
ぜひ、感想をつぶやいて(?)みて下さい! さやえんどぉさん(千葉・11さい)からの相談
とうこう日:2024年3月7日みんなの答え:1件
―――この星は地球よりも、遥かに技術が進歩しているジャスティス星―――
「お前たち、また正義ごっこをしているのか。」
ジャスティス星のアリィー王の声が部屋に響く。
「うん!だって正義ってかっこいいんだもん!」
「そうだよ、お父さん!お父さんも一緒に正義ごっこやろうよ!」
二つの似た声がアリィー王に負けまいとまた響いた。
二つの似た声の正体はアリィー王の子で双子の、バイズとヴァーチャーだった。
「…私は仕事がある。お前たちだけで遊んでおけ!」
バイズとヴァーチャーは顔を見合わせた。
「ねえ、ヴァーチャーってお父さんに何かした?」
「うーん、何もしたつもりはないけどなぁ」
六歳のバイズとヴァーチャーは父の仕事をイマイチ理解していなかった。
アリィー王はもちろん地球で言う政府を支配しているというのもあるが、もう一つの役目がある。
それは『悪をこの世から消す』という役目だった。
当然父にそんな役目があると知らないバイズとヴァーチャーは父の罵声の理由を考え続けていたのだった。
十五年後アリィー王が亡くなり、王は二十歳のヴァーチャーに交代した。
ヴァーチャー王はアリィー前王が亡くなる直前に王の役目として『悪をこの世から消す』という役目があると聞かされて目の前が暗くなった。
悪側の奴にもそれなりの理由があるはずなのに、問答無用で消さなければいけないと聞いたからだ。
その王になった日から、ヴァーチャー王の優しく明るい心は、優しいながら暗い心になっていた―――
今、ヴァーチャー王の心の暗い部分が暴走し始めている。
ヴァーチャーの双子、バイズは王に選ばれなかった事をきっかけに心は悪に侵食されていっていた。
しかし、昔の優しい心が残っていたために、完全に悪に支配されているわけではなかった。
ジャスティス星の人々は、いつからかバイスを悪の正義とヴァーチャー王を正義の悪と呼ぶようになっていた。
そのまた二年後こっそりと悪いことをしていたバイズがヴァーチャー王に見つかっていた。
指名手配されていたバイズの住み家がヴァーチャー王に突き止められたのだ。
ヴァーチャー王の兄弟だということもあり、ヴァーチャー王は兵と一緒に現場に向かうことにした。
「バイズよ、ただちに悪さを辞めよ、でなければお前を消すことになるぞ」
「うるせぇ、お前に俺を消すことなんてできやしないんだ!」
「バイズ、お前は知らないだろうが…」
ヴァーチャー王は王の第二の役目のことをすべて話した。
「嘘つけ!ヴァーチャー!」
「嘘ではない お前が罪を認めなければ、お前はこの世から消えるぞ 良いのか?」
「俺は、俺は、おれ…は…」
バイズは自分のしていたことが分かっていなかった。
だが心のどこかで、そんな事をしていて良いのか、とバイズ自身のわずかな良心が食い止めていたのであった。
「俺は、、悪いことをするつもりだった…でも、出来なかった。
俺は王の子の出来損ないだ… まさに悪の正義かもしれないな。 ヴァーチャー俺を消してくれ。」
「本当は見逃したいところだが…父は悪は問答無用で消さなければいけないとおっしゃったからな。
仕方がない。許してくれ。バイズよ。」
八年間の刑務所生活の後30XX年17月43日ジャスティス星にて、バイズ死刑。
最初は『悪の正義』だと謳っていたジャスティス星の人々も悲しんだ。
今や三十歳にもなったヴァーチャー王は時々つぶやく。
「悪の正義と正義の悪、か… バイズ、許せ。」
ここまで読んでくれてありがとうございました!
まず、30XX年17月43日というのはジャスティス星の設定です。
バイズ・・・日本語で悪
ヴァーチャー(王)・・・日本語で善
アリィー(王)・・・日本語で味方
ジャスティス(星)・・・日本語で正義
という意味を込めています。
ぜひ、感想をつぶやいて(?)みて下さい! さやえんどぉさん(千葉・11さい)からの相談
とうこう日:2024年3月7日みんなの答え:1件
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
1件中 1 〜 1件を表示
-
いいね! キュアフレンディです!
いいんじゃない?
すごいよ!
もっと改行して、見やすくしたら、もっといいかも! キュアフレンディさん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2024年5月13日
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
1件中 1 〜 1件を表示
-
- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
- カテゴリごとの新着相談
-
-
- みんなの好きな短歌は?11月29日
-
- 使用時間が増えない01月10日
-
- 相談です01月10日
-
- 清潔感が欲しい01月10日
-
- 受験について(真面目な話です)01月11日
-
- 胸が大きい01月11日
-
- 耳がおかしくなった01月11日
-
- 行きたくない01月10日
-
- 最近一人でいることが多い01月10日
-
- カービィシリーズ好きあつまれー!!01月10日
-
- 逆チョコを渡したいです。01月11日
-
- 髪の毛の件01月10日
-
- 福袋なにか買った?01月10日
-
- あの場所で 〜笑顔と感動の物語〜09月30日
-
- 生理中の服装01月11日
-
いじめで困ったり、ともだちや先生のことで不安や悩みがあったりしたら、一人で悩まず、いつでもすぐ相談してね。
・>>SNSで相談する
・電話で相談する
・>>地元の相談窓口を探す
18歳までの子どものための相談先です。あなたの思いを大切にしながら、どうしたらいいかを一緒に考えてくれるよ。