桜の季節は。
小さい頃から、臆病だった。
臆病だから、みんなに合わせた。
こんな自分がわからなかったが、なんとなく、「合わせてさえいればいい」
と、自分を納得していた。
みんな笑顔だった。嬉しかった。
でも、なぜか虚しさは残った。
桜の季節が私を包む。
私の名前は、後藤真奈。
いつもより教室は騒がしく、落ち着かない。
「ねえ、昨日のさ、テレビで〇〇グループ、賞取ってたよねー!」
「そうそう!!〇〇グループ、好きだから嬉しいー!」
私の周りには、いつも人がいる。
同じクラスの、友花と奈々だ。
「あ、、、ごめん、私、知らないや」
私がそう言うと、二人は、「え」と、私を見た。
、、、、。
虚しい。
私は何も知らない。
そもそもアイドルグループなんて興味ない。
(録画しとかないとなあ)
「見てみて!!このキーホルダー可愛くない?」
「かわいー!」
「おそろにしよー!!」
「え。」
菜々が持っているのは、薄いピンクのハートに、猫の耳がついている、宝石のようなキーホルダーだった。
「どうしたの、真美」
「あっ、、ごめん。ぼーっとしてて。、、買おっか!」
私は笑顔を作る。
「偽り」とは少し違う、不思議な笑顔。
そんなこんなで。
興味がないアイドルグループをチェックして。
趣味じゃない変なキーホルダーを買って。
私は合わせて、
合わせ続ける。
その先に、何かあるのかもわからないまま。
でも、これでいいんだ。
これが臆病な私のやり方だから。
「ねえ。真美ってさ、本音とかって、あんま言わないよね」
「わかる。なんか、合わせてるって言うかさー」
ある日、奈々と友花が、こんな会話をしていた。
「合わせてる」か、、。
「あはは、、やだなあ、合わせてなんかないって」
私は苦笑しながら、移動教室へと向かう。
「ふうん」
奈々と友花は、わざとらしくため息をつく。
「あ!そうだ!今日さ、校門裏で、イン◯タ撮ろーよ!」
「お、いいねー!」
「え、、」
イン◯タ、、。
校則違反じゃん。
何が、「いいねー」なのよ、、
「私はいいかなー、、。先生に叱られるの嫌だし?」
私は本音っぽい理屈みたいなのを二人にいった。
「え、別に、バレなきゃ良くない?」
「そうだよ」
「え、、でもさ、、」
私が言おうとした時、
「はああ、」と、奈々と友花が、深いため息をついた。
「何それ、ノリ悪」
「もういいよ、2人で撮るし」
「あ、、」
2人で、、
3人組で、一番聞きたくないワードだ。
「そっか」
私はボソッと呟く。
「いこ、奈々」
そうして2人は、私を置いて、2人で移動教室へと向かった。
悲しかった。
でも、過去は戻らない。
「こら、お前らだろ、校門裏で、イン◯タ取っていた生徒は!他の生徒から、先生に伝えてきたぞ!」
翌朝、職員室で、2人の姿を見かけた。
、、、ほら、やっぱ怒られた。
でも、もう私には関係ないんだ、、。
「ねえちょっと、」
私が教室に行こうとしたその時、
誰かが私の肩を掴む。
「え、、」
奈々と、友花が、こちらを睨んでいた。
「真美、アンタが、先生にちくったんでしょ?」
「ほんと、まじで意味わかんない」
、、、、、、
は?
「え、何、、?私、チクってなんかっ、、」
「うざ」
「最低」
2人はそういうと、ツカツカと教室へと戻って行った。
「え、、」
なんで?
そっか。
違うんだ。
なんででもない。
私が、、、
「違うよ、私は悪くない、、。私は悪くないのにっ、、」
奈々たちが、勝手に決めつけてただけなんだ、!!
「なんでよ、なんでよ、、っ、、」
友情なんか、、
あるはずもない。
私は、、、、、、バカなんだ。
私は、、臆病なんだ。
私は、、
そう思うと、急に足の力が抜けて。
目から涙が溢れ出す。
「あ、あの!大丈夫ですか、、?」
「へ、、」
目の前には、小柄な女の子が立っていた。
心配そうな顔をして。
多分、中等部の子だろう。
「あ、ごめんね、、!ここ、そっか、、廊下だもんねっ」
私は、真っ赤に腫れる目を、無理やり拭って、
急いで立とうとした。
何やってるんだ、、 私は。
「あの、先輩っ、え、えとっ、その、、」
「、、、」
ああ、
きっと私はひどい顔をしているだろう。
ほんと、バカ。
スッと、目元に違和感が走る。
石鹸の香りが広がる。
、、
暖かい。
「これ、お母さんが作ってくれた、ハンカチなんです。、不思議で、嫌なことを、忘れられるんです。」
その子は、変ですよね、と笑う。
そっか。
私は大事なことを、忘れていたかも。
「ありがとう。」
呪いのような、「友情」に、
一つ、光が入った気がして。
臆病な私はそのままゆっくり立ち上がった。
きなこもちさん(東京・12さい)からの相談
とうこう日:2024年3月26日みんなの答え:1件
臆病だから、みんなに合わせた。
こんな自分がわからなかったが、なんとなく、「合わせてさえいればいい」
と、自分を納得していた。
みんな笑顔だった。嬉しかった。
でも、なぜか虚しさは残った。
桜の季節が私を包む。
私の名前は、後藤真奈。
いつもより教室は騒がしく、落ち着かない。
「ねえ、昨日のさ、テレビで〇〇グループ、賞取ってたよねー!」
「そうそう!!〇〇グループ、好きだから嬉しいー!」
私の周りには、いつも人がいる。
同じクラスの、友花と奈々だ。
「あ、、、ごめん、私、知らないや」
私がそう言うと、二人は、「え」と、私を見た。
、、、、。
虚しい。
私は何も知らない。
そもそもアイドルグループなんて興味ない。
(録画しとかないとなあ)
「見てみて!!このキーホルダー可愛くない?」
「かわいー!」
「おそろにしよー!!」
「え。」
菜々が持っているのは、薄いピンクのハートに、猫の耳がついている、宝石のようなキーホルダーだった。
「どうしたの、真美」
「あっ、、ごめん。ぼーっとしてて。、、買おっか!」
私は笑顔を作る。
「偽り」とは少し違う、不思議な笑顔。
そんなこんなで。
興味がないアイドルグループをチェックして。
趣味じゃない変なキーホルダーを買って。
私は合わせて、
合わせ続ける。
その先に、何かあるのかもわからないまま。
でも、これでいいんだ。
これが臆病な私のやり方だから。
「ねえ。真美ってさ、本音とかって、あんま言わないよね」
「わかる。なんか、合わせてるって言うかさー」
ある日、奈々と友花が、こんな会話をしていた。
「合わせてる」か、、。
「あはは、、やだなあ、合わせてなんかないって」
私は苦笑しながら、移動教室へと向かう。
「ふうん」
奈々と友花は、わざとらしくため息をつく。
「あ!そうだ!今日さ、校門裏で、イン◯タ撮ろーよ!」
「お、いいねー!」
「え、、」
イン◯タ、、。
校則違反じゃん。
何が、「いいねー」なのよ、、
「私はいいかなー、、。先生に叱られるの嫌だし?」
私は本音っぽい理屈みたいなのを二人にいった。
「え、別に、バレなきゃ良くない?」
「そうだよ」
「え、、でもさ、、」
私が言おうとした時、
「はああ、」と、奈々と友花が、深いため息をついた。
「何それ、ノリ悪」
「もういいよ、2人で撮るし」
「あ、、」
2人で、、
3人組で、一番聞きたくないワードだ。
「そっか」
私はボソッと呟く。
「いこ、奈々」
そうして2人は、私を置いて、2人で移動教室へと向かった。
悲しかった。
でも、過去は戻らない。
「こら、お前らだろ、校門裏で、イン◯タ取っていた生徒は!他の生徒から、先生に伝えてきたぞ!」
翌朝、職員室で、2人の姿を見かけた。
、、、ほら、やっぱ怒られた。
でも、もう私には関係ないんだ、、。
「ねえちょっと、」
私が教室に行こうとしたその時、
誰かが私の肩を掴む。
「え、、」
奈々と、友花が、こちらを睨んでいた。
「真美、アンタが、先生にちくったんでしょ?」
「ほんと、まじで意味わかんない」
、、、、、、
は?
「え、何、、?私、チクってなんかっ、、」
「うざ」
「最低」
2人はそういうと、ツカツカと教室へと戻って行った。
「え、、」
なんで?
そっか。
違うんだ。
なんででもない。
私が、、、
「違うよ、私は悪くない、、。私は悪くないのにっ、、」
奈々たちが、勝手に決めつけてただけなんだ、!!
「なんでよ、なんでよ、、っ、、」
友情なんか、、
あるはずもない。
私は、、、、、、バカなんだ。
私は、、臆病なんだ。
私は、、
そう思うと、急に足の力が抜けて。
目から涙が溢れ出す。
「あ、あの!大丈夫ですか、、?」
「へ、、」
目の前には、小柄な女の子が立っていた。
心配そうな顔をして。
多分、中等部の子だろう。
「あ、ごめんね、、!ここ、そっか、、廊下だもんねっ」
私は、真っ赤に腫れる目を、無理やり拭って、
急いで立とうとした。
何やってるんだ、、 私は。
「あの、先輩っ、え、えとっ、その、、」
「、、、」
ああ、
きっと私はひどい顔をしているだろう。
ほんと、バカ。
スッと、目元に違和感が走る。
石鹸の香りが広がる。
、、
暖かい。
「これ、お母さんが作ってくれた、ハンカチなんです。、不思議で、嫌なことを、忘れられるんです。」
その子は、変ですよね、と笑う。
そっか。
私は大事なことを、忘れていたかも。
「ありがとう。」
呪いのような、「友情」に、
一つ、光が入った気がして。
臆病な私はそのままゆっくり立ち上がった。
きなこもちさん(東京・12さい)からの相談
とうこう日:2024年3月26日みんなの答え:1件
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感動した... |ω・`)ノ ヤァ
アイちゃんだよ!
――――――☆START☆――――――
すごい!
ほんとに同い年?
あたしこんな話かけないよ。
尊敬してる!
めっちゃ感動した!
これからもいろんなお話書いてね!
――――――☆FINISH☆―――――― アイちゃんさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2024年6月3日
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