遥か彼方-ネットで出会った私達-
私は、この春から高校生になった。しかし、うまくクラスに馴染めず、5月になった今でもひとりだ。
学校が楽しくない。人生に彩りがほしい。
そんなとき、見つけたサイト。ネット上で、人と話せるらしい。
高校生向けの雑談グループに入ってみた。ニックネームは、「ハルカ」。
そこはみんな仲良くて、私のこともすぐに受け入れてくれた。
私もチャット上でたくさん話をした。とても楽しい。
そこではいつでも誰かが話をしていた。
私がチャットにいるとき、いつもいる人がいた。ニックネームは「カナタ」。
カナタもどうやら高校1年生らしく、すぐに打ち解けて仲良くなった。
ゲーム好き、コーヒー好き、バドミントン経験がある。
カナタと私には、共通点もたくさんあった。
ネット上で、カナタや他の人とゲームをすることもあった。
いつしか、チャットに訪れたときにカナタがいると、笑みがこぼれてしまうようになった。
ある時、私は親にこう告げられた。
「最近部屋でずっとスマホばかりで勉強していないでしょう。これからはリビングでしか使っちゃいけません。時間も八時まで。」
たしかに、最近チャットばかりで部屋にこもりがちだった。でもリビングでしかだめなんて、しかも八時なんて、、
これじゃあ、カナタたちとは話せない。私は決断した。あのグループチャットを抜けることを。
「ごめんなさい。親といろいろあって、このチャットを抜けようと思います。」
そう打ち込んで、すぐにチャットを出ようとした。これ以上チャットに残っていると、未練がましくて抜けられなくなってしまう。
するとすぐに誰かからメッセージが来た。カナタだった。
「ほんとうに抜けちゃうのか。親に説得とか、できないのか。残ることも難しい?」
私も返信した。「ごめん。八時までしか使えないから、チャットもできないし、リビングでしか使えないからどっちにしろ話せなくなるんだ。」
「そうか。それはしかたないか。」
そこで私は、自分の頬が濡れているのに気付いた。
あれ、私、泣いてる、?そう思ったとき。カナタからメッセージが来た。
「なんかさ、メッセージ打ってたらマジで泣けてきた。寂しい。」
「え、私も。私も、泣いてる。寂しい。抜けたくないよ。」
お互いの感情が溢れたみたいだ。
「絶対、戻ってこい。いつか絶対。」
「うん!いつか、絶対にまた。」
そう言って、私はチャットを抜けた。
しかし、それっきり、戻ることはなかった。
そこで人と話す力がつき、クラスメートと仲良くなれたからだ。そして、そのチャットのことも、次第に忘れていった。
今、私は上京し、ある会社に就職した。
今日はその会社で初めてのミーティングだ。
上司である司会者が言う。
「今日は新入社員がたくさんいるので自己紹介でもしてもらおうか。」
新入社員が順に自己紹介をしていく。ある男性が立った。
「xx 彼方です。バドミントンが得意です。コーヒーが好きで、毎朝飲んでいます。よろしくお願いします。」
なんだか、聞き覚えがあった。だけどわからない。もやもやしていると、私の番になった。
「xx 遥です。高校までバドミントンチームに入っていました。ゲームが好きで、よくやっていました。よろしくお願いします。」
ミーティングが終わり、休憩時間になった。するとさっきの男性、彼方さんが話しかけてきた。
「遙さん、ゲーム好きなんですか?僕も、昔ネットの友達とよくやっていたんです。」
「そうなんですか!なんのゲーム?」
聞いてみると、私がハマっていたのと同じだった。
そこまで聞いて思い出した。「カナタ」というネットの友達がいたこと。チャットでいろんなことを話したこと。そして、私は彼が好きになっていたこと。
「「あの!」」ふたりはほぼ同時に言った。思わず吹き出した。
「...やっぱり、遥さんって、、」
「...彼方さん、あなたってもしかして、」
数年越しの再会だった。 遥さん(選択なし・16さい)からの相談
とうこう日:2024年5月23日みんなの答え:2件
学校が楽しくない。人生に彩りがほしい。
そんなとき、見つけたサイト。ネット上で、人と話せるらしい。
高校生向けの雑談グループに入ってみた。ニックネームは、「ハルカ」。
そこはみんな仲良くて、私のこともすぐに受け入れてくれた。
私もチャット上でたくさん話をした。とても楽しい。
そこではいつでも誰かが話をしていた。
私がチャットにいるとき、いつもいる人がいた。ニックネームは「カナタ」。
カナタもどうやら高校1年生らしく、すぐに打ち解けて仲良くなった。
ゲーム好き、コーヒー好き、バドミントン経験がある。
カナタと私には、共通点もたくさんあった。
ネット上で、カナタや他の人とゲームをすることもあった。
いつしか、チャットに訪れたときにカナタがいると、笑みがこぼれてしまうようになった。
ある時、私は親にこう告げられた。
「最近部屋でずっとスマホばかりで勉強していないでしょう。これからはリビングでしか使っちゃいけません。時間も八時まで。」
たしかに、最近チャットばかりで部屋にこもりがちだった。でもリビングでしかだめなんて、しかも八時なんて、、
これじゃあ、カナタたちとは話せない。私は決断した。あのグループチャットを抜けることを。
「ごめんなさい。親といろいろあって、このチャットを抜けようと思います。」
そう打ち込んで、すぐにチャットを出ようとした。これ以上チャットに残っていると、未練がましくて抜けられなくなってしまう。
するとすぐに誰かからメッセージが来た。カナタだった。
「ほんとうに抜けちゃうのか。親に説得とか、できないのか。残ることも難しい?」
私も返信した。「ごめん。八時までしか使えないから、チャットもできないし、リビングでしか使えないからどっちにしろ話せなくなるんだ。」
「そうか。それはしかたないか。」
そこで私は、自分の頬が濡れているのに気付いた。
あれ、私、泣いてる、?そう思ったとき。カナタからメッセージが来た。
「なんかさ、メッセージ打ってたらマジで泣けてきた。寂しい。」
「え、私も。私も、泣いてる。寂しい。抜けたくないよ。」
お互いの感情が溢れたみたいだ。
「絶対、戻ってこい。いつか絶対。」
「うん!いつか、絶対にまた。」
そう言って、私はチャットを抜けた。
しかし、それっきり、戻ることはなかった。
そこで人と話す力がつき、クラスメートと仲良くなれたからだ。そして、そのチャットのことも、次第に忘れていった。
今、私は上京し、ある会社に就職した。
今日はその会社で初めてのミーティングだ。
上司である司会者が言う。
「今日は新入社員がたくさんいるので自己紹介でもしてもらおうか。」
新入社員が順に自己紹介をしていく。ある男性が立った。
「xx 彼方です。バドミントンが得意です。コーヒーが好きで、毎朝飲んでいます。よろしくお願いします。」
なんだか、聞き覚えがあった。だけどわからない。もやもやしていると、私の番になった。
「xx 遥です。高校までバドミントンチームに入っていました。ゲームが好きで、よくやっていました。よろしくお願いします。」
ミーティングが終わり、休憩時間になった。するとさっきの男性、彼方さんが話しかけてきた。
「遙さん、ゲーム好きなんですか?僕も、昔ネットの友達とよくやっていたんです。」
「そうなんですか!なんのゲーム?」
聞いてみると、私がハマっていたのと同じだった。
そこまで聞いて思い出した。「カナタ」というネットの友達がいたこと。チャットでいろんなことを話したこと。そして、私は彼が好きになっていたこと。
「「あの!」」ふたりはほぼ同時に言った。思わず吹き出した。
「...やっぱり、遥さんって、、」
「...彼方さん、あなたってもしかして、」
数年越しの再会だった。 遥さん(選択なし・16さい)からの相談
とうこう日:2024年5月23日みんなの答え:2件
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すご ふつーにすごい ふわうささん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2024年8月27日 -
感動!! ふたりが会えて良かった!感動ーーー!
うちもネ友いて、お別れした人もいるから、自分と重なって超切なくなった…いつか会えたらいいな みるみるぽんぽんさん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2024年8月27日
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