ラストレイン
ーーーーー夜の病院にてーーーーーー
「僕、生きている意味なんてあったのかな?」
〈雨風 レイン(あまかぜれいん)〉が住んでいる国は戦争がずっとあった。
来る日も来る日も空は曇り空だった。雨なんて降らなかった。
そこから、爆弾が降ってくるのだ。しかし、ある日戦争は突然終わりを迎えた。
国民は喜んだ。しかし、戦争に使われた地雷は埋まっていたままだったのだ。
レインは地雷を踏んでしまった。その日から、レインは病室で暮らしている。
もうない片足をさすりながら。
お母さんは悲しんだ。そりゃそうだろう。もう、いないお父さん。
片足を失った子供。お母さんは悲しみの淵へ行ったのだ。そして、レインは申し訳ない気持ちで
いっぱいだった。
(母さんには申し訳ないな。でも俺は病室から出たくないんだ。)
「もしもーし。レインさーん。」
誰だろうか。病室の闇の中から声が聞こえた。レインは看護師さんと思ったみたいだったが、
違った。
「看護師さんじゃねえで、おいらは死神だ。」
「死神?フッ、やっときたんだ。」
レインは驚かずいつもの口調で話す。どちらかというと死神の方が驚いていた。
「ほう…驚かないなんて珍しいねえ。いつもなら、こっちにくんな!みたいな感じなんだよ。」
「死神も大変なんだねぇー」
「命をいただいていきたいんだが…どうやら未練があるようだな。」
図星だった。レインは落ち込んだ。その未練はもう実行はできないのである。
「おいら死神にゃ、人間に未練が残っていたら魂ちょうだいできないんだよ。
だから、なんでも願いを叶えてやる。なんか、やり残したことはあるか?」
「…足でもう一度外を歩きたい。」
「わかった。」
すると死神は手を一振りした。すると、レインの足は病室で暮らす前に戻っていた。
「さあ、外に行こう。」
月明かりの下、レインは歩き出した。久しぶりに外に出たレインは月の明かりが眩しいと思った。
「どうだ、歩いた感想は?」
「…久しぶりだな。」
「それだけかよ。まあ、いいや。次の願いは?」
「遊園地にいきたい。死神と一緒に。」
「いいぜ。」
死神が手を一振りしたと思うとそこは遊園地だった。人は誰もいないのに明かりはついている。
「あの、観覧車に乗りたい。」
2人は観覧車に乗る。昔、乗った観覧車だ。遠くの景色まで見える。
「どうだ、観覧車は。ジェットコースターじゃなくてよかったのか?」
「うん。ジェットコースターは嫌いだし。やっぱり、観覧車がいいね。」
1周回って、2人が降りてきた。すると、いつの間にか病室に戻っていた。
もう足も元に戻っている。死神は話し始めた。
「さあ次は?」
「…父さんとおんなじところに行きたい。」
「父さん?お前の父さんは…」
レインはお父さんが大好きだった。お父さんはいつも忙しそうだった。でもお父さんは
レインとの時間を作ってくれた。お父さんと散歩したり、観覧車に乗って楽しんでいた。
しかし、戦争で兵隊として送り出されて離れ離れになった。今もどうしているかはわからない。
でも…多分…レインは話しながら泣いていた。
「だから出たくなかった父さんがいないことわかるから。死神、早く送ってくれよ。」
「…それが最後かよ。」
死神は少し考えて、話した。
「この後、おいらは罰せられるかもしれない。神様から。でもこれはおいらからのプレゼントだと
思ってくれ。」
死神は手を一振りした。すると、レインは空を飛んでいた。足は両足あった。
死神と空を飛んでいく。飛んで言った先は、レインの家だった。お母さんは1人、お茶を飲んでいた。
「さあ、行ってこい。」
レインは窓の近くにいた。ここからなら声が聞こえる。
「母さん。」
お母さんは驚いた。レインは言いたいことがたくさんあったが一言だけ言った。
「いつも、ありがとう。」
それを告げたと思うといつの間にかに病室に戻っていた。
「さあ、行こうじゃないか。」
レインは静かに頷いた。レインはベットに寝た。足が両足あるままで。
「これは戻らないの?」
「ああ、おまけだ。」
死神はウインクをした。レインもそれに釣られて笑ってしまった。
レインは目を瞑った。死神は鎌を上げた。すると、最後にレインは小さな声で喋った。
「最後に昔、父さんとみた虹を死神とみたいな…」
死神の鎌は振り下ろされた。
その日の夜、雨が降った。冷たい冷たい雨だった。
そんな雨が病院を包む。もう帰ってこない人がいるということを悲しむように。
でも、明日の朝には晴れるだろう。空の上からも虹が見えるだろう。
2人で虹が見れるだろう。
「死神、ありがとう。」
レインの頬には涙が伝っていた。 黒来さん(神奈川・12さい)からの相談
とうこう日:2024年2月17日みんなの答え:2件
「僕、生きている意味なんてあったのかな?」
〈雨風 レイン(あまかぜれいん)〉が住んでいる国は戦争がずっとあった。
来る日も来る日も空は曇り空だった。雨なんて降らなかった。
そこから、爆弾が降ってくるのだ。しかし、ある日戦争は突然終わりを迎えた。
国民は喜んだ。しかし、戦争に使われた地雷は埋まっていたままだったのだ。
レインは地雷を踏んでしまった。その日から、レインは病室で暮らしている。
もうない片足をさすりながら。
お母さんは悲しんだ。そりゃそうだろう。もう、いないお父さん。
片足を失った子供。お母さんは悲しみの淵へ行ったのだ。そして、レインは申し訳ない気持ちで
いっぱいだった。
(母さんには申し訳ないな。でも俺は病室から出たくないんだ。)
「もしもーし。レインさーん。」
誰だろうか。病室の闇の中から声が聞こえた。レインは看護師さんと思ったみたいだったが、
違った。
「看護師さんじゃねえで、おいらは死神だ。」
「死神?フッ、やっときたんだ。」
レインは驚かずいつもの口調で話す。どちらかというと死神の方が驚いていた。
「ほう…驚かないなんて珍しいねえ。いつもなら、こっちにくんな!みたいな感じなんだよ。」
「死神も大変なんだねぇー」
「命をいただいていきたいんだが…どうやら未練があるようだな。」
図星だった。レインは落ち込んだ。その未練はもう実行はできないのである。
「おいら死神にゃ、人間に未練が残っていたら魂ちょうだいできないんだよ。
だから、なんでも願いを叶えてやる。なんか、やり残したことはあるか?」
「…足でもう一度外を歩きたい。」
「わかった。」
すると死神は手を一振りした。すると、レインの足は病室で暮らす前に戻っていた。
「さあ、外に行こう。」
月明かりの下、レインは歩き出した。久しぶりに外に出たレインは月の明かりが眩しいと思った。
「どうだ、歩いた感想は?」
「…久しぶりだな。」
「それだけかよ。まあ、いいや。次の願いは?」
「遊園地にいきたい。死神と一緒に。」
「いいぜ。」
死神が手を一振りしたと思うとそこは遊園地だった。人は誰もいないのに明かりはついている。
「あの、観覧車に乗りたい。」
2人は観覧車に乗る。昔、乗った観覧車だ。遠くの景色まで見える。
「どうだ、観覧車は。ジェットコースターじゃなくてよかったのか?」
「うん。ジェットコースターは嫌いだし。やっぱり、観覧車がいいね。」
1周回って、2人が降りてきた。すると、いつの間にか病室に戻っていた。
もう足も元に戻っている。死神は話し始めた。
「さあ次は?」
「…父さんとおんなじところに行きたい。」
「父さん?お前の父さんは…」
レインはお父さんが大好きだった。お父さんはいつも忙しそうだった。でもお父さんは
レインとの時間を作ってくれた。お父さんと散歩したり、観覧車に乗って楽しんでいた。
しかし、戦争で兵隊として送り出されて離れ離れになった。今もどうしているかはわからない。
でも…多分…レインは話しながら泣いていた。
「だから出たくなかった父さんがいないことわかるから。死神、早く送ってくれよ。」
「…それが最後かよ。」
死神は少し考えて、話した。
「この後、おいらは罰せられるかもしれない。神様から。でもこれはおいらからのプレゼントだと
思ってくれ。」
死神は手を一振りした。すると、レインは空を飛んでいた。足は両足あった。
死神と空を飛んでいく。飛んで言った先は、レインの家だった。お母さんは1人、お茶を飲んでいた。
「さあ、行ってこい。」
レインは窓の近くにいた。ここからなら声が聞こえる。
「母さん。」
お母さんは驚いた。レインは言いたいことがたくさんあったが一言だけ言った。
「いつも、ありがとう。」
それを告げたと思うといつの間にかに病室に戻っていた。
「さあ、行こうじゃないか。」
レインは静かに頷いた。レインはベットに寝た。足が両足あるままで。
「これは戻らないの?」
「ああ、おまけだ。」
死神はウインクをした。レインもそれに釣られて笑ってしまった。
レインは目を瞑った。死神は鎌を上げた。すると、最後にレインは小さな声で喋った。
「最後に昔、父さんとみた虹を死神とみたいな…」
死神の鎌は振り下ろされた。
その日の夜、雨が降った。冷たい冷たい雨だった。
そんな雨が病院を包む。もう帰ってこない人がいるということを悲しむように。
でも、明日の朝には晴れるだろう。空の上からも虹が見えるだろう。
2人で虹が見れるだろう。
「死神、ありがとう。」
レインの頬には涙が伝っていた。 黒来さん(神奈川・12さい)からの相談
とうこう日:2024年2月17日みんなの答え:2件
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死神様優しい… 自己紹介省かせていただきます、
うますぎます!死神様優しいしレインの思いが悲しい…レインの願いが叶ってよかった…戦争なんてしないでこういう子が悔いなく過ごしてほしいな…と強く思わせていただけるお話でした 羚乃さん(愛知・12さい)からの答え
とうこう日:2024年4月24日 -
優しい(?)死神…。 キュアフレンディです!
いい話!
死神やっさし!
めっちゃわかりやすいね! キュアフレンディさん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2024年4月23日
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