漆黒の落ちこぼれ悪魔と、純白の天使。
「・・・任務、失敗、かぁ・・・痛ぁ」
私の名前はリリス。
本名はリファエルって言うんだけど。
私は人間じゃない。
悪魔。
人間を騙し、操る存在。
私は生まれつきの悪魔で、まだまだ半人前。
最初の簡単な任務、小学生を軽く騙し、宿題をさぼらせるという任務を
すぐに失敗した。
私は103歳。
人間と悪魔では時の感じ方が違う。
人間でいうと、中学生、ぐらいかな。
本当は幼稚園で最初に任されるおままごとのような任務を、立派に失敗した。
私は落ちこぼれ。
悪魔の世界から追い出され、
人間の世界への境界を彷徨っている。
トラブルがあり、ケガだらけ。
悪魔界も厳しいものね。
上下関係も厳しいし。
「おい、邪魔だ。どけ」
「スミマセン」
醜い格好に悪魔らしからぬ性格、口調。
才能もないし、なにもない。
こんな私は避けられて当然。
彷徨っているうち、知らない細く薄暗い路地のような場所にたどり着いた。
天使が来なきゃいいけど。
この世界では天使と悪魔は仲が悪い。
というか、天使は優しく接してくれるのに、ずっと昔の悪魔が攻撃をしかけ、反抗し続けたのだ。
いつの間にか亀裂が広がり、天使と会うことも少ない。
だけど、境界ならありえる。
真っ二つに分かれている世界の間だから。
「・・・だいじょ、ぶ、でしゅか?」
子供のような高い声が聞こえた。
「誰だ」
私は低く、暗い声で答え、ドス黒いオーラを出す。
子供なら驚き、逃げていくでしょう。
悪魔らしい口調で話さないと。
「あ、これ変装なんですよ。すみません。大丈夫ですか?悪魔さん」
私は膝にうずめていた顔を上げる。
そこには背中から純白の羽の生えた、優しい顔をした天使がいた。
「私は、悪魔だ。近づくな」
「なんでですか?酷いケガです。手当てしますよ。応急処置ですが」
「このくらい魔法で治せる」
「でも、魔力底ついてるでしょ。魔力の反応がありませんし。仲の悪い悪魔とでもケンカしたんですか?」
「ぐっ、違うわ!」
天使の言う通り、喧嘩をしてできた傷であり、魔力も底をついている。
私には野垂れ死ぬのがお似合いです。
嘲笑われるかと思ったが、案外普通に接してくれる。
「私はアリアです」
「私は、リリスです」
手当てをしてもらい、少し話そう、と、名前を教える。
「敬語つかえたんですね。リファエル様」
「馬鹿にしているのか?って!は?」
アリア、今、リファエルと言ったか?
あからさまに反応してしまった。
気のせい?
「あなた、名前、リリスじゃないでしょう?」
「ナンノ事ダ。私ハ知ラヌ」
リファエル。
この名は私の本名。
だが、悪魔達から本名は決して言うなと口止めされていて、
ばらしたことはない。
「リファエ様。隠す事はないですよ。悪魔なのに嘘が下手ですね〜」
「言うな!気にしているのだ」
「リファエル様、なぜ悪魔の世界で落ちこぼれになり、追い出されたのですか?」
なぜ、落ちこぼれなことを知っているの?
身なりから?
なんでも知られているような気がして、恐ろしい。
「っ、、騙して、宿題をやめさせようとしたのだが、上手くできずな。そのあと、道路に飛び出した子供を助けてしまったのだ。
悪魔にあってはならぬことだろう?反射で、体が勝手に動いたのだ。
気づけば部屋を飛び出し、子供を連れて歩道にいた」
「やはり!私の憶測は正解でしたのですね!」
アリアの顔が輝く。
なに?
「リファエル様、説明をいたします」
「リファエル、という名は、天使たちの間では有名です。理由は天使の世界の伝説のお姫様だからです。とても清い心で、美しい容姿を持っていると。ですが、失踪、誘拐されたのです。生まれて一週間ほど後に。それで今まで悪魔界におられたのですね。納得です。では、一緒に天使になりましょう!」
「何を言っている!私は悪魔だ!私はっ、悪魔でっ。だって、羽も、しっぽも、角だって。。。」
「んふふふ。口調も性格もすべて偽のものでしょう?本当のあなたを知っておりますよ?羽だって、上の悪魔達にそう見えるように魔法をかけられただけです」
「え、え?」
「ほほいのほい」
アリアが軽ーく魔法を使い、私にかけた。
すると、みすぼらしい黒い服はまっさらな白になり、頭に輪が浮かび、純白の羽が生えていた。
しっぽも、つのも、漆黒の翼もない。
ボサボサの髪も金髪のさらさらと揺れる髪になった。
何もかもが違うのに、
違和感はなく、前よりも落ち着いた。
「あなたは天使だったのですよ。優しい気持ちが証拠です」
「そう、だったのね。。。!」
そうして、私は真の天使になり、天使の世界で幸せに暮らしたとさ。
読んでくれてありがとうございます!
初小説です。
誤字、脱字ありましたらごめんなさい! _輝夜姫。かぐやひめ_さん(京都・10さい)からの相談
とうこう日:2024年4月7日みんなの答え:1件
私の名前はリリス。
本名はリファエルって言うんだけど。
私は人間じゃない。
悪魔。
人間を騙し、操る存在。
私は生まれつきの悪魔で、まだまだ半人前。
最初の簡単な任務、小学生を軽く騙し、宿題をさぼらせるという任務を
すぐに失敗した。
私は103歳。
人間と悪魔では時の感じ方が違う。
人間でいうと、中学生、ぐらいかな。
本当は幼稚園で最初に任されるおままごとのような任務を、立派に失敗した。
私は落ちこぼれ。
悪魔の世界から追い出され、
人間の世界への境界を彷徨っている。
トラブルがあり、ケガだらけ。
悪魔界も厳しいものね。
上下関係も厳しいし。
「おい、邪魔だ。どけ」
「スミマセン」
醜い格好に悪魔らしからぬ性格、口調。
才能もないし、なにもない。
こんな私は避けられて当然。
彷徨っているうち、知らない細く薄暗い路地のような場所にたどり着いた。
天使が来なきゃいいけど。
この世界では天使と悪魔は仲が悪い。
というか、天使は優しく接してくれるのに、ずっと昔の悪魔が攻撃をしかけ、反抗し続けたのだ。
いつの間にか亀裂が広がり、天使と会うことも少ない。
だけど、境界ならありえる。
真っ二つに分かれている世界の間だから。
「・・・だいじょ、ぶ、でしゅか?」
子供のような高い声が聞こえた。
「誰だ」
私は低く、暗い声で答え、ドス黒いオーラを出す。
子供なら驚き、逃げていくでしょう。
悪魔らしい口調で話さないと。
「あ、これ変装なんですよ。すみません。大丈夫ですか?悪魔さん」
私は膝にうずめていた顔を上げる。
そこには背中から純白の羽の生えた、優しい顔をした天使がいた。
「私は、悪魔だ。近づくな」
「なんでですか?酷いケガです。手当てしますよ。応急処置ですが」
「このくらい魔法で治せる」
「でも、魔力底ついてるでしょ。魔力の反応がありませんし。仲の悪い悪魔とでもケンカしたんですか?」
「ぐっ、違うわ!」
天使の言う通り、喧嘩をしてできた傷であり、魔力も底をついている。
私には野垂れ死ぬのがお似合いです。
嘲笑われるかと思ったが、案外普通に接してくれる。
「私はアリアです」
「私は、リリスです」
手当てをしてもらい、少し話そう、と、名前を教える。
「敬語つかえたんですね。リファエル様」
「馬鹿にしているのか?って!は?」
アリア、今、リファエルと言ったか?
あからさまに反応してしまった。
気のせい?
「あなた、名前、リリスじゃないでしょう?」
「ナンノ事ダ。私ハ知ラヌ」
リファエル。
この名は私の本名。
だが、悪魔達から本名は決して言うなと口止めされていて、
ばらしたことはない。
「リファエ様。隠す事はないですよ。悪魔なのに嘘が下手ですね〜」
「言うな!気にしているのだ」
「リファエル様、なぜ悪魔の世界で落ちこぼれになり、追い出されたのですか?」
なぜ、落ちこぼれなことを知っているの?
身なりから?
なんでも知られているような気がして、恐ろしい。
「っ、、騙して、宿題をやめさせようとしたのだが、上手くできずな。そのあと、道路に飛び出した子供を助けてしまったのだ。
悪魔にあってはならぬことだろう?反射で、体が勝手に動いたのだ。
気づけば部屋を飛び出し、子供を連れて歩道にいた」
「やはり!私の憶測は正解でしたのですね!」
アリアの顔が輝く。
なに?
「リファエル様、説明をいたします」
「リファエル、という名は、天使たちの間では有名です。理由は天使の世界の伝説のお姫様だからです。とても清い心で、美しい容姿を持っていると。ですが、失踪、誘拐されたのです。生まれて一週間ほど後に。それで今まで悪魔界におられたのですね。納得です。では、一緒に天使になりましょう!」
「何を言っている!私は悪魔だ!私はっ、悪魔でっ。だって、羽も、しっぽも、角だって。。。」
「んふふふ。口調も性格もすべて偽のものでしょう?本当のあなたを知っておりますよ?羽だって、上の悪魔達にそう見えるように魔法をかけられただけです」
「え、え?」
「ほほいのほい」
アリアが軽ーく魔法を使い、私にかけた。
すると、みすぼらしい黒い服はまっさらな白になり、頭に輪が浮かび、純白の羽が生えていた。
しっぽも、つのも、漆黒の翼もない。
ボサボサの髪も金髪のさらさらと揺れる髪になった。
何もかもが違うのに、
違和感はなく、前よりも落ち着いた。
「あなたは天使だったのですよ。優しい気持ちが証拠です」
「そう、だったのね。。。!」
そうして、私は真の天使になり、天使の世界で幸せに暮らしたとさ。
読んでくれてありがとうございます!
初小説です。
誤字、脱字ありましたらごめんなさい! _輝夜姫。かぐやひめ_さん(京都・10さい)からの相談
とうこう日:2024年4月7日みんなの答え:1件
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すご… 読んでて面白かったし、感動した!!!
最後の終わり方も良いし、なんかもう…す、すごい!
悪魔くん可愛すぎた ないちゅぴさん(東京・11さい)からの答え
とうこう日:2024年6月24日
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