悪魔
《悪魔の出現から三日、被害はさらに拡大しており…》
《…悪魔の弱点は…見つかった際は…》
「朝からこんなニュース…悪魔、ねぇ」
20XX年、ある日この街に突如として出現した悪魔
悪魔は人を喰らい、人類を根絶やしにすることが目的だそう
で、その最初の侵攻場所がこの街ってわけ
「げっ、もうこんな時間じゃん!遅刻しちゃう…」
朝ごはんを口に詰め込み、カバンを持って学校へ向かった
「マリ!おはよー!!」
「海斗おはよ。早く行かないと遅刻するよ」
「知ってる知ってる!ほら、早く行こ!」
宮野海斗。私の幼馴染で、いっつも遅刻ギリギリ
私も今日はギリギリだから、久々に一緒に登校って感じ
あれ?そう言えば私、名乗ってなかったっけ
私の名前は東堂マリ。忘れないでね
「マリ!早くー!!」
「はいはい、今行くから」
「んー、なんか声聞こえない?」
「なに?風の音で何にも聞こえやしないよ」
「うそ!絶対なんか声してる!オレ聞こえるもん」
「そう?私は何も聞こえないけど」
海斗は何か聞こえると必死に主張するものの、
私はもともと耳があまり良くない上、風が強いために風の音でなにも聞こえない
けれど学校に近づくにつれ、その声はだんだん私にも聞こえてくるほどになっていった
「ちょっと、何この声?学校の方から聞こえる…叫び声が混じってる…?」
校門の前に立ったあたりで、その声ははっきり聞こえるようになった
「えー、なんだろうこの声!オレちょっと行ってくる!」
海斗がそう言って学校へ飛び出した時、思い出したのは朝見たニュースだった
しまった
その時聞こえてきたのは
「っあ"ぁああぁああぁ!!!!」
耳をつんざくような悲鳴。海斗の、海斗の悲鳴
それと同時に、生徒だろうか、先生だろうか
たくさんの人々の叫び声が私の耳へドッと流れ込んできた
「海斗!!!」
自分の身を二の次に、私は校庭へ飛び込んだ
そこにいたのは悪魔と、その悪魔に腕をガブリと噛まれた海斗だった
「マリ、来ないで!来たらマリまで…っ」
「私とかどうでもいいから!早くこっちきて!!」
「マ、マリ…」
海斗は悪魔の腕をどうにか振り払い、
噛まれたところを抑えながら私のところへ走ってきた
幸い腕の傷は致命傷でこそなさそうだが、早く処置するに越したことはない
「腕の傷、危ないかもだから
さっさと保健室で処置してもらって!私のことはほっといていいから」
「でも、マリが…!」
そう海斗が言おうとした瞬間、タイミングを見計らっていた悪魔は私たちの隙をついて
私のの脇腹へと噛みついた
「あがっ…?!」
「マリ!!!」
座り込む私と海斗を見つめ、トドメを指すため悪魔は狙いを定めている
本気で死を覚悟した私の脳裏によぎったのは、走馬灯、そして
《…悪魔の弱点は…見つかった際は…》
朝のニュース
《悪魔の弱点はツノです。見つかった際は
その個体に生えたツノを折ることにより、悪魔の力を無力化できます》
…!!!
「…っ!!」
力を振り絞り体を持ち上げ、悪魔の頭に生えた一本のツノへ手をかける
でも相手は悪魔、もちろん私よりも力が強く、バタバタと動いて抵抗する
私、もうダメかも
その時ツノにもう一つ手が触れた
海斗の手だった
「マリ、同時に力を入れよう!」
「海斗!」
「いくぞ!せーの!」
「「やあっ!!!」」
『グオ"ォオオォオオオォオ!!』
折れたツノと共に倒れ込む私たちの前に、悪魔は弱々しくうずくまり、
時々唸り声を発している
だんだん悪魔の声が弱くなってきた頃、薄く救急車の音が聞こえてきた
どうやら先生が救急車を呼んでくれたようだった
ああ、助かったんだ
目を開けそこにうつったのは白い天井
「東堂さん!起きたんですね!」
医者であろう人が声を上げる
数分後、部屋に家族が入ってきた
「マリ、マリ!よかった、本当によかったわ…!!」
家族に泣かれ喜ばれ大騒ぎな中、しれっとそこにいたのは海斗だった
「海斗?海斗はもう退院したの?」
「オレは退院も何も軽症だったから!手当受けて家帰ったよ。
それよりも!悪魔さ、マリが寝てる間に撲滅されたんだよ!!」
「えっ、嘘?!」
「これで街も平和だな!またいつも通り学校にいけるー!!」
「撲滅されてよかった、本当に…」
数日後、私も退院した
「マリー!!一緒に学校行こうぜー!!」
「はいはーい、そんな叫ばないで、すぐ行くから。」
悪魔のいない平和な街で、海斗と学校へ向かう
「今日は遅刻、しなかったんだね」
「へへ、まあな!やればできるんだよ!」
談笑しながら、またいつも通りの幸せな一日が始まる 名無しさん(愛知・12さい)からの相談
とうこう日:2024年3月13日みんなの答え:4件
《…悪魔の弱点は…見つかった際は…》
「朝からこんなニュース…悪魔、ねぇ」
20XX年、ある日この街に突如として出現した悪魔
悪魔は人を喰らい、人類を根絶やしにすることが目的だそう
で、その最初の侵攻場所がこの街ってわけ
「げっ、もうこんな時間じゃん!遅刻しちゃう…」
朝ごはんを口に詰め込み、カバンを持って学校へ向かった
「マリ!おはよー!!」
「海斗おはよ。早く行かないと遅刻するよ」
「知ってる知ってる!ほら、早く行こ!」
宮野海斗。私の幼馴染で、いっつも遅刻ギリギリ
私も今日はギリギリだから、久々に一緒に登校って感じ
あれ?そう言えば私、名乗ってなかったっけ
私の名前は東堂マリ。忘れないでね
「マリ!早くー!!」
「はいはい、今行くから」
「んー、なんか声聞こえない?」
「なに?風の音で何にも聞こえやしないよ」
「うそ!絶対なんか声してる!オレ聞こえるもん」
「そう?私は何も聞こえないけど」
海斗は何か聞こえると必死に主張するものの、
私はもともと耳があまり良くない上、風が強いために風の音でなにも聞こえない
けれど学校に近づくにつれ、その声はだんだん私にも聞こえてくるほどになっていった
「ちょっと、何この声?学校の方から聞こえる…叫び声が混じってる…?」
校門の前に立ったあたりで、その声ははっきり聞こえるようになった
「えー、なんだろうこの声!オレちょっと行ってくる!」
海斗がそう言って学校へ飛び出した時、思い出したのは朝見たニュースだった
しまった
その時聞こえてきたのは
「っあ"ぁああぁああぁ!!!!」
耳をつんざくような悲鳴。海斗の、海斗の悲鳴
それと同時に、生徒だろうか、先生だろうか
たくさんの人々の叫び声が私の耳へドッと流れ込んできた
「海斗!!!」
自分の身を二の次に、私は校庭へ飛び込んだ
そこにいたのは悪魔と、その悪魔に腕をガブリと噛まれた海斗だった
「マリ、来ないで!来たらマリまで…っ」
「私とかどうでもいいから!早くこっちきて!!」
「マ、マリ…」
海斗は悪魔の腕をどうにか振り払い、
噛まれたところを抑えながら私のところへ走ってきた
幸い腕の傷は致命傷でこそなさそうだが、早く処置するに越したことはない
「腕の傷、危ないかもだから
さっさと保健室で処置してもらって!私のことはほっといていいから」
「でも、マリが…!」
そう海斗が言おうとした瞬間、タイミングを見計らっていた悪魔は私たちの隙をついて
私のの脇腹へと噛みついた
「あがっ…?!」
「マリ!!!」
座り込む私と海斗を見つめ、トドメを指すため悪魔は狙いを定めている
本気で死を覚悟した私の脳裏によぎったのは、走馬灯、そして
《…悪魔の弱点は…見つかった際は…》
朝のニュース
《悪魔の弱点はツノです。見つかった際は
その個体に生えたツノを折ることにより、悪魔の力を無力化できます》
…!!!
「…っ!!」
力を振り絞り体を持ち上げ、悪魔の頭に生えた一本のツノへ手をかける
でも相手は悪魔、もちろん私よりも力が強く、バタバタと動いて抵抗する
私、もうダメかも
その時ツノにもう一つ手が触れた
海斗の手だった
「マリ、同時に力を入れよう!」
「海斗!」
「いくぞ!せーの!」
「「やあっ!!!」」
『グオ"ォオオォオオオォオ!!』
折れたツノと共に倒れ込む私たちの前に、悪魔は弱々しくうずくまり、
時々唸り声を発している
だんだん悪魔の声が弱くなってきた頃、薄く救急車の音が聞こえてきた
どうやら先生が救急車を呼んでくれたようだった
ああ、助かったんだ
目を開けそこにうつったのは白い天井
「東堂さん!起きたんですね!」
医者であろう人が声を上げる
数分後、部屋に家族が入ってきた
「マリ、マリ!よかった、本当によかったわ…!!」
家族に泣かれ喜ばれ大騒ぎな中、しれっとそこにいたのは海斗だった
「海斗?海斗はもう退院したの?」
「オレは退院も何も軽症だったから!手当受けて家帰ったよ。
それよりも!悪魔さ、マリが寝てる間に撲滅されたんだよ!!」
「えっ、嘘?!」
「これで街も平和だな!またいつも通り学校にいけるー!!」
「撲滅されてよかった、本当に…」
数日後、私も退院した
「マリー!!一緒に学校行こうぜー!!」
「はいはーい、そんな叫ばないで、すぐ行くから。」
悪魔のいない平和な街で、海斗と学校へ向かう
「今日は遅刻、しなかったんだね」
「へへ、まあな!やればできるんだよ!」
談笑しながら、またいつも通りの幸せな一日が始まる 名無しさん(愛知・12さい)からの相談
とうこう日:2024年3月13日みんなの答え:4件
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ふぅー ビックリした! M.Mさん(埼玉・10さい)からの答え
とうこう日:2024年5月25日 -
天才かよっっっっ! すっっごくいい小説でした!悪魔を主人公が退治するって言うのがいい!ハッピーエンドでよかったああああ!!!!!!!! ミントアイスさん(大阪・10さい)からの答え
とうこう日:2024年5月21日 -
ハッピーエンドで良かった! キュアフレンディです!
ハッピーエンドで良かったです!
すっごいうまいですね! キュアフレンディさん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2024年5月20日 -
スゴ‼? 同じ12歳だと思わないくらいクオリティ高い!
うらやましい(#°Д°) ゆむ。さん(千葉・12さい)からの答え
とうこう日:2024年5月19日
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- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
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