幸せの黄色い鳥
「青い鳥を見ると、幸せになれる」
僕の村では、こんな噂が流れている。
どうせ誰かが流したデマだろ、僕はいつもそう思っていた。
ただ、僕の親友のアンナは本気で信じているらしくて、毎日森の中へ入って青い鳥を探している。
・・・そんな鳥、いるわけないのに。
僕はなんだかアンナが可哀想になってきた。
・・・そうだ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は、毎日こっそり村を抜け出して、青い鳥を探している。
毎日毎日探しているのに、まったく見つからない。
私が青い鳥を探す理由は、ただひとつ。
大好きな親友のアキとずっといっしょにいたいから。
これが私にとっての幸せ。
だから私は今日も森に行って青い鳥を探す。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕は科学者の父に相談して、体の色を変える薬を一粒だけもらった。
「アキ、言っとくがこれは1日で効果が・・・」
「はいはい、わかったよ!」
僕は父の注意を聞かずに急いで鳥に薬を飲ませた。
「よし、これをこの黄色い鳥に飲ませて・・・」
そうすると、黄色い鳥はたちまち青く染まった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私が今日も森に行こうとすると、向こう側からアキが走ってきた。
「アンナ、君って青い鳥探してたよね?」
「う、うん」
「ほら、見て」
アキはなにやら誇らしげにトリカゴを差し出した。
「・・・?」
私は不思議に思いながらトリカゴを覗いた。
「あっ!」
「青い鳥、僕が捕まえといてあげたよ!」
「わぁーっ!」
「これ、アンナにあげるよ。」
「えっいいの?ありがとう!!」
私はトリカゴを持って家に急いだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日。
私はトリカゴを覗き込んだ。
「えっ?!」
トリカゴの中の鳥は黄色くなっていた。
「・・・?」
私は考え込んでしまった。
あの優しいアキのことだから私を騙したわけではないはずだろう。
私が疑問に思っていると、誰かが家のドアを叩いた。
「はーい」
そこに立っていたのは、アキのお父さんだった。
「アンナちゃん、ごめんな、うちのアキが1日で効果が切れることを知らずに、その黄色い鳥に色が変わる薬を飲ませたみたいだな」
「えっ、そうなんですか?」
「あぁ。アキが謝りたいって。」
「あの・・・、アキは?」
「今、落ち込んでるよ。『喜ばすつもりが、失敗してアンナに申し訳ない』と言って反省していたから、許してやってくれ。」
「いいえ、全然大丈夫。そう伝えといてください。」
「わかった、本当にごめんな、じゃあ。」
私は、全然悲しくなんかなかった。むしろ私を喜ばそうとしてたアキの気持ちが嬉しかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はあああああ・・・アンナ、怒ってるかな」
僕は怖くて代わりに父に謝りに行ってもらっているが、アンナの悲しそうな顔が浮かんできてこっちまで悲しくなってくる。
その時。
「あっ!」
空に、青い鳥が飛んでいた。
「ほ、ほんもの?!」
僕は虫取り網を持って、力強く振った。
鳥は網の中に入った。
僕は素早くトリカゴのなかに入れ、アンナの家に向かった。
「アンナー!」
「アキ!」
「アンナ、昨日はごめん。僕の勘違いで、君に悲しい思いをさせてしまった」
「いいえ、いいのよ」
「で、これ。こ、今度は本物だから!!」
僕はつい興奮して話した。
「えっ、青い鳥?!」
「うん」
「あのね、アキ。私、青い鳥はもういいの。」
「えっ・・・」
「この黄色い鳥がいるから」
「い、いいの?そんな鳥で」
「いいの。アキが私のために捕まえてくれた鳥だから」
静かにそう言って黄色の鳥を見つめたアンナは、なぜか顔を真っ赤にしていた。
恐らく、僕もきっと同じ顔をしていたことだろう。
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以上になります!感想、アドバイスなど、よろしくお願いします! とりっぴーさん(東京・11さい)からの相談
とうこう日:2024年4月4日みんなの答え:1件
僕の村では、こんな噂が流れている。
どうせ誰かが流したデマだろ、僕はいつもそう思っていた。
ただ、僕の親友のアンナは本気で信じているらしくて、毎日森の中へ入って青い鳥を探している。
・・・そんな鳥、いるわけないのに。
僕はなんだかアンナが可哀想になってきた。
・・・そうだ!
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私は、毎日こっそり村を抜け出して、青い鳥を探している。
毎日毎日探しているのに、まったく見つからない。
私が青い鳥を探す理由は、ただひとつ。
大好きな親友のアキとずっといっしょにいたいから。
これが私にとっての幸せ。
だから私は今日も森に行って青い鳥を探す。
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僕は科学者の父に相談して、体の色を変える薬を一粒だけもらった。
「アキ、言っとくがこれは1日で効果が・・・」
「はいはい、わかったよ!」
僕は父の注意を聞かずに急いで鳥に薬を飲ませた。
「よし、これをこの黄色い鳥に飲ませて・・・」
そうすると、黄色い鳥はたちまち青く染まった。
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私が今日も森に行こうとすると、向こう側からアキが走ってきた。
「アンナ、君って青い鳥探してたよね?」
「う、うん」
「ほら、見て」
アキはなにやら誇らしげにトリカゴを差し出した。
「・・・?」
私は不思議に思いながらトリカゴを覗いた。
「あっ!」
「青い鳥、僕が捕まえといてあげたよ!」
「わぁーっ!」
「これ、アンナにあげるよ。」
「えっいいの?ありがとう!!」
私はトリカゴを持って家に急いだ。
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次の日。
私はトリカゴを覗き込んだ。
「えっ?!」
トリカゴの中の鳥は黄色くなっていた。
「・・・?」
私は考え込んでしまった。
あの優しいアキのことだから私を騙したわけではないはずだろう。
私が疑問に思っていると、誰かが家のドアを叩いた。
「はーい」
そこに立っていたのは、アキのお父さんだった。
「アンナちゃん、ごめんな、うちのアキが1日で効果が切れることを知らずに、その黄色い鳥に色が変わる薬を飲ませたみたいだな」
「えっ、そうなんですか?」
「あぁ。アキが謝りたいって。」
「あの・・・、アキは?」
「今、落ち込んでるよ。『喜ばすつもりが、失敗してアンナに申し訳ない』と言って反省していたから、許してやってくれ。」
「いいえ、全然大丈夫。そう伝えといてください。」
「わかった、本当にごめんな、じゃあ。」
私は、全然悲しくなんかなかった。むしろ私を喜ばそうとしてたアキの気持ちが嬉しかった。
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「はあああああ・・・アンナ、怒ってるかな」
僕は怖くて代わりに父に謝りに行ってもらっているが、アンナの悲しそうな顔が浮かんできてこっちまで悲しくなってくる。
その時。
「あっ!」
空に、青い鳥が飛んでいた。
「ほ、ほんもの?!」
僕は虫取り網を持って、力強く振った。
鳥は網の中に入った。
僕は素早くトリカゴのなかに入れ、アンナの家に向かった。
「アンナー!」
「アキ!」
「アンナ、昨日はごめん。僕の勘違いで、君に悲しい思いをさせてしまった」
「いいえ、いいのよ」
「で、これ。こ、今度は本物だから!!」
僕はつい興奮して話した。
「えっ、青い鳥?!」
「うん」
「あのね、アキ。私、青い鳥はもういいの。」
「えっ・・・」
「この黄色い鳥がいるから」
「い、いいの?そんな鳥で」
「いいの。アキが私のために捕まえてくれた鳥だから」
静かにそう言って黄色の鳥を見つめたアンナは、なぜか顔を真っ赤にしていた。
恐らく、僕もきっと同じ顔をしていたことだろう。
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以上になります!感想、アドバイスなど、よろしくお願いします! とりっぴーさん(東京・11さい)からの相談
とうこう日:2024年4月4日みんなの答え:1件
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いい話! おはにちばんわ!虹色花火だよ!
本題
いい話でした!感動!ありがとうございました! 虹色花火(元花火君、レインボー君)さん(神奈川・11さい)からの答え
とうこう日:2024年6月17日
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