短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
少年の最後の舞台
少年はサックス奏者だった。ただの奏者ではなかった。彼の吹くアルトサックスは、聴くもの全ての心を虜にした。また、その名前は、日本人の誰もが知っていた。 少年はまだ11才だった。ラジオ等でその音色を聴けば、全ての人間が彼を大人、それも熟年のプロだと想像した。 しかし、少年はまだ子供だった。 彼がステージから降りた時、スタッフから彼の両親の死を告げられた。このコンサートに来る途中、交通事故に遭ったとのことだった。 まだ子供の彼にとっては、そのことはどんなコンサートよりも大きすぎた。 彼は泣いた。これ以上の悲しみはなかった。 その後、彼は今まで以上にサックスに打ち込んだ。悲しみから逃げるためもあった。眠らなかったり、何も食べない日は珍しくなかった。やがて彼は、SATBすべてのサックスを吹きこなせるようになった。 そのこともあって、彼が13になる直前に、サックス発祥の地であるベルギーでコンサートをすることになった。 飛行機にコンサートで使うソプラノサックスとアルトサックスを乗せ、少年自身も飛行機の座席に体を委ねた。その柔らかさが原因なのか、どっと眠気が襲った。 最近ろくに寝てなかったもんな…。 そう思いながら、目を閉じた。 気づくと、もう本番前だった。そっとステージに上がる。すると、そこには─。 お父さん、お母さん…。 涙が出そうだった。でも、それを振り払った。 目いっぱいの演奏を聞かせよう…! そのコンサートを企画していた次の日、新聞は大きく見出しを目立たせていた。 『天才少年 天国へ』 少年は機内で永遠の眠りについていた。過労と栄養失調が原因だった。 彼はベルギーのコンサートを迎えることができなかった。 けれど、彼に「最後の舞台」はない。 彼は、夢の中で永遠に音色を響かせているから。 ●◯●◯● muteです。 私は吹奏楽部でバリトンサックスを吹いてます。 ちなみに、作中の「SATB」とは、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの略です。 感想お待ちしております!
探偵を辞めた男
夜中にかかってきた電話の 依頼は「行方不明の娘を 探して欲しい」という 内容だった。 俺は慣れているもので、 すぐに革靴を履いてから依頼人の 家に訪ねた。 「で、娘さんがいる場所だと 思えるようなところは?」 「……あの子が一人で家を出る ことなんて、今まで全くなくて……」 そう言いながら母親はまた 涙を流す。目の下の隈(くま) を見てもわかるように、寝ていないんだろう。 さて、娘を探す唯一の手掛かりといえば、 この手袋だ。 それは肖像画に描かれた彼女がつけている 手袋と同じものだろう。 だが、綺麗な手袋のはずがやけに 煙草の匂いがする。 この館に喫煙者がいるのだろうか。 「この館の関係者の写真など、見させてもらって よろしいですか」 そう言うと、分厚く、埃をかぶった 本が出された。 ページをめくると、歴代の 執事の顔写真が貼ってある。 俺はその中の一人の執事が気になり、 母親に問いかけた。 「この執事は煙草を吸っていましたか?」 「……はい」 「では、その執事は今どこに?」 「先月、出て行きました」 「そうですか」 まだ絵の具が乾き切っていない、 娘の肖像画は最近描かれたもの。 とすれば、その執事が吸っていた 煙草ということはないだろう。 「他に喫煙者はいましたか?」 「いいえ」 じゃあ、誰かがこの館に入ってきたか。 だが、そんなに簡単に入れる 館ではない。 俺は肖像画と執事の写真を 交互に見て、じっくりと考えた。 宝石が埋め込まれたネックレス、 上品な手袋、模様の一つまで繊細に 縫われたドレス。 そうか……! 俺は部屋を抜け出して、 階段を登った。 犯人と娘は、この館にいる。 出入りのできない館の中で 唯一警備がされていない場所。 そう、屋上だ。 屋上につながる扉を開けると、 強く吹く風の中、 彼女たちはいた。 「誰かいるんですか!?」 扉の前で母親が言う。 俺は屋上から扉を閉じて、 「いえ、誰も」 と返事をした。 邪魔されてはいけないからだ。 「……あなたには、何もわからないわよ」 娘は青い瞳でこちらを睨みながら 話した。 「いえ、わかっていますよ。」 二人はその言葉に息を止めた。 続けて、俺は口を開く。 「お嬢さん、その手袋は元々あなたの ものではなかったはずです。手袋に移った タバコの臭い、そして人差し指の第二関節、 同様に中指だけが薄く汚れた跡。 それはあなたの執事、1ヶ月前に出て行った はずの彼のものですよね」 「私は……私は彼を…!」 「愛していた。わかっていますよ。 その愛する彼を自分のクローゼットに 隠した。だけどその少しの間にも離れるのが 寂しくて、あなたは彼の手袋を使った。 皮肉にも、それがあなたを 見つける手掛かりとなった…… あってますか?執事さん」 「……はい。」 そう言う彼を見つめる娘の 大きな瞳からは、今にも涙がこぼれ落ち そうだった。 「そして二人で逃げようと言うわけですね。 それももう無駄ですよ。俺たちがあなた方を……」 「いいえ。私たちは逃げたりなんかしない。 できないんだもの。 だから私は、彼を選んだの」 彼女は何かを悟ったように そう言った。 その言葉に、俺は全身に鳥肌が立った。 「まさか……!」 彼女たちが一歩前へ進む。 動け、動かなければ。 もう少しで…… 「さよなら、探偵さん。」 そう言うと、彼女たちは 夜の暗闇に溶けて行った。 あの日、俺は探偵を辞めた。 【END】
鉄道オタクな先輩に救われて
お前、鉄道が好きなのか(笑)女が鉄道好きなんて男かよ 私は毎日馬鹿にされている。私は水島にこ、鉄道が好きな鉄子と言う奴だ。 中でも岐阜県を走るローカル線の樽見鉄道が好きで推し鉄はハイモ516だ。 今日も奇麗だなぁ・・・・私は今日も樽見鉄道の写真を撮っている。 その時「にこ、鉄道好きなのか」と声が聞こえてきた。また男子だ、しかも高校の憧れの先輩の赤井健一先輩。また馬鹿にされる。 私は「はい、大好きです・・・・女子で鉄道オタなんて可笑しいですよね」と聞いてしまった。 そしたら健一先輩は「えっ?そんなことないと思うよ?鉄道を好きになるのは子供とか鉄オタは男だけの趣味とか言う人がいるけど、大人で鉄道オタクでもいいし、女子の鉄道オタクもいいと思うよ?」と言ってくれた。 私は「そうですか?クラスの男子全員が私の趣味を馬鹿にするんです」と答えた。 健一先輩は「それは偏見だよ?女子が鉄道好きがおかしいと言うのはおかしいよ」と言ってくれた。 健一先輩は「僕だって鉄道が好きだし、ハイモ516が大好きなんだ」と言った。 私は「私もハイモ516が大好きです」と答えた。そしたら健一先輩は「一緒じゃん。良かったら僕と付き合ってほしい、実は前からにこのことが大好きだったんだ」と言ってくれた。 私も「私も健一先輩の事が大好きでした」と言って手を握った。 そして私はあこがれの健一先輩と付き合う事が出来た。 そして今、健一先輩は私の旦那となっている。 樽見鉄道が私達を出会わせてくれたのかもしれない。
冬の海で。
ガタッ。ガチャ。 とある団地の片隅で、ドアに鍵を刺す音が響く。 「っはぁはぁはぁ・・・」 『十御・Toomi』と書かれた表札をじっと見つめ、くるっと右回りをし、足に力を込める。 ダッダッダッダッダッダ。 勢い良く階段を降りる。2階の浜子おばさんが「あら、巳琴(みこと)ちゃんこんな時間に」と言ってたが、そんなの無視で走る。 ガチャッ、ギッ。 暫く使用していなかった自転車が軋む。 肺が焼けるように熱い。 でも今はここから離れなくちゃ、その一心で自転車をこぎ続ける。 今日あったことを思い出してみる。学校の掃除の時間、暴言で殴られ、水を含んで重くなったモップでも殴られ。放課後、屋上で鋏や上靴、鞄を投げられ。帰宅後、賭け事で負け、酒に溺れた血の繋がっていない父親に叩かれ 蹴られ。限界化した母親は頭が狂い包丁で刺そうとしてきたり。 一心不乱にこぎ続けていたからか、気づいたら真夜中の海に居た。 無意識に手を水面に伸ばす。 「冷たっ」 私は想像もしていなかった冷たさに声が出る。 「なんで生きてるんだろ、私」 はぁ、と吐いた息は白い空気となり やがて消える。 真っ暗だった冬の海に一つの光が射す。 今まで静かだった海はザァザァと暴れ、巣に居たはずの鳥の鳴き声や羽音は 朝学校に登校する学生たちのように何でもない話のキャッチボールをしているようだ。 何より、届きそうで届かない。目の前にあるのに遠い。不思議な感覚がある『太陽』が、ビリビリに破れ 泥で汚れた私の制服を橙色の光で覆ってくる。 私は無意識に足を運ばせる。 ちゃぽんっ。茜色の海に足を沈ませる。 あれ、なんだろう。冷たい海だけど 冷たくない。 頬を雫が伝う。あ、これ涙だ____。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想くれたら嬉しいです!! 短いけど読んでくれてありがとうございました!!
誰も。
私には誰も気づいてくれない。 相手の目の前にいても、「どいて」とも言わず、通り抜けたように私から去っていく。 給食の時だって、くばり係の人は私の分だけ持って来てくれない。 昼休みになったら、先生もみんな教室のはしっこで、ブツブツ何か言っている。 そこには、1人の生徒の写真と花束、メッセージカードが置いてある。 どうやら、さいだんみたいだ。 クラスの1人が亡くなったらしい。 生徒のみんながいつもウワサしている。 「もし、あのコがよみがれるならなあ。」 「マジでそれ。」 といっつも聞こえてきて、私は考えた。 「''あのコ''って誰?」 さいだんの写真をのぞいてみた。 どこか見覚えのある顔。 パッチリした二重。 ほっぺたは、うっすらと見えるピンク。 幸せそうに笑う可愛いらしい笑顔。 これらは、私の全部の特ちょうに当てはまる。 「もしかして…私…?」 誰にも気づかれなかったのは、自分がゆうれいだっだから。 ~あとがき~ みんなっ!きのこだよ! みなさん意味分かりました? ゆうれいだったから見えないし、声も聞こえない。 と言うこと。 短編小説書くの楽しいので、これからも書いていきたいと思います! バイバイ!
諦められないんだよ…
「諦められないんだよ…」 私の名前はサキ。高校生 恋愛の事で、つらくなってきた …叶わない恋だって、分かってるよ 自分は女子、あなたも女子 女子校だから、女子しかいない 席替えで隣になれて、すごく嬉しかったから、泣きそうになってたのを、ずっと覚えてる いつも明るくて、優しくて、運動もできて勉強もできて完璧なのに、ちゃんと可愛い所もあるんだよね…。そういうところがずるい この恋を叶えたいとも、気持ちを伝えたいとも思わないよ。 思わないけどさ、あなたと話していくうちに、どんどん「好き」が溢れていくんだよ この片想いが一方的なのも、あなたが私に、私と同じ感情を抱いてるわけないって、分かってるんだよ… 「〇〇ちゃんが好き」 なんて事言わないし、言う気も無いけどさ… 「諦められないんだよ…」
花言葉の意味は……
僕には彼女がいる、「おはよー!」彼女が大きな声でそう言った。僕も負けずに「うん、おはよう!」と彼女に言った。 「あーそういえば隆文、今日のニュース見た?女子高生が刺されたってやつ!」「あー見たよ、物騒だよね」「それにさ、ここの街らしいよね」「うん」「隆文…」「ん?何?」「今日怖いから一緒に帰ってくれない?」そう怯えた感じで彼女が言った。しかし今日はバイト、「ごめんね美月今日、バイトがあるから無理なんだ、明日一緒に帰ろう!」「………うんわかった」申し訳ないと思ったけど仕方ないよね。 バイト終わり…。「うーん、疲れた!」プルルル、電話の音が鳴り響く、「誰だ?あれ母さんからだ、もしもし母さん?どうしたの?」「隆文!美月ちゃんが…美月ちゃんが刺されたって…「は…?」「美月は!?」「病院よ…早く来なさい…」「うん、わかった!」僕は病院へ走った。「母さん!美月は?」お母さんは横に首をふった、「そんな…」僕は膝から崩れ落ちた。あの時、一緒に帰っていれば…、「これ、美月ちゃんから…」そう言って袋いっぱいに入っていた花を僕にくれた。「カスミソウ…?」彼女が好きな花だ。僕は枯れないように懸命にカスミソウを育てた。僕が高校二年生に上がった時、友達が遊びに来た。「よ!隆文、元気だったか?」「あ、うん…」「うん?それってカスミソウじゃねえか、どうした?隆文花好きだっけ?」「ううん、死んだ彼女がくれた大切な花なんだ」「……よかったな。カスミソウの花言葉、何かわかるか?」「え、わからない」「カスミソウは「永遠の愛」って意味だ」「……!」僕は彼女の仏壇に行き、まだ枯れていないカスミソウをお供えした。「ありがとう…僕も愛してるよ…」
救えたはずの、小さな命。
小さな男の子が、両手に大きな容器をかかえて川の近くに歩いていった。 川は泥で濁り、流れも速くあぶない。 だが、男の子は構わず近づき、濁った水をいっぱいにくんだ。 「アミール!水くんできた?」 僕が家に帰ると、小さな女の子が満面の笑みを浮かべてかけよってきた。 僕の1つ年下の妹なんだよ。 ちなみに、僕は今年で7歳! 「もちろん! のどかわいた?」 「うん! お兄ちゃん、おつかれさま! 私もそろそろ水くみにいけるかなぁ」 「はは、アンジェナはまだ小さいから無理だよ。もうちょっと大きくなったら、僕が教えてやる!」 「やったぁ!」 僕はボロボロの家の中に入り、ゆかに水を入れた容器をならべた。 「ありがとう、アミール。さあ、ご飯にしましょう」 奥から2人の赤ちゃんを連れたお母さんがでてきて、微笑んだ。 「さあ、めしあがれ」 だけど、出されたのはイモがひとつ。 だけど、6人いる兄弟のうちで文句を言うものは、誰もいなかった。 「ごめんね…こんなものしか食べさせてあげられなくて…」 食事のたびに、お母さんは辛そうにいう。 お母さんのせいじゃないのにな…。 僕たちの家はお父さんがいない。 アンジェナが産まれる前に、他の女の人と一緒に家を出ていった。 それから、女手一つで育ててくれてるんだ。 「ほら、もう寝なさい。寝たら空腹がまぎれるわよ」 突然、イモひとつでお腹がいっぱいになるはずもなく、僕達は食べ終わってすぐに寝る。 そうでもしないと、空腹でどうにかなりそうだから。 翌朝、僕が起きたのはまだ太陽のでるまえ。 朝ごはんは当然なし。 当然顔を洗うことも出来ず、乾いた布で顔を拭くとそのままの服装で家を出た。 当たりはまだ薄暗い。 僕が向かったのは、畑。 「おいガキ。さっさとこい」 僕が慌てていくと、大きなカゴをつきつけられた。 「さっさとカカオを収穫しろ。ひとつでも傷をつけたら、もちろんお代はなしだぞ」 あんまりだ。僕はそう言いたかったけれど、言えなかった。 ようやく雇ってもらった仕事。 ここで逃したら、次いつ雇ってもらえるか。 結局、帰ることが出来たのは真夜中だった。 死に物狂いで家にたどり着いたけれど、なんだか静かだ。家に入っても物音がしない。 「アンジェナ…うぅ…」 お母さんの…声? 恐る恐る部屋をのぞくと、寝ているアンジェナのとなりでお母さんが泣き崩れていた。 「お母さん…?」 お母さんははっと起き上がり、泣き腫らしためで僕を見つめた。 「あぁ、アミール…。アンジェナの具合が悪いの。きっと寄生虫だわ。ずっと熱が下がらなくて…」 「…アンジェナ? アンジェナ? しっかりしろよ、水くみにいくんだろ!」 僕が駆け寄っても、アンジェナは動かない。時おり苦しそうにうなり、もがくだけ。 そして次の日、アンジェナはあっけなく死んでしまった。 ここらへんじゃ寄生虫で人が死ぬのはしょっちゅうあるけれど、アンジェナは1番僕のことを慕ってくれていた。 それでも僕は必死に働いたけれど、家はまずしいままで、逆に…。 「かあ…さん」 僕は母さんの手を握った。 「おか…あさん。ぼく、そろそろ行かなきゃいけないみたい。アンジェナが呼んでるよ」 「…アミール? だめっ!いや! 」 とうとう僕も、寄生虫に感染してしまった。感染経路はわからないけれど、恐らくあの川の水のせい。だけど、水を飲まなければ僕達は死んでしまう。一か八かの賭けだった。 「弟たちを…学校に行かせてやって。あと、お母さん、無理しちゃダメだよ。ぼく…」 だけど、もう、言葉が続かなかった。数日前から息が苦しく、もう話すのも限界みたい。 「お母さんの子供でよかった。ありがとう」 -あとがき- こんにちは、あいりです。 ひさしぶりに物語を書いてみました。 舞台はインド。児童労働のおはなしです。 学校にも行かず、必死に働いて家族を支えてきたアミール。にもかかわらず、大切な妹を失ってしまいます。だけど、神様は味方をしてくれませんでした。 数週間後、アミールも同じ病気にかかって死んでしまいます。 日本のことじゃないから関係ない、ではありません。今も、アミールのような子どもたちは学校にも通わずにはたらいています。 1度、世界にも目を向けてみませんか。
見上げた空は。
13年前、私は君と一緒に約束を交わした。 「かなでちゃん!ぼく、おっきくなってもこのあおいそらをみてたいな!!!」 「そうだね!大人になって、またこのひろーいはらっぱでいっしょにね!」 今じゃそんな約束は今は叶わない。 黒く灰色に染まった空。 今日も四角い建物の煙突からは黒い煙があがっている。あの思い出のはらっぱはとっくに高層ビルの土地になった。 続いてのニュースです。えー昨晩、軽自動車と軽トラが衝突し、軽自動車を運転していた男性が重傷でー 最近はこんな風な物騒なニュースばっか。 君は今何してる?私は会社員だよ。環境に悪い気体をばら撒いて生活してる。 君は私たちを救えない?誰もこんな煙が黒くてどんよりとした空。気持ちよく空気なんて吸えないよ。 誰か救世主が現れないかな。
【短編小説】世界最後の告白を。
【世界最後の告白を】 ニュース 「速報です。総理大臣がたった今、明日は世界最後の日だ。と述べました。これについて、〇〇さん…」 ブチッ 小春「え…世界最後の日…?」 私はその知らせを耳にした瞬間、開いた口が塞がらなかった。 まだやり残したことがたくさんあるのに…? もうあと24時間後には世界が滅んでいるだろう。 小春「…地球温暖化のせいだ……」 そう。世界は地球温暖化が進み、破裂状態まで陥っていた。 私はある決意をした。 世界爆発寸前に"世界最後の告白"を残すんだ。 そして…23時間後。 薄暗い踏切の前で、私は深く息を吸った。 そして大きな声で… 小春「ありがとう!!この世界は滅ぶけれど、わたしたちの絆はずっと一緒だよーー!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー そして30分後に世界は滅亡した。爆発音がした瞬間。 私は、最期に「ありがとう。」と思い、そのまま眠りについた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めての短編小説どうだったでしょうか、! 感想お待ちしております(*‘ω‘ *)
モテ期と非モテ
「ねー!恋って何ー?愛なら、親愛とか色々あるけどさあ…」 唯一の友達と呼べる人にいきなり愚痴る。 放課後の誰もいない教室で愚痴る。 友達は、顔を顰めながら答える。 「はあ?モテてるんじゃないの?変わってほしいぐらいだよー!また振られたあ!」 「そんなこと言ったて…。あーさんはモテてる人の苦悩知らないんでしょ!」 友達をあだ名で呼ぶ。 友達もあだ名で呼ぶ。 「知るわけないじゃん。モテてるメイメイの気持ちとか、知りたくてもしれないよお…。ううっ…。本命だったのに!」 まだ振られてことを引きずっている親友に問う。 「で、『本命』は何人目なの?」 「え…?13人目…」 机に倒れかかっているあーさんに尋ねると、案の定、とんでもない数が出てきた。 この人、非モテなのだ。 確かに、運動音痴でモテる人なんて、私ぐらいだ。 しかし、この友達は音痴なんてレベルじゃない。勉強は学年トップレベルなのに、運動が死ぬほどできない。 このギャップで一時期モテていたらしいが、今はすっかり蛙化現象。非モテの仲間入りを果たした。 「13…やっぱり、数字的に悪かったかなあ…」 「関係ないでしょ。てかさあ、恋って結局なんなのー?モテって何???」 「まあ、モテとか気にせず行こう!真実の愛が大事なんだから!ボクもそのために、見込みのある人を告ってるんだし!」 『真実の愛』という、どこかで聞いたことあるフレーズを口にした友人を見る。 教室内と廊下に誰もいないのをもう一度確認。 そして、もう一度目の前の机に座っている男子を見た。 「何?」 男女差別が無くなってきた時代にいうのもどうかと思うが、この人が男なんて、変だ。 この人が好きなんて、変だ。 モテ期の女子が、かつてモテ期が来ていた男子に告るなんて、みんなどんな反応をするだろう。 「あのさあ、告るのやめてさ、告られてよ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー初めまして! 夜桜です。 将来の夢は、仕事しつつ、家事しつつ、小説家になることです! 夢に近づくために、短編小説を書き始めました。今後も描く予定ですー! よろしくお願いします!!! さて、今回はメジャーな恋愛小説を書きました。 最初は、女子の友達二人が、恋について話してる感じだったのですが、実は片方の子(あーさん)が男子だったという仕掛けをしてみましたが…どうでしょうか?わかりましたか?ちょっと分かりずらいかも…。 私、夜桜は小説家を目指してますので、ご指導・ご意見どんどんください!!! リクエスト・感想も待ってますー! タメ口・年下その他もろもろ全部オッケーです!(他の人が嫌になるようなアンチコメントはやめてください。ご指導はお待ちしてます!) では、また。
君に恋をした僕の、結局伝えられなかった思い。
好きです――。 この気持ち、結局伝えられませんでした。 「鈴~ただいまぁ」 凛とした綺麗な声が、僕にただいまと言った。 「おかえり!」と僕が返すと、「今日も部活頑張ったよぉ」と彼女が大きく伸びをして、僕に微笑みかけた。 彼女の名前は凛(りん)。名前の通り、凛としていて可愛い子だ。 彼女は今、中学3年生。 バレー部に入ってるらしくて、「大変だけど頑張ってるよ~!!」と言っていた。 その言葉の通り、凛ちゃんは毎日頑張って練習しているんだ。 そして、僕の名前は鈴(すず)。 僕は、凛ちゃんに片思いをしている。 でも、まだその思いを伝えられていないんだ。 「鈴~ただいまぁ」 「おかえり!」と僕が返す。「今日も部活頑張ったよぉ」と、彼女がお決まりの言葉を言う。 凛ちゃんは、学校帰りには必ず「今日も部活頑張ったよぉ」と言うんだ。 今、彼女は高校2年生。高校生になっても、バレー部は続けている。 そして、今日も僕は彼女に恋をし続けている。 高校生になるにつれ、凛ちゃんはもっと大人っぽくなって、もっと可愛くなった気がする。 僕はますます、凛ちゃんが好きになったんだ。 「鈴~、またね!」 泣き崩れながら、凛ちゃんが僕に別れを告げる。 今日は、凛ちゃんとの別れの日。 別れって言っても、また会えるんだけどね。 凛ちゃんは、自立するんだ。 社会人になって、世の中に飛び立つんだ。 僕は凛ちゃんに「行かないで!!まだ一緒にいたいよぉ」と言うけど、 凛ちゃんは「またね!鈴~!!!」と言うだけで、この家にとどまろうとしない。 凛ちゃんの両親も泣いていたけど、凛ちゃんがとうとう自立できることに喜んでいた。 僕がいくら「待って!!」って言っても、凛ちゃんには届かない。 待って、行かないで、まだ伝えられてないのに、『好き』って――。 彼女には、もうあまり会えない。 だから、心の中で彼女に告白した。 ――僕は、人間の凛ちゃんがずっと好きでした。今でも、君が大好きです。 僕は、猫でした。凛ちゃんに飼われていた猫でした。 僕は、寿命が来るまで、人間である凛ちゃんにずっと恋をしていました――。 猫である僕が、人である君に、恋をします。
この世で1番大っ嫌いな言葉
「可哀想に、、、、、、、、」 「大丈夫?」 、、、、、、、、、、なんでみんなはそんな無責任な言葉を使うの? 〈可哀想に〉? 本当は自分じゃなくて思ってるのに。 本当はただ他人事だと思っているのに。 〈大丈夫?〉? 大体の人は〈大丈夫?〉って聞かれたら、 「大丈夫!」って 答えるしかないのに。 なんでヒトはそんな無責任な言葉を使うの? 自分が良ければなんでもいいの? 、、、、、、、、、、、、私は。 そんな無責任な言葉ばかり使う人間が大っ嫌い。 私がこの世で1番嫌いな言葉。 それは〈大丈夫?〉と〈可哀想に〉
沙希とハル
こんにちは。設定がおかしくても許してください。どうぞ! 大丈夫。大丈夫だから。だからだから_____ 2年前 「おはよう!」「あ、おはよう」 私、紗希とハルとの何気ない会話が弾んでいる。 「紗希。昨日教えた一次関数、分かった?今日テストだよ?」 「だ、だ、大丈夫!昨日ハルに教えてもらったやつ、ちゃんと覚え、て、る、も。。。 もおおおおおおお!ハルの目線怖いって(泣)」 「。。。ごめん紗希笑」 この何気ない会話が私は大好き。 ハルはいつもクールで優等生。あまり人と話さない。でも色々あって私にだけは心を打ち解けている。 もう私とハルは 大親友だ。 私はハル。今は沙希と仲良くしている。けど。 私は裏切った。沙希を裏切ってしまった。 なぜなら、ボクは 男の子だから。 沙希は真っ直ぐに話しかけてくれた。沙希も一人ぼっちだったみたいだ。 「はっ!!!もしかしてひとり?女の子でひとりは初めて見た。。。!もし良ければさ。。。」 「友達になろ!。。。だよね?」 「あ。。いいの?」 「いいに決まってる」 沙希は明るくて元気な性格だけど裏では人見知りで割とおとなしめな性格だ。ちなみに違うクラスだ。 沙希は友達ができたらやってみたい事を話していた。 お泊まり、ゲーム、夜更かし、猫カフェ、、、 私は沙希が言っていたことにちょっと笑ってしまった。可愛かったからだ。 沙希は言った。「こういうのは女子でやるのが王道!!あ、男でやることを否定はしてないからね!」 ちょっと切なくなってしまった。だけど絶対楽しいだろうな。 そして2年後 ハルーーーー!沙希の声。今日はお泊まりの日。もちろん楽しみだけど自分のことを言う日でもある。 緊張するな。「沙希。待ってたよ」 今日は待ちに待ったお泊まり会!!しかもハルとなんだ!全力で楽しんじゃうって決めてる! そして深夜。 ハル、今めっちゃ楽しいよ!こんな機会を作ってくれてありがとう。 うん。一瞬会話が途切れた。 今だ!今言わなきゃ。あ、あの沙希。 どうしたの。。? 実は、 男なんだ。 声が震えた。たった6文字なのに。 だけど私は続けて言った。 実は前から女子になりたくて生きてて、中1になったら変わろうって思ってて。 それで、「変人」とか「気持ち悪い」って言われても、努力をしたんだ。だって自分の想いは止められないから。 だけどやっぱやだよね。女の子って思ってた子が本当は男の子だったのは。だめ、だめだよね。気持ち悪いよね 涙が出る。喋れば喋るほど。 沙希はうつむく。「。。。。。ハル」「____何?」 「ハル、なんでそんなこと思うの?なんでだめって決めつけるの?」「。。。。え」 「私は気持ち悪いとは思わない。絶対に。だっていくら悪口を言われてるのに自分の想いで全力で前に進むってすごいことだよ。ハルは、ハルはすごいんだよ!なんでそれをだめって思うの?それが私にはわかんないよ!?」 沙希。。。紗希。。うっ、、、私は思わず泣いてしまった。 ハル、大丈夫大丈夫、大丈夫だから。だからだから_____ 大好きだよ。 言えた。ずっとハルに伝えたかったんだ。そんなん気持ち悪いかなって思ってたけどこのハルのことを聞いて決意した。 言わなきゃって。 1年後 沙希。ハル!4月。桜の咲く4月。絶対この桜はハルと見るって決めてたんだ。 。。。沙希にそんなこと言われたら恥ずかしいって えええええ!照れてるのかなああああ???おおおおい!!やめろよ!!??? 今年も二人の声が響いている。 沙希 ハル「ああ、幸せだな」
忘れん坊な悪魔さん
黯鬼 魔味 (あんき まみ)。私は悪魔だ。急に何言ってんだって思うでしょ?でも、事実だからさ。 角?尻尾?そんなものないよ。あ、でも、その代わりに魔力があるよ。とはいっても、それ以外は特にないかな。 強いて言うなら、人間よりも頭いいし、運動神経もいいしー、、、ま、顔はフツー。 私さ、こう見えてちょっとは強いんだよ? んで、今日は悪魔と天使のお話し合いがあるらしく、ちょっとだけ強い私も、このお話合いに呼ばれてる。 ホントは家でのんびりしてたいんだけど、、、。いい加減、もうそろそろ行かないとかな。 〈話し合い会場〉 悪魔A「おーい、お前が座るとここっちだぞー。」 魔味「あ、そっちか、て、君久しぶりじゃん!」 久しぶりに悪魔の友達にあって話したりとか、天使くんらと簡単な挨拶をした。 もうそろそろ話し合いが始まる時間だ。 大悪魔「それでは、今から話し合いを行わせてもらう。」 大天使「はい。今回の話し合いの内容は、人間界の、、、」 と、話し合いが始まった。 大天使「、、、では、私達天使から、一人ずつ自己紹介を。」 続々と天使たちが自己紹介をしていく。 めちゃくちゃ美形だし、みんな礼儀がしっかりしていた。 ーーーあれ?あの子、見たことない天使だな。にしても、私よりも強くないかあの子。そして、ドタイプなんだが。 ?「初めまして。今回初の出席をさせていただきます。天矢輝羅(てんや きら)と申します。」 隣に座ってる悪魔Aと小さな声で会話をする。 魔味「ね、悪魔Aーあの天使クンさ、、、」 悪魔A「だよな、あれは危険だ。」 魔味「あの天使くん、私よりもやばいよ。」 悪魔A「絶対怒らせるなよ。」 魔味「そんな馬鹿じゃないから大丈夫だよ。」 お隣のめちゃ強い悪魔くんでも怯えてるってことは、相当やばいな。 しかも、あんなに強いはずなのに、『気づけなかった』ってことは、気配も消せるってことだ。私のドタイプな顔しておいてめちゃ怖いな。 そうやって会話をしていることを、殺意のこもった目で例の天使ー天矢くんに見られてるなんて、その頃は一ミリも気づかなかった。 〈話し合い終了後〉 あ゛ー。ようやく終わったぁぁ。 なんとかいい感じになって終わったし何よりだね。んじゃ、帰ろ、、、 天矢「黯鬼さん。」 魔味「!?」 全く気配がしなかったのに、急に後ろから話しかけられた。 しかもなんか怖い雰囲気っていうか、、、なにこれ、私今から殺されんのかな? 魔味「あ、初めましての天使くんだよね。どうかした?」 動揺をなんとか隠しながら、いつもどおりに答える。 天矢「覚えてませんか、、、しょうがない。」 その言葉とともに、私の意識はプツンと途切れてしまった、、、。 〈天矢視点〉 あの子、、、魔味は、とっても忘れん坊なかわいい悪魔。 だから、俺のことも忘れてんだと思う。でも、俺にはそれが耐えられなかった。 俺と魔味の出会いはちょっと昔。 天使と悪魔の話し合いの会があったあの時。駆け出しだった俺に話しかけてくれたのが魔味だった。 それはそれは可愛い笑顔で、『君、才能あるねー。』って俺のことを褒めてくれた。 当時出来損ないと言われていた俺はその一言で救われた。 だから、その後は必死に努力をして、強くなった。 でも、魔味は俺のことを覚えてくれていなくて。 それに、なんだあの隣にいた悪魔。 魔味となにコショコショ話してんだよ。なんで、魔味はあの悪魔と話して、あんな嬉しそうにしてるんだよ。 魔味は俺のものなのに。なんで、なんで、なんで、なんで、! 嫉妬に狂ってしまったのに加えて、魔味から忘れられていたもんだから、つい怒りに任せて攫ってきてしまった。 でも、連れてきたからには仕方ない。 俺がどれだけ魔味のことを愛しているか、たくさん甘やかして、教えてあげればいい。 そして、彼女が目を覚ましたときに、俺は言った。 「おはよう。忘れん坊な悪魔さん。」 〈黯鬼魔味-あんきまみ-〉 悪魔Aのことは、ただの仲いい友達としか思ってない。 実は、天矢を見たときに、『なんか見たことある気がするなぁー。』とは思っていた。 天矢に攫われたときは、最初めちゃくちゃビビっていた。 が、顔がドタイプだったのと、自分のことが大好きだったと知ってから、両思いになり、今では恋人としてうまくやれている。 〈天矢輝羅-てんやきら-〉 悪魔Aと魔味が楽しそうにしてたのが気に食わなかった。 それに加えて忘れられてたショックもあり、怒りに任せて魔味を攫ってしまう。 魔味が自分に怯えてるのを見て、しょうがないと思いつつも、ちょっと悲しかった。 そのため、魔味と両思いになれたと知ったときは、昇天しそうになった。今では恋人として案外うまくやれている。
愛の【呪い】
Prologue 『ねえねえ、知ってる?』 『なに?』 『この学校にね?昔だけど、地縛霊が居たんだって。』 『え!?それってマジ!?』 『いや、噂だけど……。知りたい?ww』 『うん!!!』 『wwえっと…………』 これは、戦国の世の一国の姫と青年のお話--- 「はぁ、今日も彼の方は迎えに来てくださらないのね…………」 私は小雨-コサメ-。もう400年以上前の今で言う戦国時代の…戦で滅びた小国の姫。 今は其の私が死んだ場所で地縛霊?として穏やかにと過ごしている。 ここは綺麗なお花畑。過去に沢山の戦で人と共に焼けて腐ったとは考える事も出来ない程に。 私はこの場所で大好きな人とある約束を交わしている。 ノロイ 彼は 「必ず迎えに行くからここでずっと待ってて。愛してる。」 私は 「いつまでも生きて。私は貴方様を愛していますから。」 と。 お互いに愛の呪いをかけ合った。 早く迎えに来て。早く解放してよ……… 私の愛しくて仕方がない人。 「迎えに来たよ………小雨」 「ッッ……………!!」 忘れもしない、中性的な声、当時は珍しかった柔らかな黄土色の短髪、優しそうな顔立ち。 気づいたら私は霞未様の胸に飛び込んで 「霞未様ッッ………かすッみ、さまぁぁぁ!!うわぁぁぁぁぁぁん!!!」 だらしの無い声を上げて泣き叫んでいた。 霞未様はそんな私の頭と背中を優しく撫でて下さった。 「よーしよーし、寂しかった、虚しかった、辛かった。ごめんね……。」 「……グスッ、ヒッグ………」 霞未様は私が落ち着くまでずっと宥めて下さった。 「そろそろ大丈夫?」 「あ、りがと、うござい、ます。大、丈夫、です。」 「……….じゃあ、そろそろ逝こうか。」 私と霞未様は静かに天へと昇って行った。 絡めた手をギュッと握り合いながら。 epilogue 『-----で!今は其処が密かに告白スポットになってて、其処で好きな人に想いを伝えたら恋が実るらしいよ(๑>◡<๑)』 『へぇ、でも其の告白スポット?何処にあるの?』 『いや~、これがまた謎なんだよねぇ…………。其処で告白した人は口揃えて、』 天から声がした って言ってる。
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ぽつん__と雨が降る日。私、時川 恋夢(ときがわ れゆめ)はもぞもぞと動く袋を見つけた。 ゆっくりと近づいて持っていた傘でちょんとつついてみる。 ビクッとその生き物?は跳ねた。えぇい。もう開けてやらあっ!そこら辺のガキんちょのごとく 思いっきり袋に飛びかかりパッと袋の口を開ける。そこには、耳まで口がさけて、目はランランと赤く燃えた化け物が... ということもなく少し濡れて毛がぺちゃんとなった茶色い犬がいた。 放置するのはかわいそうなので連れて帰って洗うことにした。 「母さんただいま~犬拾ったんだけど飼っていい~?」 「あんらぁ~♪れゆめちゃんが生き物を飼うなんて珍しいじゃなぁ~い♪いいわよ♪お世話はちゃんとするのよ♪」 と見事な親バカっぷりを添えた許可を貰った。早速風呂場に犬を連れて行きわしゃわしゃと洗っていく。 最初は温かいお湯にびっくりして震えていたが次第に気持ち良くなってきたのか終わる頃にはもっとお湯よこせぇ~とでも言いたげな顔でこっちを見ていた。 茶色の犬だと思っていたのはひどい汚れのせいだったようで今では真っ白で綺麗な毛並みだ。 しっかりタオルで水を拭いて乾かしてやるとふわっふわのぬいぐるみのようになった。よしっ。 お腹すいてるだろうなぁ...。なんか冷蔵庫あったかなぁ...。水を平皿に注ぎ、出すとぺちゃぺちゃと音を立ててすぐに飲んだ。 ササミくらいなら冷蔵庫にもあるし...。ごそごそと冷蔵庫を掻き回すようにしてササミを見事掘り当てた(?) 犬は満足げに綺麗に食べ尽くしたあと「くわぁっ」とあくびをして私の膝の上で寝てしまった...。 あ、名前付けなきゃだな。ん~...。大福みたいな色してるし、袋に入ってたからフクかな。 明日からどうしよう..。そう色々考えてる内に寝てしまった。 「...て!...きて!..起きて!!」朝からなんだろ~...って、ん!?んだこの状況は。 今私は、銀髪の無駄に()顔が整った人に起こされている。「ふぁっ!?誰...ですか!?」 「フクですよ。ほら、あの白猫です!弱っているところをれゆめさんに助けてもらったのです!だから恩返しに何か一つ願いを叶えさせてください!」 「え...ちょ待って...フクぅぅっ!?なんで喋れるの!?立ってる!?しかも人間!?イケメンだしいぃっ!ブフォッッ_(:3」z)_」 「あ~あ~w落ち着いてくださいw僕はそうです。話せて人間の姿にもなれますw魔法使いの犬なのでw」 「ぬぇっ!?魔法使い!?本当にいたんだぁ...!」 「はい。いますよ。近くにも意外といるんですよ。2丁目の薬屋さんとか...近所のKIZNANパン屋さんとか...おっと企業秘密を...。今のことは忘れてくださいませ」 「はいはい!提案!フクも人間界気になることあるだろうし交互に質問しあうのはどう?」「いいですね!」てな感じでかれこれ暮らし始めて数ヶ月...。それは初雪の日のことだった...。 「フク~!今日ね、雪降ったの!一緒に遊ばない!?」「れゆめよかったねwけどこんなイケメンと遊んでたら嫉妬されちゃわない?w」 「え~w嫉妬も何もご自由にお持ち帰りください~的な?」「おいw持ち帰りってw」というような冗談を言い合う仲にもなっていた。 だか急に黙るフクを見て私は「どうかしたの?」と思わず尋ねた。「あのね...。僕、れゆめに助けてもらったでしょ?で、ご主人様から『初雪の日までに恩返しをしてから帰ってきなさい。』ってテレパスを受けて...。 どうしてもれゆめと離れたくなくてさ...。言うの遅くなってごめん...。だからさ、願い言って?今までありがとね...!楽しかった。」 「そっかぁ...。私も楽しかった...。こちらこそありがとう。願いかぁ...。それってなんでもあり?」「願いを増やしたりするようなずる賢いのはだめ。」 「ん~...じゃあ、これで!フクと一緒にいたい!」「...!?」「だって魔法使いの犬はまだたくさんいるでしょ?私、フクと一緒にいたいから。」 「れゆめ...!ありがとう!けどね、ご主人様の元を離れると契約が切れて人間の姿や、人語を話せなくなっちゃうの。それでも一緒にいてくれる?」「もちろん!フクはフクだもん!!」 「その願い、受け入れた。これでもう話すのは最後だね。今までありがとう。それと...大好き___」ボフンッ...フクが犬に戻った。 「うん...。フク...。本当は私も好きだった...。けどこれからは一緒にいられるよ?もっとはやく言ってよ..w」「ワンっ!」そっちこそはやく言ってよwそんな感じに聞こえた。 どもぉぉお!アンダーバー様大好きぃ!作者の琥珀きゅんですっ☆((( 感想どしどし待ってまぁぁぁすっ!
7月7日
「あっつ...」 空にある太陽が私の肌をジリジリと照りつける。シンプルな白いブラウスの中は蒸し変えるように暑い。額から滲む汗を清潔なハンカチで拭き取り、電車に乗り込む。ひんやりとした冷気が首元を通過して心地よい。 高校生活最後の夏。 夏は嫌いだ。海沿いの街だから砂浜から運んでくる潮風と汗とでベタベタして気持ちが悪い。登下校は電車に乗ってしまえば良いけれど、屋外の保体の授業は、正に地獄と言えた。車内のアナウンスが響く。あ。次で降りなきゃ。 この涼しい空間にいられるのもあと少しだと思うと、憂鬱な気分になる。ゴトンッ、と音をたてて電車の小さなドアが開く。ちょうどその時、 二人の高校生カップルとぶつかってしまった。 「すみません」 私はすぐさま二人に頭を下げる。しかし、男生徒は私に冷えた目を向けてきた。かと思えばすぐに彼女に向き直り、愛想よく笑っている。 これだから、恋愛は嫌いだ。恋人とか愛人とか情人とか。そういう関係が面倒くさい。大体、私達は高校3年生であり受験生でもある。そんなことをしている暇は自分にはない。私にとって恋愛とは...そう、一生使わないような古びた麻紐のようなものだ。 「最悪」 ぼそりと車内に悪態を吐き捨てると渋々、電車から降りた。 やばい。クラクラする。 保体の時間。屋外で50m走。運動は得意な方だ。小さい頃から走り回るのが好きで、よく両親を困らせていたらしい。しかし、今日は調子が悪い。思うように走れず、先生にも友人にも心配されてしまった。 大丈夫。私はまだできる。ちょっと立ちくらみがするからって、大したことはない。こんなの走っていれば、そのうち...。突然、グラァ...と視界が歪んだ。一瞬、周りの音という音が全く聞こえなくなった。 みんな、顔が怖いよ。 眉間にグッとしわを寄せて、先生までそんな顔して。あれ...。もしかして私、みんなに嫌われちゃった? 不意に目を開けると、優しいピンク色のカーテンが飛び込んできた。枕も、いつも私が使っているものではない。つん、と香る消毒液の匂い。そのことから、ここは保険室なのだと悟った。シャッッッ、と勢いよくカーテンを開けられる。すると、見たこともないような男生徒が立っていた。黒髪と茶髪がまじったような珍しい髪色。今にも吸い込まれてしまいそうな眼光。優しい顔立ちをしていて、つい見つめてしまった。 それを見た瞬間、私の胸の中でプツン、と何かが切れたような音がした。窓から吹き込む風が頬を撫ででゆく。 星ひとつ見えない。午前11時。 7月7日。高校生活最後の夏。君に恋をした日。