「あいつ」 (ちょっとホラーかも(-_-;))
いてっ!
目が覚めた俺はあたりを見回す。
どこだここは。
周りにはカーテンとベッドが複数、そして腕には点滴。
病院か。
「はっ!先生!和樹が、和樹が!!」
女の人がこっちっを見て声を上げる。。
``先生``と呼ばれた医者もこっちへ駆け寄る。
「大丈夫?体が痛むと思うが、、、。ここはどこ分かる?自分の名前は?」
「。。。わからない。ここが病院なのはわかる。」
自分の名前を思い出せない。
なんで病院に。。。
「和樹?私はわかる?」
女の人が俺を見て言う。
俺は静かに首を振った。
「お母さん、息子さんは記憶喪失だと思われます。」
そっか、俺、記憶喪失か。
医者の言葉を聞いて少しは状況を理解できた。
「よく聞いてね、和樹君。君の名前は上田和樹。ここにいる女性は君の母親の上田かおるさん。僕は医者の三野です。」
この女の人は母親なんだな。
俺はけがをしたのか?
「君は階段から落ちたんだ。結構高い階段から。おそらく不慮の事故だが、重度の怪我でね。一か月ほど目が覚めなかったんだよ。」
体の痛みはそのせいか。
頭に手を当てると包帯に触れた。
先生の言う通りただの事故なのだろう。
手や足に多少の痛みはあるものの健康な体をしている。
「もうしばらく安静にしていていください。何かあったらナースコールを押して呼んでくれ。思い出したこともあれば。それでは」
医者が立ち去った。
「ごめんね和樹。お母さんもそばにいたいんだけど、急に会社が倒産危機で。今大変なの。少し仕事に行ってくるわ。夜になったら戻ってくるから。」
そういって母親も立ち去る。
「うん。」
記憶がないのであまりなれなれしくできない。
とりあえず返事をしてまた眠りについた。
「和樹君?和樹君。」
はっ!
名前を呼ばれて目を覚ます。
勢いよく状態を起こしたので頭が痛んだ。
「よかった、目が覚めて!」
女の子が目の前にいる。
かわいい。
思わず声に出そうで焦る。
「私の子と分かる?」
俺の彼女だったとか?
都合のいいことを考えるが、そんなことないだろう。
「ごめん、分からない。」
視線を落として答える。
「聞いたよ?記憶喪失なんでしょ?」
「うん」
医者に聞いたんだな。
「私は花枝高校2年生の城戸莉子よ。あなたの彼女」
まさか。。。
本当に彼女だったのか、こんなにかわいい子が。
今は鏡がないから顔が見えないが俺ってもしかして結構イケメン?
「莉子。いい名前だ。」
「ふふっ(笑み)初めて会った時と同じこと言ってる。」
うれしそうに笑う。
そっか、第一印象は変わらないもんだな。
心の中でつぶやく。
「あのさ、俺も高校二年?なんで怪我したかとか知ってる?」
聞いてみる。
「和樹君は、部活に行こうとして嫌がらせを見かけたの。ちょうど階段の下で上級生が下級生をいじめてたのよ。そのときに止めようとして、足を引っかけて転んだらしいわ。」
めちゃめちゃださいな、俺。
こんな可愛い彼女いるの偶然過ぎるだろ。
「でもね、そういうところが好きなの」
また照れくさそうに、うれしそうに笑う。
「そっか。結構ださいんだね、俺。」
「そうだね」
ちょっとうれしい。
ふと外を見るとこちらを見ている男に目が合う。
同い年くらいだ。
彼女もそれに気づき
「お見舞いかな?私そろそろ帰るね」
またね、と部屋を出ていった。
「和樹、もうだれかお見舞い来たのか?」
窓越しに目があった男が病室に来て近寄るなり言った。
「ごめん、誰?」
申し訳ないがこちらは知らないんだ。
「あ、記憶。。。ごめん。俺はお前の大親友の木村智樹」
なんか身長(タッパ)はあるのに優しそうないいやつだ。
「さっきの子は彼女らしい。城戸莉子っていうんだって」
「え、お前いつの間に彼女とか。。。悔しい!!」
そういって馬鹿みたいにうなってる。
「記憶がないからいつから付き合ったか知らないんだよね。」
「そっか。」
はじめましてなのにもう仲良くできるのは俺の中の細胞が覚えているんだな。
「それにしても城戸莉子なんてやつ、学年にいたっけ」
え?
「もしかして急にホラー展開?お前のストーカー的な?」
「やめろよ、そういうの考えても俺今は逃げれねぇんだよ」
急に怖くなる。
あいつは誰なんだ。
「まあ、俺が調べといてやるよ!元気になったら学校来いよ?良ければ俺が迎えに来てやる。」
「いらねぇ」
やっぱり親みたいな奴だ。
じゃあな、と手を振りあいつも部屋を出る。
彼女はいったい誰なんだろうか。
「おい和樹!」
ん?ああ、智樹か。
昨日の今日でうるさいやつだ。
「昨日言ってた城戸莉子ってやつ、俺の学校にいたよ」
いたのか、ならきっと彼女だな。
「でも、一個問題があって。。。あいつ、去年の夏に結核で死んでんだよ。」
ありがとうございました!楽しんでいただけたら嬉しい!! Moon王子さん(東京・14さい)からの相談
とうこう日:2024年5月3日みんなの答え:2件
目が覚めた俺はあたりを見回す。
どこだここは。
周りにはカーテンとベッドが複数、そして腕には点滴。
病院か。
「はっ!先生!和樹が、和樹が!!」
女の人がこっちっを見て声を上げる。。
``先生``と呼ばれた医者もこっちへ駆け寄る。
「大丈夫?体が痛むと思うが、、、。ここはどこ分かる?自分の名前は?」
「。。。わからない。ここが病院なのはわかる。」
自分の名前を思い出せない。
なんで病院に。。。
「和樹?私はわかる?」
女の人が俺を見て言う。
俺は静かに首を振った。
「お母さん、息子さんは記憶喪失だと思われます。」
そっか、俺、記憶喪失か。
医者の言葉を聞いて少しは状況を理解できた。
「よく聞いてね、和樹君。君の名前は上田和樹。ここにいる女性は君の母親の上田かおるさん。僕は医者の三野です。」
この女の人は母親なんだな。
俺はけがをしたのか?
「君は階段から落ちたんだ。結構高い階段から。おそらく不慮の事故だが、重度の怪我でね。一か月ほど目が覚めなかったんだよ。」
体の痛みはそのせいか。
頭に手を当てると包帯に触れた。
先生の言う通りただの事故なのだろう。
手や足に多少の痛みはあるものの健康な体をしている。
「もうしばらく安静にしていていください。何かあったらナースコールを押して呼んでくれ。思い出したこともあれば。それでは」
医者が立ち去った。
「ごめんね和樹。お母さんもそばにいたいんだけど、急に会社が倒産危機で。今大変なの。少し仕事に行ってくるわ。夜になったら戻ってくるから。」
そういって母親も立ち去る。
「うん。」
記憶がないのであまりなれなれしくできない。
とりあえず返事をしてまた眠りについた。
「和樹君?和樹君。」
はっ!
名前を呼ばれて目を覚ます。
勢いよく状態を起こしたので頭が痛んだ。
「よかった、目が覚めて!」
女の子が目の前にいる。
かわいい。
思わず声に出そうで焦る。
「私の子と分かる?」
俺の彼女だったとか?
都合のいいことを考えるが、そんなことないだろう。
「ごめん、分からない。」
視線を落として答える。
「聞いたよ?記憶喪失なんでしょ?」
「うん」
医者に聞いたんだな。
「私は花枝高校2年生の城戸莉子よ。あなたの彼女」
まさか。。。
本当に彼女だったのか、こんなにかわいい子が。
今は鏡がないから顔が見えないが俺ってもしかして結構イケメン?
「莉子。いい名前だ。」
「ふふっ(笑み)初めて会った時と同じこと言ってる。」
うれしそうに笑う。
そっか、第一印象は変わらないもんだな。
心の中でつぶやく。
「あのさ、俺も高校二年?なんで怪我したかとか知ってる?」
聞いてみる。
「和樹君は、部活に行こうとして嫌がらせを見かけたの。ちょうど階段の下で上級生が下級生をいじめてたのよ。そのときに止めようとして、足を引っかけて転んだらしいわ。」
めちゃめちゃださいな、俺。
こんな可愛い彼女いるの偶然過ぎるだろ。
「でもね、そういうところが好きなの」
また照れくさそうに、うれしそうに笑う。
「そっか。結構ださいんだね、俺。」
「そうだね」
ちょっとうれしい。
ふと外を見るとこちらを見ている男に目が合う。
同い年くらいだ。
彼女もそれに気づき
「お見舞いかな?私そろそろ帰るね」
またね、と部屋を出ていった。
「和樹、もうだれかお見舞い来たのか?」
窓越しに目があった男が病室に来て近寄るなり言った。
「ごめん、誰?」
申し訳ないがこちらは知らないんだ。
「あ、記憶。。。ごめん。俺はお前の大親友の木村智樹」
なんか身長(タッパ)はあるのに優しそうないいやつだ。
「さっきの子は彼女らしい。城戸莉子っていうんだって」
「え、お前いつの間に彼女とか。。。悔しい!!」
そういって馬鹿みたいにうなってる。
「記憶がないからいつから付き合ったか知らないんだよね。」
「そっか。」
はじめましてなのにもう仲良くできるのは俺の中の細胞が覚えているんだな。
「それにしても城戸莉子なんてやつ、学年にいたっけ」
え?
「もしかして急にホラー展開?お前のストーカー的な?」
「やめろよ、そういうの考えても俺今は逃げれねぇんだよ」
急に怖くなる。
あいつは誰なんだ。
「まあ、俺が調べといてやるよ!元気になったら学校来いよ?良ければ俺が迎えに来てやる。」
「いらねぇ」
やっぱり親みたいな奴だ。
じゃあな、と手を振りあいつも部屋を出る。
彼女はいったい誰なんだろうか。
「おい和樹!」
ん?ああ、智樹か。
昨日の今日でうるさいやつだ。
「昨日言ってた城戸莉子ってやつ、俺の学校にいたよ」
いたのか、ならきっと彼女だな。
「でも、一個問題があって。。。あいつ、去年の夏に結核で死んでんだよ。」
ありがとうございました!楽しんでいただけたら嬉しい!! Moon王子さん(東京・14さい)からの相談
とうこう日:2024年5月3日みんなの答え:2件
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ふうフォウこえーーーーーー〜〜〜〜〜 こ〜〜〜〜〜〜〜〜わっ背中ぞわぞわしたでもオもろい。 にゃんこ先生さん(群馬・12さい)からの答え
とうこう日:2024年8月14日 -
記憶喪失 こんちゃ!ルークです!
今回の「あいつ」、面白かったです!
記憶喪失って王道すぎて苦手なんだけど、Moon王子さんの「あいつ」は好きです!
確かにストーカーなら怖いホラー要素だな、なら莉子はストーカーか。
なーんて、自己完結してたんだけど、まさかのユーレー。((ゾワゾワ
俺の細胞が覚えているのは…
死にかけたから?
思わず深読みしちゃいます!! ルークさん(東京・12さい)からの答え
とうこう日:2024年8月6日
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