短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
幸せな日々を奪いたくなかったから、でしょ?
主人公 渉(わたる) ・イケメン、野球部のレギュラーでスポーツ万能、静かでクール系の男子、彼女の梨央(りお)とは 5年間付き合っている 梨央(りお) ・学校で一番モテる、可愛い系でスポーツも出来る女子の憧れ的な存在 「おはよー、渉」 いつも通りの時間に待ち合わせ場所に来る梨央。手にはいつものように俺と自分の弁当が入った紙袋を持って。 「おはよ」 「あのねあのね!昨日、美亜(梨央の友達)と遊んだんだけど・・・」 俺は梨央の話を聞いているふりをして別のことを考えていた。 余命1ヶ月、 俺はもうすぐ病気で死ぬということを。 今は医学の進歩とやらで普通に生活できている。でも、いつ死んでもおかしくない状況だった。 俺が数年後死ぬことは3年前には分かっていた。でも言い出せなかった。世界一大好きな梨央から幸せな日々を奪いたくなかった。だから言えなかった。いや、言いたくなかった。 「ちょっと!聞いてる??」 「あ、うん。それで?」その時、お腹に激痛が走った。 「うっっっ!!!!」 お腹を押さえながら歩道の端に移動し、しゃがんだ。差し込むような腹痛。病気の症状だ。 「ちょ、渉!?お腹痛いの!?」 「痛い・・・苦しい・・・」 その後、道で倒れたところまで記憶がある。周りにいろいろな人が集まっていた記憶もある。 目が覚めたら病院のベッドの上だった。 隣には梨央がいた。 「渉・・・病気、だったんだね」 「・・・」 「聞いたよ。言ってほしかった。けどさ、多分だけど私に病気のことを言わなかったのってさ、私から幸せな日々を奪いたくなかったから、でしょ?」 「・・・」 意識が遠のいていく。ベッドのそばにある心拍数をしめす機械が部屋に鳴り響いて、医者や看護師、家族が集まってきたようだ。 「大好き。大好き。大好き。」 梨央の声が聞こえた後、唇に何かが触れる感覚がかすかに伝わってきた。
これが少女漫画?
私の名前は紗菜恵。高校一年生。 少女漫画が大好き! 私も少女漫画の主人公みたいになりたいなぁーって思って、色々実践してみたんだ! -ピピピピピピ- はっ!もう朝だ!でも、わざといつもより30分遅くセットしたから急がないと! 今日は遅刻する予定なんだ! なぜかって? 少女漫画によくあるシチュエーションなんだけど、パンをくわえて走って、イケメン男子と角でぶつかるため! 「あれ?紗菜恵。朝ご飯は?」 やっぱり!そう言われると思ってた!用意してた返事を言おう! 「時間ないから、パンだけでいい!」 あれ?パンが渡されないぞ? 「ごめん!パン昨日買い忘れちゃって、今家に一枚もない!」 なんだと!作戦その1は失敗だ! でも、ご飯を食べてる時間なんてないからいってきまーす! はああ。お腹空いたし。よく考えたら私の家付近でイケメン見たことないわ。 でも、落ち込んでるヒマなんてない。次は作戦2!電車で生徒手帳を落として、イケメンに拾ってもらう! -ポトッ- 良い感じ!誰か拾ってね! ドキドキするぅ!? -つづいては、○○学園前- えー!もうついちゃった!しかも生徒手帳誰かに踏まれてるし! はああ。少女漫画なんて、嫌い! でも、やっぱり少女漫画みたいな出会いしたいから、作戦3! 図書室に行って、高い所の本を取ろうとして、イケメンの男子に「大丈夫?」って言われる! 「うーん。とれないな~」 誰か気づいて! 「あの、、、。」 あっ!きた!努力が報われた! 「踏み台使えば良いと思いますけど。」 はああ。 もう!諦めるわ! でもやっぱり少女漫画みたいな出会いが良いよー!
トモダチ実験
私は咲桜(さくら)。至って平凡な小5。私は、私のクラスの3人グループが実験をするらしく、説明を受けた。私はもちろん参加していない。その実験の内容が、「美優をわざと無視して、美優がどんな反応をしてくるのか」らしい。私は少しドキッとした。言わないでおこう、と思った。次の日、私はグループの子達とすれ違った。「実験、どうなの」とつかさず聞いた。「うん、今日から。」とリーダーの子が言ってくれた。そして、私もこっそり実験を見ることにした。見ていると、本当に美優を無視していた。美優が「今日、一緒に帰れそう。」と聞きかける前に前を行った女の子達。私は少し怖く感じた。 待って。 もしここで美優ちゃんにこの事を言ったら美優ちゃんのためだけど、あの子達のためにはならない。言わなかったら、あの子達のためにはなるけど、美優ちゃんのためにはならない。私は複雑な心境のまま、廊下の曲がり角に立っていた。
私を忘れて下さい
「もう、別れよう。 …それと、私の事はもう忘れて。」 どうして君はそんなこと言うの? 僕は坂本健太(さかもとけんた)。僕には彼女がいる。 「けん、もう行こ?」 この子が僕の彼女・臼見葉月(うすみはづき)。めっちゃ美人なんだよ。 「分かった、どこ行く?」 「遊園地と海。」 「了解。」 見た目は大人っぽいのに、精神年齢はかなり低い。子供みたい。 まぁ、そこも可愛いんだけどね。 私は臼見葉月。私には彼氏がいる。 「はい、チケット。」 彼が恋人の坂本健太。すごくかっこいい。 「ありがとう。」 優しくて、紳士で、彼の家族もすごく良い人たちなの。 でも、私は今日、彼に別れを告げる。 なぜなら、私の記憶はもうすぐで全て消えるから。 若年性アルツハイマーなんだって。 普通の人は徐々に記憶が消えていくらしいんだけど、 私は一瞬で消えてしまうらしいの。 なんで私なんだろうね…。 遊園地ではしゃぎまくった僕たちは葉月の希望で海に来ている。 でも、なんだか葉月の元気がないような…。 「遊園地、楽しかったね。」 「…そうだね。」 「海、きれいだね。」 「…そうだね。」 「葉月、どうかした?なにかあった?」 「…あのね、健太。」 葉月が僕の事を『健太』って呼ぶのは真剣な話の時だけ。 「なに?」 「…。」 「話しづらいことなら、ゆっくりでいいよ。」 「あのね…。もう別れよう。 …それと、私の事はもう忘れて。」 え? 「なに言ってるの?」 「もう別れて。」 「なんで、僕、悪いことした?じゃあ、謝るから。 なんでそんなこと言うの?理由、教えてよ!」 「理由、教えてよ!」 そう言う健太の顔は見れなかった。 「ごめんなさい。」 健太がなにか言うのを待たずに私はそこから走り出した。 「本当にごめんなさい。健太の事は大好きだったよ。」 私たちは3周年という記念の日に別れた。 私の辛さをあざ笑うかのように冷たい風が吹いてきた。 「あれ、葉月ちゃん?」 誰かに名前を呼ばれる。 「誰ですか?」 そう言いながら後ろを向くと、健太のお姉さんの彩歌(あやか)さんが立っていた。 「え、なんで泣いてるの?そういえば健太は?」 「あ、あの…。」 私は彩歌さんには話すことにした。 だって、いつも優しく接してくれる本当のお姉ちゃんみたいな人だったから。 「そんなことがあったの…。」 私は全てを話した。 彩歌さんはうんうんと頷きながら聞いてくれていた。 私は怒られると思っていた。 だって、大事な家族を傷つけられたら、みんな怒るでしょ? けど、彩歌さんは違った。 「葉月ちゃんも辛かったよね。」 「え…?」 「ごめんね、苦しんでいるのに姉弟共々気づいてあげられなくて。」 「いえ…。言わなかった私にも非はありますし…。」 「すごく優しいのね。健太が傷つくとか思って、言わなかったんでしょ?」 「はい。」 どうしてこの人はいつも私の予想外をいくんだろう。優しすぎるよ…。 「あのね、葉月ちゃん。私に言ってくれてありがとう。 これから辛いと思うけど、頑張ってね。 それと、健太を愛してくれてありがとう。」 「え?」 「あの子、いつも葉月ちゃんの事、幸せそうな顔して喋るの。 健太は葉月ちゃんがすごく好きだったんだと思うよ。」 「うそ…。」 「ふふ、ホントよ。今まで、健太を愛してくれてありがとう。 今日の事は2人だけの秘密よ。 葉月ちゃんは、葉月ちゃんの幸せを見つけなさい。 葉月ちゃんなら大丈夫だから。」 そう言って彩歌さんは行ってしまった。 「ありがとうございます!」 私は彩歌さんの背中にお礼を言い続けた。 私はすごくいい人たちに出会ったみたい。 ありがとう、健太、彩歌さん。 次の日、葉月は記憶を無くした。
悪夢の教室
私、果菜。実は、いじめられている。 いじめられる理由としては、私の気が弱くて、なにも言い返さないから。 あとは、いじめられてた親友、果帆を助けたから。 「もうやめてよ。」[嫌だ~!ww]「誰か助けて…」[キャハハハハ![誰か…助けて…! [じゃあさ次は、果帆がやってよ!]『えっ…?』[ほら~、早く~!ww]『う、うああああ!』「痛い…」手の甲にできたアザが痛い。果帆に殴られたとこ。「はあ~、もう嫌だ。」─翌朝─『果菜ちゃん!』「果帆…」『私…あの…昨日はごめんなさい!』「いいよ、別に」『あの、私、』「大丈夫だよ。」『あのね、私、果菜ちゃんにしたことを心愛ちゃんに謝らせたい』「果帆、ありがとう。その気持ちが嬉しいよ。私は、果帆がいじめられたら嫌だもん。」『でも…!私は、いじめられてもいいから果菜ちゃんと一緒にいたい。』「ありがとう。一緒に行こ。」『…うん!』私たちは、悪夢の教室へと歩きだした。 『』→果帆 「」→果菜 []→心愛 いじめを題材とした小説です。 もし、あなたの友達がいじめられていたら、勇気を出して、声をかけてあげてください。 きっとそれだけでも、安心しますから。
あなたがいたから私は
あなたがいたから私は強くなれた。笑うこともできた。新しいことにも挑戦できた。友達もできた。なのになんで...? いつも私に元気をくれる親友の奏馬。彼はいつも、私のはるか先を歩いている。 そんなある日、奏馬から突然言われたこの言葉。 「春になったら、引っ越すんだ。」 私は信じられなかった。信じたくなかった。奏馬を失うなんて考えたくもなかったから。 私は、どうしたら奏馬に感謝の気持ちを伝えられるか考えた。 そして、一緒に過ごす最後の日。 「どうしたの?急に呼び出して。」 「奏馬。今まで...ありが..とう。 奏馬のおかげで...強くなれた!」 自然に涙が溢れていて言葉が時々つまる。 「でも..!強く生きます。いつかまた、 奏馬に会う時は...」 「ありがとう。助けられてたのは僕の方 なんだ。君と過ごした時間は宝物だ。 絶対また会おうな!」 「うん!」 開きかけの桜が二人の涙と友情をのせて春の匂いをちらつかせたのだった。
桜に願いを(めっっっっっっちゃ長い)
《「ねえ、桜の花びらに願い事しよ!叶うんだって!」 そう言って彼女はにこっと笑う。 「お前そんなの信じてんのかよw」 彼はおかしそうに言う。 「とか言いいつつ乗り気じゃんっほら颯も!」 3人で一枚ずつ花びらを拾った。僕の願いは1つ『ずっと3人で一緒にいれますように』》 夏休み、光也とならんであるいていた。すると白いワンピースを着た懐かしい女の子が立っていた1年ぶりに僕らの前に姿を見せた彼女はすっかり変わっていた。 「!美玲!?どうしたんだよ!」 光也は叫ぶ。それも仕方がないと思う。1年前からは想像できないほどすっかりやつれてしまっていた。 「あはは……ビックリするよねーゴメンちょっと病み上がりでね……」 「そうなんだ…大丈夫?美玲」 僕も声をかける。 「うん、ありがとう」 声はか細く、元気のないように聞こえる。風が彼女のワンピースをゆすった。 3人で思いでの場所に来た。小高い丘の上の桜の巨木。昔、願いをしたところだ。結局叶わなかったけど。 1年前の夏、美玲は東京に引っ越していった。遠いからずっと会えなかった。電話で聞いたのだが、彼女は向こうで友達とうまくいってなかったようだ。できることなら助けてあげたかった。昔、美玲がそうしてくれたように。ずっと泣いていた僕を泣くしかできなかった僕を助けてくれたように。 僕らは今まで遊べなかった分、たくさん遊んだ。みんなでタイムカプセルを埋めた。美玲がこっちにいられるのは3日だったから、無駄にしないようにずっと遊んだ。 最後に美玲は寂しそうに笑って言った。 「今までほんとにありがとね。忘れないでね。ずっとずっと。」 なんだか胸騒ぎがした。でも確信が持てなかったから気にしなかった。これをあとから後悔することになった。 1週間後、母は僕にこう言った。 「美玲ちゃんが…亡くなったって…病気だったんだって…光也君の家に行っておいで。」 体が重くなっていって気づくと光也の家まで無我夢中で走っていた。 そこには美玲のお母さんがいた。 「二人とも、美玲と仲良くしてくれてありがとうね…あの子は病気でここに帰った時には余命数日って言われていたの。ごめんね……タイムカプセルをうめたんでしょう?あのこの見てあげて」 二人で急いでタイムカプセルを埋めた桜の下に来て掘り起こし、読んだ。 『遺書 二人がこれを読んでいる頃、私はもうこの世にいないと思います。教えられなくてごめんね。こっちに帰ってきた理由は最後に二人と昔みたいに過ごしたかったからです。教えたら、笑顔でお別れなんて、できないと思ったから。二人が私を思い出すとき、笑顔を思い浮かべてくれたらうれしい。私は大きい病院で見てもらうために東京に引っ越しました。でも、もう治せないんだって。昔からずっと一緒で、誰よりも二人が大好きだったよ。何よりも大切だったよ。天国で、面白い話待ってるからね。お土産も忘れないでよ。それまで、待ってるから。だから私の分までずっと生きて、たくさん笑ってね。今までありがとう。大好きだよ。ばいばい。』 僕らの頬を涙が滑っていく。もう美玲には会えないのだ。美玲の分まで、笑ってって言われたのに、涙が止まらない。 「どうして、どうしてだよ!」 光也も隣で泣いていた。 「見て光也、なにか…入ってるよ」 それは桜の花びらだった。するとどこからか彼女の声が聞こえてきた気がした。 『私の願いは-』 ~ある日の病室~ ある少女は涙を流していた。 「1年越しの私の願い、叶ったよ…ありがとうございます……颯に笑顔が増えますようにっ……」
【短編小説】命のロウソク(初投稿)
私のロウソクは、残り三本である。 ロウソクとは、誰もがご存じのとおり、真夜中にぽつんと灯る、あのロウソクである。しかし、私のロウソクは、ただのロウソクではない。 命のロウソク。 毎日、少しずつ溶けていき、寿命を、時間を消費していく。そしていつも、溶けきる頃には、夜明けなのだ。 ……それから、もう一度言うと、私の命のロウソクは、残り三本である。 はじめの頃は、この命のロウソクが消費していくことに、辛さを感じていた。胸の奥がきゅうっと掴まれたように苦しくなる感覚は、今でも覚えている。 しかし、今では胸の奥の締め付けは消え、いつの間にか、苦しさも消えた。 …少し長い話になってしまったけれど、要するに、“逆らえない運命”というものなんだろう。 私の運命について考えてみたいけれど、もうロウソクも溶けきる頃だ。今日は、おやすみなさい。 命のロウソク、残り二本。 最近、カフェテリアでよく彼と話す。彼は、素敵な銀縁眼鏡をかけていて、本が好きだという。 今日は、彼に一冊の小説を貰った。正直、小説は小難しいので苦手だけれど、素敵な表紙だったので、貰うことにした。 家に帰ると、ベッドに横になりながら、今日貰った小説の表紙を見つめた。 夕暮れで朱に染まった、踏切が描かれた表紙。 私は、夕暮れが好きだ。夕暮れの柔らかい光は、凍てついた私の心を、優しく暖めてくれる。 命のロウソクが、どんどん消費されていくことに怯える私は、いつも夕暮れに癒された。穏やかな夕空も、柔らかい光をもつ夕日も、全部、全部が私を包み込んでくれた。 …ふと、今の瞬間に何かがよぎった。 もしも、命のロウソクが全て、尽きてしまったら。 この想いも、私の何もかも、消えてしまうのだろうか。 そう思うと、当たり前のように過ぎていくこの時間も、何だか愛おしく思えてきた。だから、今日は一日中この本を読むことにする。読み終わったら、また読み返すので、時間は無駄にならない。私って、なんて頭がいいのだろう。 命のロウソク、残り一本。 昨日の夜は、ずっと小説を読んでいたので、眠れなかった。主人公の死の間際の、「“また会う日まで”」というセリフが素敵で、何度も何度も読み返した。 しかし、今日は最期の日。 大変特別な日なので、小説は読まないことにする。 彼は、雨の日も、風の日も、私が遅刻した日も、苦いコーヒーと小説を片手に、ずっと待っていてくれた。多分、今も待っている。 だから、私が来なくて困っているだろう彼のために、 私は今から、彼へ手紙を書く。 そう、考えたものの……。 どうやら、寝てしまったみたいだ。昨日の夜更かしが祟った。今は何時だろう。 ふと、窓の外を見ると、空は夕焼けに染まっていた。 柔らかい夕日の光が、部屋全体を包み込む。 何をしていたのだろう。えっと…。 そうだ、手紙だ。 書かなくては、と思い、机の上の鉛筆を手に取ろうと… したけれど、空を掴むだけだった。机の上には、用意した便箋と封筒と切手だけ。 鉛筆がない。どこかに転がり落ちたのかと思い、探したけれど、鉛筆はどこにもなかった。 今、時間は無駄にできない。仕方ない、ボールペンで書こう。 便箋も、封筒も、残り一枚。ボールペンだから、書き直しはできない。一発勝負。 書かないと、と心の中で思いながら、ペンを握りしめた。 夕日の射し込む部屋で、私は慎重に手紙を書きながら、色々なことを思い返した。 私は…小さい頃から、優しいものが好きだった。 優しく柔らかい光も、優しくうなじを撫でる風も、優しい声で歌う、子守唄も。 まるで夜明けの日のように優しく、朗らかに微笑む彼も…。 ロウソクの光も、優しかった。仄かで儚いけれど、暖かくて柔らかい光だった。 命も、まるでロウソクの灯火ように、儚くて、優しかった。 小さくなった命のロウソクを見つめ、私は、目頭が熱くなるのを感じた。 ……世の中には、“逆らえない運命”っていうものがある。 でも、私はその運命の中でも、楽しくやれた。 もう、大満足だ。 その時、胸の奥がきゅうっと締め付けられるような感覚がした。 あと少しで、この夕暮れともお別れだ。 私は、命のロウソクを目の前に、彼に貰った小説を読み返した。特に、主人公の最期のセリフを、何度も、何度も繰り返し、読んだ。 この頃、カフェテリアで彼女の顔を見ない。心配を抱きつつも、おもむろに郵便ポストを覗くと、中には封筒が入っていた。 自分宛のもので、カフェテリアで出会った彼女の名前が書かれている。 直接渡せなかったのには、何か理由があったのだろうか。 愛用の銀縁眼鏡を指で軽く押すと、封筒の中の手紙を出す。 手紙には、長い文章は書いていなかった。 ただ一文だけ、書かれていた。 “また会う日まで” と。
今年は少し違う
いつも、この季節は周りが賑やかだった。 お弁当なるものを食べる人、遊ぶ人、寝転がって眠る人。だが、今年は少し違う。口に紙切れをつけ、人々は私の目の前を通り過ぎる。 「今年はお花見出来ないね」 なんて話しながら。 わしは悲しい。いつもは人に囲まれて楽しかったのに、今年はそうじゃない。 美味しそうなハンバーグという茶色い塊や、薄茶色の唐揚げという食べ物や、人の笑顔が見られない。わしは悲しい。人の笑顔を見るのが楽しみだったのに。遊ぶ子供たちの笑顔を見るのも楽しいが、食べ物を見るのも楽しいのじゃ。 来年になるまで、わしは子供達の明るい笑みを見ている。
お兄ちゃんごめんね
私には年の離れたお兄ちゃんがいた。 私が10歳のときお兄ちゃんは19歳だった。 お兄ちゃんはいつも私に優しくしてくれた。 お兄ちゃんはいつも私を可愛い可愛いって頭を撫でてくれた。 勉強もいっぱい教えてくれた。 いつも助けてくれた。 私はお兄ちゃんが大好きだった。 でも私は中学生になって段々お兄ちゃんに反抗するようになった。 本当は大好きなのに、大嫌いと言った。 頭を撫でるのも鬱陶しいと言った。 ある日大喧嘩をした。 私は家を飛び出した。 お兄ちゃんは追いかけてきた。 私は車に引かれそうになった。 お兄ちゃんは私を庇った。 私は車に引かれずにすんだ。 私は。 そのあとは頭が真っ白になって何がなんだか覚えてない。 ただ頭の中には救急車のサイレンがずっと響いていて、気が付いた時にはお兄ちゃんはもういなかった。 お兄ちゃんはもう帰ってこない。 目から涙がポロポロ溢れるだけで言葉も泣き声も何も出ない。 後悔したってもう遅いのに、全部私が悪いのに、私があのとき家を出なければ、あのときもっと素直になっていれば。 頭のなかはあのときの会話だけだった。 「私、お兄ちゃんと同じ、消防士になる。」 「ダメだ命に危険が及ぶこともあるんだ。」 「私はお兄ちゃんと同じ仕事をするよ!!」 「お前は幸せな家庭を築いて幸せに暮らしてくれ。」 これも不器用なお兄ちゃんの優しさだったんだな………。
大切な友達
私の名前は友梨花(ゆりか)。14歳の中学2年生。実は今まで不登校で、今年からまたちゃんと学校に行くと決めた。 私が学校にいってない間、みんなは何をしていただろう。そんな事を考えると、あっという間に学校にたどり着いた。 教室に入る。みんなが私を見る。その目は軽蔑の目だった。そして何も無かったかのように"いつもの"空気に戻った。 私にはその"いつもの"が疑問でしか無かった。不登校だった人が勇気を振り絞って学校に来たのに。 よく家にプリントを届けてくれる仲のいい友達、愛菜(まな)が私の所に来た。「久しぶり!!また一緒に外で遊ぼうよ!!」 と声をかけてくれた。愛菜の優しさに感動してしまい、私は感極まって思わず泣いてしまった。 そのタイミングで担任の先生が入る。先生が「どうした?」と言った。私は、愛菜が親切に私には声をかけてくれたことに感極まって泣いてしまった事を伝えた。 その日のホームルームで先生が私の事に関して話をしてくれた。「皆、今日は友梨花が勇気を出して学校に来てくれた。クラスメイトが増えたね!これからもみんなで頑張ろうぜ」と言った。 その日は記念に写真を撮った。みんな笑顔立った。次の日から、みんな私には普通に接してくれるようになった。あの日先生があの言葉を発していなかったら、今の私はいない。 先生、ありがとう。愛菜、ありがとう。 みんな、これからよろしくね!!
朝に溶ける
ー夜の世界から現て朝の世界へと溶けていくー 「あーあ、バス逃しちゃった。夜のパートだからしょうがないんだけどさ…。」 私はそんなことを呟きながら、バス停に向かった。バス停には1人の青年がいた。年は同じくらいだろうか。私は無言でベンチに座った。すると、 「あの、髪に葉っぱついてますよ。」 と言って青年は私の髪から葉っぱを払ってくれた。 「ありがとうございます。さっき風が吹いたときについたんだと思います。」 「あぁ、確かにさっきは強い風が吹きましたからね。」 それから私達は意気投合し、喋りあった。 「あ、やっとバス来た。あの、明日も話せますか?」 「えぇ…。ですが、僕は朝が来ると光に溶けて記憶が消えてしまうんですよ。だから、きっと僕はあなたのことを忘れてしまいます。」 その言葉の意味は次の日にわかった。 「えっとあなたは…?」 私は彼に昨日のことを話した。 「ごめんなさい…。覚えていません。」 「そうですか…。」 それでも、彼と話したかった。だから仕事がない日でも彼に会いに行った。 「今日は月が綺麗ですね。」 「そうですね。」 「…貴方が朝に溶けるときってどんな感じなんですか。」 「そうですね。僕は毎回記憶がリセットされるのでしっかり覚えていないですよ。そうだ!貴女が見てみるのはどうですか?それで明日、僕じゃない僕に教えてください。」 数時間後、朝日がのぼった。彼の体がキラキラの欠片となって光に溶けていく。掴んでも手から光が溢れていった。私の頬を一筋の涙が伝った。 今日もまた、彼じゃない彼に出会う。
普通の感じ方
普通とは、当たり前、珍しくないという意味がある。 みんなは、普通という言葉を使ったことがあるだろうか。あまり使わなくても、使ったことがない人はいないだろう。 でも、感じ方、行動の仕方に、普通という言葉はいらないと思う。 なぜなら、自分にとっては全て普通だから。 つまり、おかしいという人は、自分の理想を相手に押し付けているわけだ。 例えば、一年生の歩く速さ。 自分にとっては遅くても、一年生にとっては精一杯なのだ。 だから、遅いとか、言わないように気をつけている。 これを見て、普通の感じ方が変わった人も居るだろう。いない人もいる。でも、おかしくない。 相手にとっては、それが普通だから。
【短編小説】言葉の大切さ
『ねぇー!好きな言葉と嫌いな言葉 クイズしよー!』 「え?いいよ?じゃあ私からね」 『うん!』 私はある言葉が好きなんだー。 その言葉は心を込めて言うもので、言う人はとても少ないんだけど、言われたら、すっごい嬉しいの。こちらから言う時も私、すっごく嬉しい気持ちになるんだ。 そんな私でも ある言葉が嫌いなんだ。 その言葉はとても良い言葉なんだけど軽々しく言う人がたくさんいてねー その言葉の意味も忘れてるように、 言う人がいるのが許せなくて嫌いなんだー。 「私が好きな言葉良いでしょ~」 『うん!でも嫌いな言葉の理由しっかりしてる~』 「ちなみにどっちがなんて言う言葉だと思う?」 『えー?難しい…教えて!』 「教えな~い」 『えぇ…』 終わり
空になりたい。
ふと、思うことがある。 空って、いいな。 空になりたい。 いつも、誰かに想われてるから。 みんなに見捨てられ、誰からも想われなくなった私とは違う。 澄んでる時も、濁ってる時も、 夕日に照らされて美しく輝やいたり、雲という荷物を抱えて泣いたりしてる時も、 きっと、誰かいつも空のこと考えてる。 時に美しさに感嘆され、時に誰かの思いを繋ぐ。 そして時に、誰かの命や想いを、奪うこともある。 けれど、誰かに想われながら、悠々と青くいる。 そんな彼女に、私は憧れる。 私にはない強さを、彼女は持っている。 その時、空は私にささやいた。 君を想う者が身近にいなくとも、君を想っている者がいる。 それは、私たちだ。 地球、海、陸、そして空が、いつも君を見守っている。想っている。 だから、踏ん張れ。 力強く踏ん張っていれば、君を想う人間も、必ず現れるから。 と。
ココニイルヨ…。
蝉の声が響く夏の事 私は、凪咲。今年で13歳。 今年やっとスマホを買って貰える。 友達とメールをしたかったから 嬉しい。 って、そんなことはどうでもいいんだけど。 今日、学校で、こんな噂を聞いた。 「この辺ね、戦争の時代に、 13歳の女の子と、7歳の女の子が 死んじゃったらしいよ。」 「え、なにそれこっわ! そんなん信じるわけないじゃーん あはは 笑。」 という噂。 でも私は、心の奥底のどこかで、 怖がっていたかもしれない。 ある日の事。 ピコンッ。 あれ?あ、メールだ。 誰から? んんんっ?す、すず? 宛先のすずという文字。 こ、こんな人知らないっ! 登録してないっ! メールの内容は、 ココニイルヨ それだけだった。 うわーなにこれ。なんか気持ち悪い。 怖い。 ま、迷惑メールみたいなもんか。 しーらない。 プルルルル え、何?今度は電話? すずって人からだ。 電話に出て明日みんなに話そ! は、はい凪咲です。 ココニイルヨ プープープー あ、切れた。 何これ。 怖い。 やだ。 ココニイルヨって何? まさか、学校での噂が関係してるとか? いや、ないない。 噂なんて嘘に決まってる。笑笑 と、私は噂を信じてはいなかった。 次の日 「ねーねー結奈~」 「何?凪咲」 「あのね、昨日ね、すずって人から電話があって、ココニイルヨとか意味不なこと言ってきたんだよ! ウケるよね!」 結奈のの顔があおざめた。 「そ、それ、」 「ん?何?」 「私も、聞いた話なんだけどね、 こないだの噂、覚えてる? その、戦争で死んだ姉妹のお姉ちゃんの方の名前が、すずって言うんだって。」 「え?そ、そんなわけ…」 「で、凪咲、メールと電話が来たって?」 「う、うん」 「それヤバイよ! あの、噂なんだけどね、 すずって人から電話やメールが来たら、お祓いしないといけないらしい。でも、私もよくわかんないんだよね。ごめん。 あ、あのさ、幽霊に詳しい人とかに連絡してみれば?多分それが一番いいと思う。」 「う、うん。そうしてみるよ。」 もー、もーっ! 最悪!霊とかにとりつかれたりとかしてたらどうしよう。 スマホなんか買ってもらうんじゃなかった。 もう、とりあえず幽霊に詳しい人に連絡してみよっ。 「は、はい。私は、椎名凪咲といいます。中野さんですか? はい。よろしくお願いします。 そうなんです。すずちゃんの件なんですけど…。」 「今から私の言うことを聞いてくださいね。」 中野さんとは、幽霊に詳しい霊媒師さん。 「はい!なんでも聞きます!」 「その、スマートフォンを、近くにある海へ投げ捨ててください。 そして、私共、霊媒師でも見たことがないのですが、 すずらん公園 という公園が現れるそうで、 そこにすずさんが来るそうです。 あとは、すずさんのいうことを聞いて行動してください。」 「え、その、すずさんがいうことってなんなんですか?」 「それは、私にもわかりません。」 「え?じゃあとにかくいうことを聞けばいいんですね!」 「はい。あ、あと今言ったことは、すべて夜におこなってください。」 「え、あ、はい。わかりました。ありがとうございました。」 「はい、頑張ってください。」 「はい、さようなら。」 私は電話を切った。 その日の夜 まず私は、スマホを海に捨てた。 そして、走った。走って走って走った。 ~すずらん公園~ え、あっ! あった!これだ、これがすずらん公園! 急に寒気がしてきた。 えっ、あっ! 「こんにちは。」 え、これがすずさん? 「あ、こ、こここここっんにちは。」 「私と、友達になって。」 え、友達になると、どうなっちゃうんだろう。怖いな。 「ごめん、あの…」 あ、断ってしまった! どうすれば、どうすれば! 「ふふふ、そうなのね。 私と友達にはなりなくないのね。」 いやぁぁぁぁぁぁぁーーーー 気がつくと私は、家にいた。 よかった、助かったんだ。 「お母さん~ねーねー。」 ってあれ?む、無視された。 なんで、なんで? 「ふふふ」 す、すずさん? 「あなたも私も幽霊よ。」 え、私死んだの…? う、うそ すずさんの願いを断ったから? ココニイルヨ…
ショコラ王子とあの子との約束
僕の名前はショコラ。チョコレート色のポメラニアン。名前は僕の毛の色からきている。 僕の飼い主さんは17歳の優香とパパとママと僕と4人ぐらし。僕は優香の事が大好き。優香は僕のために遊んでくれたり、ご飯を作ってくれたり、散歩に連れてってくれたり色んなことをしてくれる優しいし、楽しい。 今僕は彼女とボール遊びをしている。優香が赤いボールを投げて僕が取りに行く。僕はそのボールカミカミする。 彼女は僕をみてこういった。 「ショコラといると辛いことでも、悲しい時でも笑っていられる。自分は弱虫で泣き虫だから。ショコラといる事が1番の楽しみなの。私がいなくなっても家族を癒してあげてね。」 彼女に喜んでもらえると凄く嬉しい。僕が守ってあげるからね。たすけてあげるからね。 そんなある日、家族みんなと散歩に出掛けた時のこと。悲劇は起きた。 ママが優香に聞いた。優香が楽しく学校生活を送っているのか聞くと彼女は笑顔でこう答えた。 「クラスの子もみんな優しいし、面白くて凄く楽しい。」 ママは安心した。パパが言った 「授業とかついていけてるか?困ったことはないか」 パパは凄く心配性。優香は意外としっかりしてるからそこまで心配しなくていいだろうよ。優香は笑って 「もうパパったら、心配しすぎ。本当に大丈夫だから」 優香は笑っていたけど、笑顔の裏には辛いとか悲しいとかそういう感情を持っているんだろうな。そして彼女は下を向いたままとまりこみ、そして座り込み吐血したあとついには倒れ込んでしまった。パパが言った 「これ再発したんじゃないか」 ママは慌てて救急車を呼んだ。そういえば散歩に行くからリード取りに行こうとしてた時もなんかふらふらしてたし、顔色も少し悪かった。なんでそうやって隠すんだよ優香は。それから救急車が来て優香は救急車で運ばれた。ママも付き添いで一緒に病院に向かい、僕とパパは2人で見送った後、家に帰った。何も助けてあげられなかった。助けてもらってるのは僕の方なのに。優香ごめん。ごめん。ごめん。…ごめんなさい。僕は悔しさで胸がいっぱいだった。 そして夕方ママが帰ってきた。 「優香は?優香は一緒じゃないの?」 ママは僕の頭を撫でながらこう答えた。 「優香は病気が再発してまた入院することになったの。しかも前よりもはるかに症状が重い悪性だって」 え、入院て何?僕の頭の中は真っ白になった。僕のせいだ。 「病気がかなり進行してるらしくて、もう治療方法がないんだって。だから長くはもう持たないだろうって、でもね…。」 でも? 「前にね、優香は昔治療が嫌で嫌でしょうがなかったけど、ショコラと出会って強くなれたって、つうらいときでも笑顔でいるようにしようって思ってたんだって。ショコラには人を元気にさせる力があるからこれからも元気でいて欲しいって。後、優香の分までしっかり生きて欲しいって言ってたよ。王子様って感じだね。いつも優香のことを気遣ってくれてありがとう。優香を励ましてくれて」 僕、優香の分もしっかり生きる。それが僕の役割なんだと。そして次の日 優香は天国へ旅立って行ったと電話がかかってきたらしい。 僕は家の窓から空をみあげ 「優香、今までありがとう。たくさん笑って、遊んで楽しかった。優香の分までしっかり生きるから。パパもママも大切にするから、優香も天国で元気に過ごして僕達家族を見守っててね。」とおもったんだっけ。
奇跡の日
小六の終わり。私、佐藤柚木は、洸夜という好きな人がいる。 告白は、卒業式に絶対絶対しようと、心に決めていた。 そして、卒業式の日。勇気を出して告白の場所に向かった。 すると、何かが聞こえてきた。耳を澄ますと、 「私、私、洸夜が好き!」 隣のクラスの女子だった。 洸夜の返事は・・・ 「ごめん。俺好きな人がいるんだ。」 ほっとして、私は、可能性に賭けて、告白した。 「私、洸夜が好き!」 ドキドキしながら、返事を待っていると、 「俺も柚木が好きだ。」 奇跡の日だった。