幼馴染の君と。ー浮気から始まる恋人ー
君なら、もっと私を愛してくれると思った。
君なら、もっと私を見てくれると思った。
けれど、悲しいことに、彼はーー浮気したのだ。
ーー私の妹と。
何度目だろう。
愛想が良くて、可愛くて、上目遣いはマスターしてる。
全人類の男を虜にできる、優夏(ゆか)は私の妹。
どんなにおしゃれして、どんなに努力しても、勝てなかった。
世の中は不公平だーー。
「ごめんね、お姉ちゃん。わたしが悪いの…。」
「優夏は悪くないっ!」
「ううん、お姉ちゃんの大切な人を奪っちゃったからぁ、わたし、本当に悲しくてっ。」
「優夏…!お前は、優しすぎる。」
私は今、何を見せつけられてるの?
何でこんなに、妹は悲劇のヒロイン気取りなんだろう。
泣きたいのは、こっちなのに。
「それに比べてお前ーー美夏(みか)は、全っ然可愛らしさがない。もっと愛想良くできないのか!?妹の方が、ずっとずっと優れてるな。」
「お姉ちゃん、ごめんなさい…。でも許してっ!だってーー。」
お姉ちゃんは私より劣ってるものね。
優夏は、ふん、と鼻で笑った。
今度こそ、と期待して、裏切られる。いつも、いつも、この繰り返しーー。
「また浮気?」
こいつは、幼馴染の久人(ひさと)。
「彼氏側もよくやるよな。ってか、結局いっつも妹に捨てられてんだけどwww」
笑い事じゃない。けど、こいつがいると、傷ついた心も軽くなる。
「もう、恋人作るのやめようかな…。」
「えっ。」
そこで、久人は驚きの声をあげた。
「もう諦めんの?はやwまだ、美夏を狙ってる人がいるかもよ?」
「それは、ないと思うわ。」
あったとしたら、それは優夏を狙ってのことだろう。優夏とお近づきになるために、私を利用するにすぎないから。そんなのに利用されたくないし、私はどうしても「浮気された」という事実から抜け出せない。ずっとそのループなのだ。
「いや?わかんないよ?僕はいると思うなあ。」
こいつにそんなことがわかるはずないのに、なんで否定してくるの?
「いい加減に私に期待させるのやめてよ。」
「期待も何も。」
彼は、目線を窓の外から私の方に移した。
「僕自身が望んでるんだよ。」
一瞬、言葉の意味がわからなかった。
「ど、どういうことーー。」
「なに、綺麗事で言わなきゃいけないの?」
彼は、いちどため息を吐いて、こう言った。
「だからーー僕は、美夏が好きってこと。」
有り得ない。そんな上手いことが、あるわけがーー。
「まあ、とはいっても、美夏が僕のこと、何とも思ってないことくらい、知ってるからね。」
「そ、そりゃそうでしょ…。」
「だから。」
彼の目はどこまでも透き通っていた。
「僕は、美夏に好きになってもらう。必ず、ね。」
その言葉に、私はときめいてしまった。
後日。
「あれ、お姉ちゃん?もう新しい彼氏作ったのぉ?」
二人で歩いているのを、優夏に見られた。
「しかも、かっこいい!はじめまして、妹の優夏ですぅ。」
これに、久人も落ちるのだろうか。
あんなに、愚痴ってたのに。
「えっと…。」
彼は、はあ、とため息をついた。
「僕、君みたいなの、苦手なんだ。媚び売るやつ?しかもさ、君、姉の恋人沢山奪ってるんでしょ?ごめん、君みたいなのはーー無理。人として、見れない。」
彼は驚くほど、冷めた目で睨んでいた。
「ひぃっ。で、でも、お姉ちゃんより私の方がーー。」
「優夏。もうやめてくれない?私、もう奪われたくないの。」
誰かからの愛も、ずっと欲しかったものも、全てを奪っていく妹の優夏。
「私、あなたと永遠に打ち解けられないみたいだから。」
これでいい。これでーー。
「いやああ!」
そこでは、いつまでも妹の泣き声が響いていたーー。
「久人、ありがとう。私、あなたまで優夏を好きになったら、どうしようって…。」
「そんなことないよ。それに、言ったでしょ。」
彼は私を真っ直ぐ見て言った。
「僕は、美夏が好きって。」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでくださりありがとうございました!
この後の二人は、ご想像にお任せ! りぃーさん(福岡・13さい)からの相談
とうこう日:2024年5月24日みんなの答え:7件
君なら、もっと私を見てくれると思った。
けれど、悲しいことに、彼はーー浮気したのだ。
ーー私の妹と。
何度目だろう。
愛想が良くて、可愛くて、上目遣いはマスターしてる。
全人類の男を虜にできる、優夏(ゆか)は私の妹。
どんなにおしゃれして、どんなに努力しても、勝てなかった。
世の中は不公平だーー。
「ごめんね、お姉ちゃん。わたしが悪いの…。」
「優夏は悪くないっ!」
「ううん、お姉ちゃんの大切な人を奪っちゃったからぁ、わたし、本当に悲しくてっ。」
「優夏…!お前は、優しすぎる。」
私は今、何を見せつけられてるの?
何でこんなに、妹は悲劇のヒロイン気取りなんだろう。
泣きたいのは、こっちなのに。
「それに比べてお前ーー美夏(みか)は、全っ然可愛らしさがない。もっと愛想良くできないのか!?妹の方が、ずっとずっと優れてるな。」
「お姉ちゃん、ごめんなさい…。でも許してっ!だってーー。」
お姉ちゃんは私より劣ってるものね。
優夏は、ふん、と鼻で笑った。
今度こそ、と期待して、裏切られる。いつも、いつも、この繰り返しーー。
「また浮気?」
こいつは、幼馴染の久人(ひさと)。
「彼氏側もよくやるよな。ってか、結局いっつも妹に捨てられてんだけどwww」
笑い事じゃない。けど、こいつがいると、傷ついた心も軽くなる。
「もう、恋人作るのやめようかな…。」
「えっ。」
そこで、久人は驚きの声をあげた。
「もう諦めんの?はやwまだ、美夏を狙ってる人がいるかもよ?」
「それは、ないと思うわ。」
あったとしたら、それは優夏を狙ってのことだろう。優夏とお近づきになるために、私を利用するにすぎないから。そんなのに利用されたくないし、私はどうしても「浮気された」という事実から抜け出せない。ずっとそのループなのだ。
「いや?わかんないよ?僕はいると思うなあ。」
こいつにそんなことがわかるはずないのに、なんで否定してくるの?
「いい加減に私に期待させるのやめてよ。」
「期待も何も。」
彼は、目線を窓の外から私の方に移した。
「僕自身が望んでるんだよ。」
一瞬、言葉の意味がわからなかった。
「ど、どういうことーー。」
「なに、綺麗事で言わなきゃいけないの?」
彼は、いちどため息を吐いて、こう言った。
「だからーー僕は、美夏が好きってこと。」
有り得ない。そんな上手いことが、あるわけがーー。
「まあ、とはいっても、美夏が僕のこと、何とも思ってないことくらい、知ってるからね。」
「そ、そりゃそうでしょ…。」
「だから。」
彼の目はどこまでも透き通っていた。
「僕は、美夏に好きになってもらう。必ず、ね。」
その言葉に、私はときめいてしまった。
後日。
「あれ、お姉ちゃん?もう新しい彼氏作ったのぉ?」
二人で歩いているのを、優夏に見られた。
「しかも、かっこいい!はじめまして、妹の優夏ですぅ。」
これに、久人も落ちるのだろうか。
あんなに、愚痴ってたのに。
「えっと…。」
彼は、はあ、とため息をついた。
「僕、君みたいなの、苦手なんだ。媚び売るやつ?しかもさ、君、姉の恋人沢山奪ってるんでしょ?ごめん、君みたいなのはーー無理。人として、見れない。」
彼は驚くほど、冷めた目で睨んでいた。
「ひぃっ。で、でも、お姉ちゃんより私の方がーー。」
「優夏。もうやめてくれない?私、もう奪われたくないの。」
誰かからの愛も、ずっと欲しかったものも、全てを奪っていく妹の優夏。
「私、あなたと永遠に打ち解けられないみたいだから。」
これでいい。これでーー。
「いやああ!」
そこでは、いつまでも妹の泣き声が響いていたーー。
「久人、ありがとう。私、あなたまで優夏を好きになったら、どうしようって…。」
「そんなことないよ。それに、言ったでしょ。」
彼は私を真っ直ぐ見て言った。
「僕は、美夏が好きって。」
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読んでくださりありがとうございました!
この後の二人は、ご想像にお任せ! りぃーさん(福岡・13さい)からの相談
とうこう日:2024年5月24日みんなの答え:7件
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スカッとするぅ! 今日も良い日になりますように♪#★Miu☆でっす!
☆本題☆
りぃー師匠の作品読ませていただきましたがとてもいい話ばかりで参考にさせていただいてます! #★Miu☆(元ハチワレ☆、モモンガ☆)さん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2024年11月6日 -
最高の話! こんにちは!もちこです!
「感想」
話の内容もめちゃくちゃこのみだし、読みやすく面白かったです!
ぜひ、他のお話もかいてほしいです! もちこさん(東京・11さい)からの答え
とうこう日:2024年8月29日 -
こういうの好き! こんにちは〜
アイちゃんって呼んでね!
☆*:..。. START .。.:*☆
アイこういうの好き!
妹さんマジでヤバいひとじゃん...
最後ハッピーエンドでよかったぁ〜
なんかスッキリしちゃった。
もっと小説かいてほしい!
☆*:..。. FINISH .。.:*☆
素敵な小説かいてくれてありがとう!
(^.^)/~~~ アイちゃんさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2024年8月29日 -
すごっ!めっちゃオモロイんやけど めっちゃ凄い
久人がめっちゃ格好いい。なんていうのかなぁ?真っ当な人?とにかく妹がヤバい人だって言うことと久人がめっちゃ格好いい人だってことがよく分かる話だった 利仁さん(静岡・14さい)からの答え
とうこう日:2024年8月28日 -
最高!こういうの大好物!! 私と2歳しか変わらないのになんでこんな素敵な話をかけるんだ?
本当に最高です。
あと、こういう妹さんみたいな人,私も無理だわ。
読んでてめちゃ腹立った。
すみません,アンチみたいになってしまいましたが。
本当にあなたは天才です。
いや,秀才かもしれないけど。
こんな素敵なお話を,ありがとう。 NEKOMAさん(大阪・11さい)からの答え
とうこう日:2024年8月28日 -
わわー! ハロー!色々だよ!
本題
いいね!!
この物語、大好き!
これからも、幸せでいてね!
りぃーさん、また書いてください!! 色々さん(京都・11さい)からの答え
とうこう日:2024年8月28日 -
こういうの好き! こんちゃ ふわうさだよー
めちゃくちゃよかった!!!!!
こういう物語好きなんだよね
まじよかった! ふわうささん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2024年8月28日
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