知らない合い
私、中学2年生の天唯渚(あまゆいなぎさ)は、勉強のライバルがいる。
その相手は、勉強の神とも言われる、同級生男子の海藤陸斗(かいどうりくと)だ。
小学生の頃は、唯一異性で仲が良い男子が陸斗だったのに、中学生になってから学年トップになって。
まぁまぁイケメンで、モテて、みんなの前で褒め称えられて、輝いて。
私は学年二位だけど…
…学年トップじゃなきゃ、輝けないんだ。
ただの自分勝手なことは分かってる。だけど、どうしても、怒りが抑えきれなくて…
…避けてしまうんだ。
「渚」
委員会をやっと終え、教室で夕焼けに染まる青空を見ながら一人で帰りの用意を急いでしていると、教室のドアの方から声が聞こえた。
「あ…」
チラ見をすると、そこには、私のライバル、陸斗がいた。
私は、無理だとは思いながらも、気づいてないフリをした。
「渚…なんで無視するんだよ」
「…」
「渚!前は一緒に遊んでただろ…前は一緒に帰ってただろ…なぁ、渚。俺…」
「だから何よ」
私は、思いっ切り冷たい口調で返してしまった。
いつものクールな陸斗とは違う、すごく悲しそうな陸斗だ。
すると陸斗は、急に真剣な顔になって、私のそばまで歩いてきて、言った。
「渚。俺、お前の事が好きなんだ。」
「…は?」
嘘に決まっている。私を試そうとしているだけだ。私はそう心の中で繰り返して、なんとか振り切った。
「だから…付き合ってくれよ。」
私に怒りが走った。私からトップの座を奪って、私を試して、何が面白いんだよ。
でも、私は冷静になった。流石の陸斗も可哀想だからだ。
「…どうして私が好きなの」
「え、渚は…笑顔が可愛いし…とても…素敵だから。」
私が嫌っているライバルと付き合う?避けてるのは分かってるでしょうが。
「素敵ってどういう意味か知ってる?あなたに敵わないですって意味なんですけど。陸斗は私から勉強のトップの座も奪って、モテて、絶対に私に敵うじゃない。私のこと何も分かってなくて私に酷い目合わせてるだけなのに。なんでそんな嘘つくのよ!」
私は、教室から逃げ出した。
廊下を左に曲がる。
「渚!」
陸斗が追いかけてくる。
私はその時気づいた。靴箱への階段は廊下を右に曲がらないといけない。
でも陸斗が追いかけてきているから戻れない。
私は、近くにあった屋上への扉のドアノブへ手を伸ばした。
「はあ、はあ、はあ」
私は荒い息切れを漏らしていた。
どうせ陸斗はやってくる。
私は陸斗に散々問い詰められて、虐められる。
私は涙が出てきた。陸斗なんて嫌い。大嫌い。
バタン―
「な、渚、こんな所に」
「りっ、陸斗、なんて嫌いだから」
こんなことを急に言うのは結構酷かったかな。
「…ごめん、渚。俺、渚の気持ちがよく分からなかったんだ。小学生の頃から渚が好きで、渚にモテたくて、でも正直成績悪かったから、勉強頑張って、カッコよくなるのに気を使って…頑張っただけなのに、渚の気持ちを知らなくてごめん。本当にごめん。知らない内に渚を傷つけてたなんて…ごめん。」
「陸斗…」
陸斗は泣いていた。小学生の頃にも一度も見たことが無かった。
私は、陸斗が嫌がらせをしていると勝手に思い込んで、自分のために頑張っていたなんて。
「陸斗…泣かないでよ」
「渚も泣いてんじゃん」
「ごめん、陸斗、私、陸斗のこと、すごく嫌ってた。ぐすっ」
「俺もごめんな…」
「陸斗」
「どうした渚?」
「私、陸斗が好き。小学生の頃からずっと好きだったの。大好き、大好き…付き合って。」
「な、渚っっ!!!」
陸斗は涙まみれの私を強く抱きしめた。
「もちろんだよっ…だって渚は、誰にも負けないくらい可愛くて、素敵なんだから。」
いつの間にか夕日が沈み、新月の夜が私たち二人を迎えた。
人も太陽も月も誰も見てない夜の学校の屋上、私たち二人は、抱き合った。 怖斗@fuutoさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2024年3月26日みんなの答え:3件
その相手は、勉強の神とも言われる、同級生男子の海藤陸斗(かいどうりくと)だ。
小学生の頃は、唯一異性で仲が良い男子が陸斗だったのに、中学生になってから学年トップになって。
まぁまぁイケメンで、モテて、みんなの前で褒め称えられて、輝いて。
私は学年二位だけど…
…学年トップじゃなきゃ、輝けないんだ。
ただの自分勝手なことは分かってる。だけど、どうしても、怒りが抑えきれなくて…
…避けてしまうんだ。
「渚」
委員会をやっと終え、教室で夕焼けに染まる青空を見ながら一人で帰りの用意を急いでしていると、教室のドアの方から声が聞こえた。
「あ…」
チラ見をすると、そこには、私のライバル、陸斗がいた。
私は、無理だとは思いながらも、気づいてないフリをした。
「渚…なんで無視するんだよ」
「…」
「渚!前は一緒に遊んでただろ…前は一緒に帰ってただろ…なぁ、渚。俺…」
「だから何よ」
私は、思いっ切り冷たい口調で返してしまった。
いつものクールな陸斗とは違う、すごく悲しそうな陸斗だ。
すると陸斗は、急に真剣な顔になって、私のそばまで歩いてきて、言った。
「渚。俺、お前の事が好きなんだ。」
「…は?」
嘘に決まっている。私を試そうとしているだけだ。私はそう心の中で繰り返して、なんとか振り切った。
「だから…付き合ってくれよ。」
私に怒りが走った。私からトップの座を奪って、私を試して、何が面白いんだよ。
でも、私は冷静になった。流石の陸斗も可哀想だからだ。
「…どうして私が好きなの」
「え、渚は…笑顔が可愛いし…とても…素敵だから。」
私が嫌っているライバルと付き合う?避けてるのは分かってるでしょうが。
「素敵ってどういう意味か知ってる?あなたに敵わないですって意味なんですけど。陸斗は私から勉強のトップの座も奪って、モテて、絶対に私に敵うじゃない。私のこと何も分かってなくて私に酷い目合わせてるだけなのに。なんでそんな嘘つくのよ!」
私は、教室から逃げ出した。
廊下を左に曲がる。
「渚!」
陸斗が追いかけてくる。
私はその時気づいた。靴箱への階段は廊下を右に曲がらないといけない。
でも陸斗が追いかけてきているから戻れない。
私は、近くにあった屋上への扉のドアノブへ手を伸ばした。
「はあ、はあ、はあ」
私は荒い息切れを漏らしていた。
どうせ陸斗はやってくる。
私は陸斗に散々問い詰められて、虐められる。
私は涙が出てきた。陸斗なんて嫌い。大嫌い。
バタン―
「な、渚、こんな所に」
「りっ、陸斗、なんて嫌いだから」
こんなことを急に言うのは結構酷かったかな。
「…ごめん、渚。俺、渚の気持ちがよく分からなかったんだ。小学生の頃から渚が好きで、渚にモテたくて、でも正直成績悪かったから、勉強頑張って、カッコよくなるのに気を使って…頑張っただけなのに、渚の気持ちを知らなくてごめん。本当にごめん。知らない内に渚を傷つけてたなんて…ごめん。」
「陸斗…」
陸斗は泣いていた。小学生の頃にも一度も見たことが無かった。
私は、陸斗が嫌がらせをしていると勝手に思い込んで、自分のために頑張っていたなんて。
「陸斗…泣かないでよ」
「渚も泣いてんじゃん」
「ごめん、陸斗、私、陸斗のこと、すごく嫌ってた。ぐすっ」
「俺もごめんな…」
「陸斗」
「どうした渚?」
「私、陸斗が好き。小学生の頃からずっと好きだったの。大好き、大好き…付き合って。」
「な、渚っっ!!!」
陸斗は涙まみれの私を強く抱きしめた。
「もちろんだよっ…だって渚は、誰にも負けないくらい可愛くて、素敵なんだから。」
いつの間にか夕日が沈み、新月の夜が私たち二人を迎えた。
人も太陽も月も誰も見てない夜の学校の屋上、私たち二人は、抱き合った。 怖斗@fuutoさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2024年3月26日みんなの答え:3件
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
3件中 1 〜 3件を表示
-
すごい! Hello YouTube、かなちゃんねるだよ!(ぼくわたチャンネルのネタを使うな)
本題!
すごいね!感動した!
けど。
けど!
タイトル、「知らない合い」って、
「知らない愛」じゃないですか?
誤字がもったいないです。
気をつけてほしいです!
話は最高でした!
いじょ
かーなちゃっ! かなちゃんねるさん(大阪・12さい)からの答え
とうこう日:2024年6月14日 -
良すぎんか!? こんにちはーー!!#みるく#だよ♪
早速ほんだぁい~
タイトルにもある通り良すぎんか!?
渚と陸斗の恋応援したくなります♪
こんな神話を作れる怖斗さんは天才ですね!
以上#みるく#でした! #みるく#さん(東京・14さい)からの答え
とうこう日:2024年6月4日 -
キュンキュン! おはにちばんわ!虹色花火だよ!
本題
成績が学年トップと二番目で恋かーすごいですね!キュンキュンしました!ありがとうございました! 虹色花火(元花火君、レインボー君)さん(神奈川・11さい)からの答え
とうこう日:2024年6月4日
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
3件中 1 〜 3件を表示
-
- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
- カテゴリごとの新着相談
-
-
- みんなの好きな短歌は?11月29日
-
- 使用時間が増えない01月10日
-
- 相談です01月10日
-
- 清潔感が欲しい01月10日
-
- 受験について(真面目な話です)01月11日
-
- 胸が大きい01月11日
-
- 耳がおかしくなった01月11日
-
- 行きたくない01月10日
-
- 最近一人でいることが多い01月10日
-
- カービィシリーズ好きあつまれー!!01月10日
-
- 逆チョコを渡したいです。01月11日
-
- 髪の毛の件01月10日
-
- 福袋なにか買った?01月10日
-
- あの場所で 〜笑顔と感動の物語〜09月30日
-
- 生理中の服装01月11日
-
いじめで困ったり、ともだちや先生のことで不安や悩みがあったりしたら、一人で悩まず、いつでもすぐ相談してね。
・>>SNSで相談する
・電話で相談する
・>>地元の相談窓口を探す
18歳までの子どものための相談先です。あなたの思いを大切にしながら、どうしたらいいかを一緒に考えてくれるよ。