花びらが舞い落ちる夜、君に別れを告げる。
「ねぇ。私の舞と蓮の音で、希望と夢を降らせない?」
そう言って差し出された左手。俺は迷わず彼女の手を取った。
彼女の夢は叶うと共に儚く散った。
「おぉい。元気か?」
「病人が元気なわけないじゃん。ばーか。」
俺、東 蓮(あずま れん)は、フルート奏者だ。彼女は踊り子で俺のパートナー。世界中を旅していろんな人を笑顔にしてきた。彼女の長年の夢だった。
……病気が発見されるまでは。世界で100人しかいないという奇病で、症状は体がどんどんはなびらに蝕まれていき最終的には全身がはなびらになって消えてしまうらしい。目の前の彼女もすでに頬や腕に花びらが現れ始めている。
「最近うまくいっていないらしいね。」
「あぁ。まあな。」
「私の時とおなじかんじにやればいいんだよぉ。」
彼女が踊れなくなって、俺はいろんな人とタッグを組んだがミスを連発している。そもそも俺は彼女のために頑張っていたから、踊っているのが彼女じゃないと本気が発揮できないらしい。
「お前じゃないとどうもしっくりこないんだよなぁ。」
「そんなに私のことが好きなの?」
「うっせ。てかもうちょっと自分の体大事にしろ。ちょっとの衝撃もダメなんだろ?」
俺のほおをついた彼女の人差し指がはなびらになり、ふわっと舞い落ちる。心臓に悪いからやめてもらいたい。
「蓮のくせに生意気。」
「俺はお前のなんなんだ?」
俺はペットか何かなのか?パートナーじゃなかったのか?
「そんじゃ、顔も見れたし。また明日な。」
そう言って部屋から出て行こうとした時だった。
「ちょっと待って!」
彼女が俺を呼び止めた。
「連れて行って欲しいところがあるの。」
「わぁ。相変わらず綺麗だね。」
見晴らしの良い小さな丘。頭の上では星が宝石のように光っている。
ここは、彼女が俺をパートナーに誘った思い出の場所だ。
「ねぇ。持ってる?フルート。」
「あぁ。」
背負っているケースからフルートを取り出す。小さな頃からお金を貯めて買った俺の相棒だ。肌身離さず持っているに決まってる。
「よし!流石は私のパートナー!んじゃ、あれ吹いて来んない?いつもの。」
いつものって。曲名くらい覚えろ!
と、思いつつフルートを構えた。何年間も聞いてきた音色が、俺らの思い出そのものが銀色の楽器から溢れ出す。儚くて、それでいて凛とした音色。この音は、彼女の音であり、俺の音であり、そして俺たちの思い出の音でもあるのだ。
サビに差し掛かったその瞬間、彼女が車椅子から立ち上がった。
「やめるな!」
俺が止めるよりも先に彼女が叫んだ。
サビに入り、彼女は踊り出す。
これまで、何十回、何百回と見てきた舞。なのに、明らかに今までと違う。俺の音と、彼女の舞が合わさり一つの幻想的な風景を作り出す。伸ばした指先が、しなやかに動く。ふわっと髪が舞う。彼女のすべてが美しかった。
だが、病が黙っているわけがない。だんだんと足が崩れていき、腕が崩れてゆき、白いワンピースから花びらがこぼれ落ちる。
これは、彼女の叫びだ。命の燈を最後まで輝かせた一人の少女のクライマックスだ。
フルートの音が消えると共に、彼女も限界を迎えた。
風に舞う花びらを一つ、掴み取る。
「流石は私のパートナー。ありがとう。」
最後に、そう聞こえた気がした。
アリシア・アイスベル 世界中に希望と夢の雨を降らし、最後まで気高く生きた彼女を……唯一無二のパートナーを俺は絶対に忘れない。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
30分くらいで書き上げたので低レベルですが……。しかも超無表情で書いてる(笑)
またどこかでお会いしましょう!
おつれれ! れれれれれるかさん(群馬・14さい)からの相談
とうこう日:2024年5月16日みんなの答え:3件
そう言って差し出された左手。俺は迷わず彼女の手を取った。
彼女の夢は叶うと共に儚く散った。
「おぉい。元気か?」
「病人が元気なわけないじゃん。ばーか。」
俺、東 蓮(あずま れん)は、フルート奏者だ。彼女は踊り子で俺のパートナー。世界中を旅していろんな人を笑顔にしてきた。彼女の長年の夢だった。
……病気が発見されるまでは。世界で100人しかいないという奇病で、症状は体がどんどんはなびらに蝕まれていき最終的には全身がはなびらになって消えてしまうらしい。目の前の彼女もすでに頬や腕に花びらが現れ始めている。
「最近うまくいっていないらしいね。」
「あぁ。まあな。」
「私の時とおなじかんじにやればいいんだよぉ。」
彼女が踊れなくなって、俺はいろんな人とタッグを組んだがミスを連発している。そもそも俺は彼女のために頑張っていたから、踊っているのが彼女じゃないと本気が発揮できないらしい。
「お前じゃないとどうもしっくりこないんだよなぁ。」
「そんなに私のことが好きなの?」
「うっせ。てかもうちょっと自分の体大事にしろ。ちょっとの衝撃もダメなんだろ?」
俺のほおをついた彼女の人差し指がはなびらになり、ふわっと舞い落ちる。心臓に悪いからやめてもらいたい。
「蓮のくせに生意気。」
「俺はお前のなんなんだ?」
俺はペットか何かなのか?パートナーじゃなかったのか?
「そんじゃ、顔も見れたし。また明日な。」
そう言って部屋から出て行こうとした時だった。
「ちょっと待って!」
彼女が俺を呼び止めた。
「連れて行って欲しいところがあるの。」
「わぁ。相変わらず綺麗だね。」
見晴らしの良い小さな丘。頭の上では星が宝石のように光っている。
ここは、彼女が俺をパートナーに誘った思い出の場所だ。
「ねぇ。持ってる?フルート。」
「あぁ。」
背負っているケースからフルートを取り出す。小さな頃からお金を貯めて買った俺の相棒だ。肌身離さず持っているに決まってる。
「よし!流石は私のパートナー!んじゃ、あれ吹いて来んない?いつもの。」
いつものって。曲名くらい覚えろ!
と、思いつつフルートを構えた。何年間も聞いてきた音色が、俺らの思い出そのものが銀色の楽器から溢れ出す。儚くて、それでいて凛とした音色。この音は、彼女の音であり、俺の音であり、そして俺たちの思い出の音でもあるのだ。
サビに差し掛かったその瞬間、彼女が車椅子から立ち上がった。
「やめるな!」
俺が止めるよりも先に彼女が叫んだ。
サビに入り、彼女は踊り出す。
これまで、何十回、何百回と見てきた舞。なのに、明らかに今までと違う。俺の音と、彼女の舞が合わさり一つの幻想的な風景を作り出す。伸ばした指先が、しなやかに動く。ふわっと髪が舞う。彼女のすべてが美しかった。
だが、病が黙っているわけがない。だんだんと足が崩れていき、腕が崩れてゆき、白いワンピースから花びらがこぼれ落ちる。
これは、彼女の叫びだ。命の燈を最後まで輝かせた一人の少女のクライマックスだ。
フルートの音が消えると共に、彼女も限界を迎えた。
風に舞う花びらを一つ、掴み取る。
「流石は私のパートナー。ありがとう。」
最後に、そう聞こえた気がした。
アリシア・アイスベル 世界中に希望と夢の雨を降らし、最後まで気高く生きた彼女を……唯一無二のパートナーを俺は絶対に忘れない。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
30分くらいで書き上げたので低レベルですが……。しかも超無表情で書いてる(笑)
またどこかでお会いしましょう!
おつれれ! れれれれれるかさん(群馬・14さい)からの相談
とうこう日:2024年5月16日みんなの答え:3件
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すごい!! どうもこんにちはちりめんじゃこでえす。
めっちゃ感動しました!!30分でこれはすごいですよ!
次回作楽しみです!ではでは〜(^_^)/~ ちりめんじゃこさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2024年8月20日 -
えっ…?涙が出てきた… どうもー☆琴音と千草です!
えっ?嘘でしょ?すごい涙が出てきます。あと、最後、彼女の名前に驚きました。2人は生まれ育った場所が違うんですね。感動します!感情移入してしまいます! 琴音と千草さん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2024年8月20日 -
泣くよこれ! どうもなっちゃんです!
すごく感情移入できて泣いちゃいました!
しかも30分くらいでこのクオリティー高すぎる!
全然低レベルじゃないです!
次回作楽しみにしています! なっちゃんさん(新潟・11さい)からの答え
とうこう日:2024年8月19日
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